英語ができるようになることのメリットはなんでしょうか?
日本では「英語ができる」ことが重要視され、幼児の頃から英会話学校へ通わせたり、小学校から英語の授業が導入されるといったことが起こっています。
また、英語ができることを証明する手段としてTOEICがありますが、TOEICで高得点を取得することで、大学受験や就職、そして転職等で有利になることが多くあります。
もちろん英語学習を継続して、TOEICのような資格試験で高得点を取り、結果的に希望する大学や会社に入れることにつながったのであれば、それは本当に素晴らしいことです。
ただ、英語ができることで得られる恩恵は、資格試験の点数だけではありません。
この記事では、帰国子女である筆者が、ベルギー在住中、または日本に帰国した後に「英語ができて良かった」と感じた経験の中から、3つご紹介します。
英語ができることで人生が豊かになったことは間違いありません。 ではどのように豊かになったのかお伝えしていきます。
買い物、旅行やその手配ができる
英語ができて良かったと感じた1つの理由が、買い物や旅行、そしてその手配ができるという点です。
ネットショップで簡単に買い物ができる
今では海外から日本に多くのものが輸入されているので、欲しいと思ったものは日本にあるお店や日本のネットショップで購入することができます。
海外から多くのものが輸入されていますが、実はこういったものは、当然ながら実際に世界で売られているもののほんの一部で、日本で知られていないものは多くあります。
そういった日本で売られていないものが欲しい場合、自身で販売しているサイトを探し、購入する必要があります。そういった際に英語が必要になります。
筆者は以前ベルギーに住んでいて、そこで大好きになったのが日本でも有名なベルギーワッフルです。
ベルギーワッフルといってもとても多くの種類があります。日本のスーパーでも買えるものもありますが、卵がふんだんに使われたソフトワッフルや、しっとりしたワッフルを、これまた世界的に有名なベルギーチョコでコーティングしたもの等、日本では購入できないベルギーワッフルは多くあります。
こういったワッフルは時々無性に食べたくなるのですが、日本では買えません。
そうなると海外のネットショップで販売しているところを探す必要があります。
欲しい商品を検索し、サイトを見つけ、送料等を確認した上で、購入者情報を入力して購入するという作業が必要になります。
これらは当然ながら全て英語で行う必要があります。
辞書をひきながら行うと、とにかく時間がかかってしまい、途中で諦めてしまうという可能性も高いでしょう。
しかし、英語ができることで、こういったちょっとした幸せを得ることにもつながります。
旅行に行くことができる
これは多くの英語学習者が、英語ができるようになりたい理由として挙げるものですね。
もちろん英語があまりできない場合でも、非日常を味わえる海外に行き、その雰囲気を十分楽しむことができます。
しかし、英語ができることで、現地の人達とコミュニケーションを取ることができるのはもちろん、現地で情報を得ることで、ガイドブックに載っていないような場所やお店に行くことができたりします。
筆者の場合、旅行でロンドンへ行った際に、その当時大好きだった「フレンズ」のビデオやベルギー代表のサッカーのユニフォームを探しに色々な店を回ったりしました。
しかし、こういったことも英語ができないと自由に歩き回ることは難しい場合もあります。
また、父と香港へ行った時も、ホテルのチェックインからレストランでの注文、お土産屋さんでの雑談まで全てスムーズに行うことができました。
こういったことも英語ができるから不自由なくできますが、もし英語ができない場合、苦労する場面も多くあったと思います。
旅行の手配ができる
海外旅行の手配は旅行代理店に任せることもできますし、何かあった場合には旅行代理店が対応してくれるので安心感はあります。
しかし、その分手数料が加算されるので、料金は高くなります。
英語ができる場合、自身で良さそうなホテルを探して直接予約を入れることもできますし、現地で興味を持ったツアー等に自分で手配をして参加することも可能です。
そして、旅行の手配関連で、特に英語ができて良かったと感じる瞬間は、トラブルがあった場合に自分で対応ができた時です。
2019年の暮れに、翌年の5月に海外へ行く予定を立て、返金不可プランでホテルを予約していました。
しかしご存じの通り、その直後にコロナ禍になり、海外へ行くことが事実上不可能になってしまいました。
その際に、予約をしたサイト上では、返金不可プランだったため、キャンセルボタンが表示されませんでした。
サイトの運営会社に問い合わせても、返金不可のプランのため、運営会社では対応ができないということでした。
そこで、予約をしたホテルの公式サイトの問い合わせから、コロナ禍で日本から出ることも、目的地の国に入国することもできないことを伝え、良い印象を与えるために、旅行ができるようになった時には是非ホテルを利用したいと付け足した上で、キャンセルをさせて欲しい旨を送りました。
それに対して返信はありませんでしたが、数日後にはキャンセルボタンが突然表示され、無事キャンセル料なしで予約を取り消すことができました。
このように、もしかしたら泣き寝入りすることになっていたかもしれないことも、英語ができることで、対処することができました。
英語ができることで、買い物や旅行といった部分で海外とやり取りが必要になった際に恩恵を受けることができます。
世界中の情報を得ることができる
英語ができると良い2つ目の理由は、世界中から様々な情報を得ることができるという点です。
これはITの進歩によって、更に実感することができるようになりました。
筆者がベルギーに住んでいた頃は、まだ電話回線をネットに繋げてインターネットを利用するような時代でした。
情報はまだ本や雑誌から得ることが主流だったので、最新の情報を得るということが今のように簡単には行えませんでした。
しかし、インターネットの進歩により、今では世界中の情報を瞬時に得ることができます。それに英語が加われば、求める情報をこちらから簡単に探しにいくことができます。
異なる視点の考えを知ることができる
英語ができることで、物事を全く異なる視点から考えられるようになったという点は、自分の人生において、とても大きな影響があったと思っています。
日本にいる場合、必然的に耳に入ってくる情報は日本語で入って来ることが多く、海外から入って来る情報に関しても、例えば報道番組等を通すと、どの情報を流すか選択された状態で入ってきます。
そういう意味では、その情報を流す人達の考えに沿ったもののみになってしまうことも考えられます。
また、海外の方が話している内容を映像で流しても、訳が実際に話している内容とずれていることがあったり、解説が日本人の思考で語られているということも多くあるため、偏ってしまうこともあります。
もちろんそういったことを理解した上で、全部鵜呑みにしないという方は多くいます。
ただ、どうしても日本語での情報が多くなると、日本人の目線のみで物事を判断してしまうことが多くなります。
それが悪いという訳ではないのですが、異なる視点から物事を見て、別の考え方があることを理解した上で、自分はどう思うか考えることが大切です。
それをする上で、英語ができるというものはとても重要になります。
筆者は小学生の頃から歴史が好きで、様々な歴史の本を読んでいたのですが、それはベルギーへ行ってからも変わらず、高校では専攻するくらい興味を持っていました。
ベルギーではインターナショナルスクールに通っていたため、クラスには様々な国籍の友人達がいて、授業で取り上げる内容は世界中の国の歴史になるため、生徒は一国の歴史を勉強するというより、常に世界史を勉強していました。
筆者からすると日本の歴史以外は当然ながら海外のことなので、新しく学ぶことが多く、とても新鮮でした。
そして、いよいよ日本が登場してきたわけです。
明治維新あたりから第二次世界大戦あたりまでをそれなりに時間をかけて学習しました。日本の歴史に関しては、それまでにずっと勉強をしてきたので、その時代に関する自分なりの視点がありました。
しかし、それは日本人である筆者の視点であることに気付くのです。
授業で先生が話す内容、教科書、そして課題を書くために読んだ書物で情報を得る中で、筆者の視点とは異なる視点がありました。
当然ながらこれらは欧米の視点で、「そのように考えるのか」や「その考えは面白い」というものから、「それは勝手すぎるのでは」といった様々なものもありました。
ただ、こういった自分とは別の考えを持っている人達の視点を理解しようとし、それによって、物事を別の角度からも考えられるようになったのは、英語という道具を通して、先生や本から直接情報を得られたからでした。
当然ながら、立場が変われば考えも変わります。
英語ができることで、それを日々感じながら生活ができたことは、筆者の人生にとっても大きな影響を与えました。自分の考えを持ちつつも、他の人達の考えを聞いて、自分なりに更に考えるということが、成長へとつながるのだと知ることができました。
趣味に関する情報を得ることができる
筆者が歴史と同じくらい好きなことがサッカーです。
これはベルギーに住むようになって好きになった趣味です。
帰国後は、時差のこともあり、常にJリーグを中心に観戦していますが、海外での日本人選手の活躍を見るととても嬉しくなります。
日本では、サッカーに限らず、海外で日本人選手が活躍すると、その選手中心で報道する傾向があります。もちろんその方が記事のPV数が伸びたり、スポーツ紙の販売部数が増えるので戦略しては間違っていないのだと思います。
しかし、実際に海外では、そういった選手達がどのように評価されているのかだったり、日本のサッカーがどのように見られているのかといった点が気になります。
英語ができることで、こういった情報を試合の英語実況、SNSや試合後の記事等を通して知ることができます。
日本語で報道があった通り現地でも大絶賛されていることもあれば、日本でだけ騒いでいるということもあります。
また、日本のサッカーは徐々に評価されるようになっては来たものの、まだそこまでの脅威と考えれていないことも分かります。
しかし、こういった情報を得られるのも英語ができて良かったと思える瞬間です。
日本について知ろうとすることができる
英語ができると外国の人達と話す機会ができます。
そういった人達との会話の中で、日本について聞かれることが多くあります。
「それは日本ではどうなの?」といった質問や、「日本ではクリスマスみたいな日はないの?」といった文化的な質問も多くあります。それらに上手く答えられず、自分が日本のことをそこまで知らないと思い知らされることもあります。
また、日本について勉強したことがある外国人の中には、日本人が知らないようなことを知っている人達も多くいます。海外の人達と接していると、自国のことをよく知っており、誇りを持っている人が多いことが分かります。
英語を通して海外の人達と話す機会がなかったら、自分は日本のことを意外に知らないのだということに気付かなかったかもしれません。
今では、日本を知るために、文化や歴史を学びながら、様々な場所へ足を運び、実際に読んだり聞いたりしたものを見たり経験するようにしています。
日本により興味を持ち、知りたいと思うきっかけを英語が与えてくれたといっても過言ではありません。 ちなみに現在の目標は、47都道府県制覇です!
世界中の人達と繋がることができる
これは英語ができることの醍醐味かもしれません。
これが、英語ができると良い思う3つ目の理由です。
筆者はベルギーに小学校5年生の時に行くことになりましたが、向こうへ行った時に英語で言えた文は、My name is…のみでした。
その状態で行ったため、当然ながら当初は誰ともコミュニケーションを取ることはできず、ストレスを感じていたことを覚えています。
しかし、小学6年生になる頃には、ある程度英語ができるようになり、バスケ部に入ったこともあり、仲の良い友達も増えてきました。
英語が上手に話せなくても、良くしてくれる友人はいましたが、英語が話せるようになるにつれ、より多くの人達と仲良くなれた気がします。
自分をしっかり表現する性格になる
英語ができることで、性格にも大きな変化が現れました。
元々内気で人前で話すことが苦手だったのですが、海外の人達の影響で、しっかりと声に出して物事を言うということを学びました。
例えば教科書に書かれている2つの絵のうち、どちらかを選ぶ際、指で絵を指して伝えようとしました。しかし、先生から「声に出して言いなさい」と言われ続けたことで、何事でもとりあえず声に出して伝える癖がつくようになりました。
徐々に、自分の考えを主張するということを、ある意味強制的でしたが、身につけることで、友達ともより積極的に話すようになったのです。
英語ができるが、自分の考えを伝えるということにも繋がり、色々な人達と繋がることができたと思います。
世界中の友人が元気か確認できる
幸いなことに、学生時代を様々な国の人達を過ごすことができたことで、世界中に友人達がいます。
そして、英語ができることによって、メールやfacebook、zoom等を通して遠く離れた人達とも連絡が取れるようになり、世界中で何かが起こっていても、友人達が元気か確認することができます。
何かがあった時は、特に英語ができて良かったと感じる瞬間です。
2011年に東日本大震災があり、その恐ろしい映像が瞬く間に海外にも広がりました。
私は地震発生時、東京の事務所にいたため、大きな揺れは感じたものの、一晩事務所で過ごし、翌日千葉県の自宅に徒歩で帰ったくらいで、被害が大きかった東北や関東の一部の方々のように苦しむことはありませんでした。
しかし、震災のことを知った多くの海外の友人達から安否確認や何かできることはないかといった連絡がありました。直ぐに全てに返信をして、自分や家族は無事であることを伝えつつ、日本の状況を伝えました。
また、現在のウクライナで起こっている戦争ですが、筆者には高校の頃の友達にロシア人もウクライナ人もいます。
そういった人達の安否が心配になりましたが、英語ができることで、直ぐに確認することができたのも本当に良かったと思います。
別世界の人達の客観的な意見を聞くことができる
人には当然ながら様々な悩みがあります。
そういった時に、誰かと話すことで、少し気持ちが楽になるということがありますよね。
状況を理解して的確なアドバイスがもらえることはとてもありがたいですが、時には全く何も状況が分からない人に話して、客観的な意見を聞くことで、気が楽になることもあります。これは気休めにしかならないかもしれませんが、それが必要ということもあります。
例えば筆者がちょっとしたことに悩んだ時に、日本から遠い場所に住んでいる人に「そんなこと気にしなくて大丈夫だよ~。何とかなるから悩むだけ時間の無駄だよ。ハッピーになれハッピーに!」とか言われると、少し「おいおい」と思いつつも、「確かに悩んでも意味ないか」と思ったりすることがあります。状況が分かっている人だと、共感や同情し、何とかできないか一緒に悩んでしまうということもあると思います。
しかし、こういった境遇や文化等が全然違う人に話すことで、思っていたのと異なる反応が返って来て、それが逆に良いということもあります。
そういったことも英語ができるから感じられる点なのかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事はいつものように、英語学習に関する内容を中心に書くのではなく、筆者が、英語ができるようになったことで何が良かったかと感じた点を、自身の経験を交えてお伝えしました。
一つだけ誤解がないようにお伝えしたいのは、英語ができることで、人生が豊かになった部分が沢山あると感じていますが、英語ができなくても豊かな人生を送れないと言っている訳ではないという点です。
ただ、英語ができることで、もしかしたら一生接することがなかったかもしれない人達と出会えて話したり、触れることが無かった情報に触れたり、存在も知らなかった場所に訪れることになったりということがあるかもしれません。そういったことが、結果自身の人生に大きな影響を与えるということも考えられます。
英語ができることで、TOEICの点数が上がり、大学入試や就職で有利になることがあるかもしれません。それはそれで素晴らしいことです。
同時に、そういったこと以外でも、英語が自分の人生にどのような良いことをもたらしてくれるのか考えると、学習意欲が更に増すかもしれません。