IELTSリーディングセクションは、多くの受験者にとって「時間との戦い」です。長文読解に苦手意識がある人や、設問形式に慣れていない人にとっては、なかなか思うように得点できないこともあるでしょう。
この記事では、IELTSリーディングで高スコアを取るための効率的な学習法・解答テクニックをわかりやすく解説していきます。
1. AcademicとGeneral Trainingのリーディングの違い
IELTSリーディングには、Academic(アカデミック)モジュールとGeneral Training(ジェネラルトレーニング)モジュールの2種類があります。目的に応じてどちらかを選びますが、リーディングの内容もそれぞれ異なります。
比較項目 | Academic | General Training |
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目的 | 大学・大学院留学、専門職登録 | 海外移住、一般就労 |
文章の内容 | 学術的(雑誌、論文、教科書など) | 日常的(広告、ガイド、手紙など) |
難易度 | 難しめ(語彙・内容ともに) | やや易しいが問題数・量は同じ |
セクション構成 | 長文×3本 | 短文〜長文の混在(実用文+1長文) |
いずれも設問数は40問、試験時間は60分と共通です。
2. 出題される問題形式とその対策法
IELTSでは、さまざまな形式の設問が出題されます。それぞれの設問タイプに合った読み方・答え方を習得することが、スコアアップのカギです。
主な設問タイプ
設問形式 | 内容 | 対策のポイント |
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True / False / Not Given | 内容が一致するかどうかを判断 | 文章との「矛盾」や「言及なし」に注意 |
Multiple Choice(選択問題) | 最適な選択肢を1つまたは複数選ぶ | キーワードとパラフレーズの一致 |
Matching Headings(見出し選び) | 段落の主旨に合う見出しを選ぶ | 段落の「全体像」を把握する |
Sentence / Summary Completion(穴埋め) | 本文から語句を抜き出して空欄に記入 | 単語数制限とスペルに注意 |
Matching Features | 人物・用語・意見などを対応付け | 指定対象ごとの特徴を正確に把握 |
Matching Information | 情報がどの段落にあるかを判断 | 段落ごとに情報の位置づけを確認 |
3. 読解スピードを上げる!スキミングとスキャニング
時間が足りない!という悩みを解決するのがこの2つの読解技術です。
スキミング(Skimming)
→ 文章の大意をつかむ読み方。
実践ポイント
-
各段落の「最初と最後の文」を読む
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タイトル・副題・太字をチェック
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全体の流れを頭に入れておく
スキャニング(Scanning)
→ 特定の情報を探す読み方。
実践ポイント
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設問の「キーワード(数値・固有名詞など)」に注目
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見つけたら、その前後の文だけ精読する
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設問と同じ意味でも表現が違うことに注意(=パラフレーズ)
4. 文脈から答えを見つけるヒント
IELTSでは、**設問の表現と本文の表現が異なる(=パラフレーズ)**ことが頻繁にあります。
よくある言い換え例
設問の表現 | 本文の表現 |
---|---|
dangerous | hazardous, risky |
people | individuals, the public |
study | research, investigation |
help | support, assist |
パラフレーズを見抜く力を養うことで、**設問と本文の「つながり」**をスムーズに見つけられるようになります。
5. 実践問題とその解説
以下に、実際に出題される形式の問題を紹介し、解答と解説を示します。
例題1:True / False / Not Given
本文抜粋:
“Contrary to common belief, the Great Wall of China cannot be seen from the moon.”
設問:
The Great Wall of China is visible from the moon.
A. True
B. False
C. Not Given
正解:B. False
解説:
設問は「万里の長城は月から見える」と言っているが、本文では「月からは見えない」と明言している。主張が真逆なので「False」。
例題2:Sentence Completion(穴埋め)
本文抜粋:
“In 1879, Thomas Edison succeeded in creating the first long-lasting electric light bulb.”
設問:
Thomas Edison invented the electric __________ in 1879.
正解:light bulb
解説:
キーワード「1879」「Thomas Edison」で本文をスキャニング。語数制限がある場合、”light bulb” のまま使う。スペルと語数の指定に要注意。
6. 効果的な学習法と時間配分
学習法のポイント
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公式問題集を使って「形式に慣れる」
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語彙と背景知識の強化(新聞・科学記事など)
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スキミング・スキャニングの練習を毎日数分でも実施
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解いた問題は「なぜ間違えたか」を振り返る
-
正解できても「本文のどこが根拠か」を必ず確認
時間配分の目安
パート | 時間配分 |
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Passage 1(最も易しい) | 約15分 |
Passage 2 | 約20分 |
Passage 3(最も難しい) | 約25分 |
見直し・転記含む | 最後の3〜5分 |
7. 試験当日のTips(間違えやすいポイント)
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解答欄の転記は必ず時間内に!(リーディングは別途転記時間なし)
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スペルミス・単語数超過はすべて不正解
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Not Givenの見極めが難しい問題は飛ばして戻る
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設問文の指示(ONE WORD ONLYなど)を必ず守る
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「迷ったら本文に戻って検証」が鉄則
8. まとめ
IELTSリーディングは、設問の種類に応じた戦略を身につけることで、確実にスコアアップが可能です。特に重要なのは、次の3点です。
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形式に慣れ、設問ごとの解法をパターン化する
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スキミング・スキャニングで効率よく読む
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文脈とパラフレーズから答えを導く力を養う
これらを意識しながら、公式問題集や過去問で日々トレーニングを積み重ねていきましょう。リーディング力は積み重ねと慣れがものを言います。焦らず継続的に取り組んで、目標スコアの達成を目指してください。