このコラムを読んでいる方は、apple, pineapple, penといった単語の意味をわざわざ辞書で確認する方はいないでしょう。
昨年から、毎日のようにテレビでこの3つの単語が繰り返し流れていますので、この単語を知らなかった小学生の子供たちでさえも、すっかり意味を覚えたのではないでしょうか。
このように、単語は何度も同じものに触れる事で覚えることができます。
語彙力が不足しているという自覚がある方は、
単語帳を大量に購入し、一冊づつ一通り目を通して終わり。
という傾向が見られますが、これは語彙力の強化法としては効率が悪いと言わざるを得ません。
なぜなら、語彙力を伸ばすには、同じ単語に繰り返し触れることが大切なのです。
お菓子のミルフィーユを知っていますか?
パイとクリームを何層にも重ねていうお菓子ですが、
単語の学習はこのミルフィーユをイメージしていただくとわかりやすいです。
同じ単語を何層にも重ねて覚えていく様子を想像してください。
繰り返し同じ単語に触れる方法はたくさんあります。
単語帳を使うなら、1冊だけ用意して、何度も繰り返し読んだり聞いたりする方が、
複数の本に1回ずつサラっと触れるより効果的です。
耳で学習するのは効果的ですから、必ず音声が付いた教材を選んでください。
問題集によっては、リスニングセクションだけでなく、リーディングセクションの音声を入手できます。
経験的に言えば、ある時は会話で、別の時は文書で同じ単語に接すると、記憶に残りやすくなります。
できれば、自分が書いたり口に出したりする経験を増やすとさらに効果的です。
個人的な体験談を1つ紹介しますと、2008年に受験したTOEICで、
adhereという単語が正解として登場しました。
その時は「順守する」という意味で登場していました。
ボクはadhereに出会ったのは、その18年前、大学生の頃でした。
「企業が政府と癒着する」という文脈で覚えた単語でしたが、
ディスカッションの中で、自分が口に出していたので18年間も記憶に定着していました。
語彙力増強のポイントは「出会いの回数」と「出会いの種類」だと思います。
ヒロ前田