リスニングの力を伸ばすための練習のひとつに、音読練習があります。
モバイック内ではリピート学習と呼んでいるものです。
この音読練習とは、「英語の音声を聞きっぱなしにするのではなく、自分で英文を読み上げる練習法」のこと。
私は、音読練習をせずにリスニング力を伸ばした人を何人も見てきましたが、やはり音読がリスニング力を伸ばす効果がある効率の良い練習法であるは確かなようです。
多くの講師仲間たちも、生徒さんの様子を見て、「自分が出せる音は聞き取れるようになる」と効果を認めています。
音読練習には、さまざまな方法があります。
・音声を流しながら、英文スクリプトを目で追う(脳内で音読する)
・文末やポーズのあるところで音声を止めて、繰り返して言う(はじめは
英文を見ながら、慣れたら英文を見ずに)
・音声を止めずに流し、同じリズムで音をかぶせるように言う(オーバーラッピング)
・音声を止めずに流し、耳に入ったままの音を1秒後に言う(シャドーイング)
・音声を聞かずに、スクリプトを見ながら同じ時間で音を再現する
モバイックは初学者向けのリスニング対策ですので、「文末やポーズのあるところで音声を止めて、繰り返して真似る」というプログラムを採用していますが、いずれの方法も、「音声を忠実に真似する」ことが大事です。
そしてさらに大事なことがもう一つ。
それは、
英語の「リズム」と「音のつながり」を意識する
ということ。
音声を真似するときに必ずこの2つに意識を向けてほしいのです。
英語のリズムとは?
「リズム」とはどのようなものでしょうか。
たとえば、
There are no curtains on the windows.
訳)窓にはカーテンがない
という文があるとします。
この文で意味を伝えるために必要最低限の単語は、no、curtains、windows
この3つが主役となるように読んでみてください。
そのためには、それ以外のThere areとon theをすばやく読まないと間に合いません。
結果的に、必要最低限の3語がアクセントとなり、ゆっくり発音されます。
こうして相手に言いたい単語をクリアに伝えることができるのです。
アクセント以外のところを弱く発音しないと、このリズムは生まれません。
これが英語を話す際のリズムと呼ばれるものの正体です。
英語のつながりって?
さらに、音のつながりを意識してみましょう。
たとえば、
We’re leaving in an hour.
訳)1時間後に出発する。
という文の中には、一気に読むと音がつながって違う音に聞こえる箇所がいくつかあります。
音の変化がわかるように敢えてカタカナで表記してみましょう。
leaving(リービング)とin(イン)がつながると、
“リービンギン”
in(イン)とan(アン)がつながると”イナン”といったよう聞こえます。
子音の直後に母音が続くと、まるで1つの単語のように音がつながるのです。
では、
leaving in an hourの音がつながるとどうなりますか?
“リービンギナナウワ”
のように聞こえるはずです。
これが英語のつながりでした。
この2つを習得していなければ、たとえリスニングの問題で知っている単語が流れてきたとしても、
“何を言っているのか聞き取れない”
ということになってしまいます。
なぜ聞き取れないのか?
その答えはズバリ、音情報と文字情報のギャップにあるでしょう。
つまり、見た段階で「どのように読まれるのか」というイメージができない文だから聞き取れないのです。
その、“ギャップ”が生まれる原因こそ、“英語のリズムとつながり”なのです。
音読練習では、この2つをしっかり意識しましょう。
聞こえる音を忠実に再現することを目指して音読練習をすると、だんだん音情報と文字情報のギャップが埋まり、「英語を聞いた瞬間に意味がわかる」状態に近づいていきます。
つまり「徹底的に音を真似る」という音読が大切なのです。
ぜひモバイックで学習中の方は、この2つを意識して音読してくださいね。
ヒロ前田