リスニング力の強化はTOEIC勉強法の中でも特に重要であり、効率的な対策を行うことで短期間でもスコア向上が期待できます。本ガイドでは、TOEICリスニング対策にフォーカスし、パート別の攻略法や効果的な学習法、試験本番でのコツを詳しく解説します。リスニング力を着実に伸ばしてTOEICリスニングスコアアップを目指しましょう。
TOEICリスニングセクションの概要と特徴
TOEICリスニングパートは全4パートで構成されています。それぞれ出題形式が異なり、内容を把握しておくことがスコアアップの第一歩です。主なパート内容は以下の通りです。
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Part 1: 写真描写問題 – 写真を見て、その状況を描写する英文を聞き、最も適切なものを選ぶ問題です。
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Part 2: 応答問題 – 質問や発言を聞き、それに対する適切な応答を選ぶ問題です。
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Part 3: 会話問題 – 2人以上の英語の会話を聞き、その内容に関する設問に答える問題です。
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Part 4: 説明文問題 – アナウンスやプレゼンテーションなど、一人話者の英語を聞き、その内容に関する設問に答える問題です。
各パートの特徴を理解し、自分の弱点を把握して対策を立てましょう。
リスニング力強化の基本ポイント
リスニング力を向上させるために、まず以下の基本ポイントを意識しましょう。
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英語の音に慣れる: 毎日できるだけ英語を聞く習慣をつけ、英語の発音やリズムに耳を慣らします。通勤・通学中にポッドキャストや英語ニュースを流すだけでも効果的です。
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目的を意識して聞く: リスニングの際には「何を聞き取るべきか」を明確にしましょう。例えば、日時を問う設問であれば日時に関する単語に注意を払うなど、目的意識を持つことで必要な情報を逃さずキャッチできます。
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集中できる環境を整える: 学習時はできるだけ雑音を減らし、短時間でも良いので集中して英語を聞く時間を作りましょう。集中力を高める練習を積めば、本番でも周囲に惑わされず実力を発揮しやすくなります。
基本を習慣づけることで、リスニング力の土台が固まり、後述する具体的なTOEICリスニング対策も効果が上がりやすくなります。
パート別リスニング対策法
ここからはTOEICリスニングの各パート別に、スコアアップのための攻略ポイントを解説します。それぞれのパートの特徴に合わせた対策を身につけましょう。
Part 1: 写真描写問題の攻略
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写真の細部まで観察する: 写真に写っている人物の動作や表情、物の配置など細かな点に注目しましょう。描写文は写真の状況を正確に言い表したものが正解となるため、細部まで把握しておくことが大切です。
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前置詞に注意する: 選択肢の英文では、物や人の位置関係を表す前置詞(on, under, beside など)がポイントになります。写真に写る物の位置関係を把握し、誤った前置詞表現に惑わされないようにしましょう。
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全ての選択肢を聞いて判断する: 音声を最後まで聞く前に「あ、この写真は最初の選択肢だ」と早合点しないことです。最初に聞こえた選択肢がもっともらしく聞こえても、他の選択肢を聞けばより適切な描写が示される場合があります。必ず全ての選択肢を聞いてから答えを選びましょう。
Part 2: 応答問題の攻略
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疑問詞を聞き取る: 質問文の冒頭にある Who, What, Where, When, Why, How といった疑問詞に注意を払い、何を問われているのか瞬時に把握します。疑問詞を正しく聞き取れば、求められている回答の方向性がつかめます。
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多彩な応答パターンに慣れる: Yes/Noで答えられない質問も多く出題されます。「Let me check.(確認します)」「I’m not sure.(わかりません)」など様々な返答パターンに触れておきましょう。よくある表現を覚えておけば、想定外の答えが返ってきても戸惑わずに対応できます。
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紛らわしい音に注意: Part 2では質問文に出てきた単語と音の似た語(同音異義語)や、質問と関連がありそうで実はずれた内容の応答が選択肢に含まれることがあります。単語の一部だけで判断せず、質問の意図に合った応答かどうかを判断する習慣をつけましょう。
Part 3: 会話問題の攻略
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設問を先読みする: 会話が流れる前に問題冊子の設問文と選択肢に目を通し、どんな情報を探すべきかイメージしておきましょう。先に設問を把握しておけば、会話中に重要なポイントを聞き逃しにくくなります。
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会話の流れを予測する: 会話が始まる前に登場人物や状況から内容の流れを予測してみましょう。例えば、設問や選択肢から「誰と誰がどんな話をしそうか」「何についての会話か」を想像しておくと、実際の音声を聞いたときに理解しやすくなります。
Part 4: 説明文問題の攻略
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話者の目的に注目する: 流れてくる音声が「何のために話されているのか」を意識して聞きましょう。アナウンスなのか案内なのか、講演なのかなど、話者の目的や意図を掴むことで内容を把握しやすくなり、設問にも答えやすくなります。
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数字や固有名詞を聞き逃さない: 放送中に出てくる日時や数量などの数字情報、人物名や地名・会社名などの固有名詞は要チェックです。これらは設問で問われる頻度が高いため、聞こえたらしっかり記憶し、後の質問に備えましょう。
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全体の流れを把握する: 細部ですべての単語を聞き取れなくても、話全体の流れや要点を理解することが大切です。始まりから終わりまでの展開を追い、話のテーマや結論が何かを掴むようにしましょう。多少聞き逃しがあっても、大意が取れていれば正解を選べる問題も多いです。
リスニングスコアアップのための効果的な学習法
リスニング力を強化するには、日々のトレーニングが欠かせません。以下のような学習法を取り入れて、効率よく実力アップを図りましょう。
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シャドーイング: 英語の音声を聞きながら、聞こえた内容をそのまま影のように追いかけて発音する練習法です。ネイティブスピーカーと同じスピード・イントネーションで真似することで、英語の音の変化やリズムに慣れることができます。継続すればリスニング力だけでなくスピーキング力の向上にも役立ち、一石二鳥です。
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ディクテーション: 英文音声を書き取るトレーニングです。短い音声素材を再生し、聞こえたとおりに一語一句書き出してみましょう。書き取れなかった箇所は自分の聞き取れない音であり、後でスクリプトを確認することで弱点を発見できます。細部まで注意を向ける訓練となり、英語の音をより正確に聞き取る力が養われます。
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多聴: とにかく量を重視して英語をたくさん聞く学習法です。通勤中や家事の合間などに英語の音声をBGM的に流しておくだけでも効果があります。意味がすべて理解できなくても、英語の音に囲まれる時間を増やすことでリスニングへの抵抗感が薄れ、耳が英語に慣れていきます。
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精聴: 一つの音声素材を繰り返し集中的に聞き込む学習法です。一度聞いただけでは理解しきれなかった部分も、何度も聞くことで徐々に内容を掴めるようになります。スクリプトを確認しながら語彙や表現をチェックし、再度音声を聞いて理解を深めるといったプロセスを踏むことで、聞き取り精度と内容把握力が飛躍的に向上します。
これらのトレーニングをバランスよく実践することで、短期間でも効率よくリスニング力を伸ばすことができます。例えば、シャドーイングとディクテーションで音に対する反応速度と細部の聞き取り力を鍛えつつ、普段は多聴で英語に慣れ、定期的に精聴で理解度をチェックするといった組み合わせがおすすめです。
学習に役立つ教材・ツールの活用
効率よく学習を進めるために、教材やツールもうまく活用しましょう。TOEICリスニング対策に役立つリソースの例を紹介します。
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公式TOEIC問題集: TOEIC運営元の公式問題集は、本番と同じ形式の問題と音声で構成されており、リスニング対策に最適です。実際のナレーターの話し方やスピードに慣れることで、本番への不安も和らぎます。
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英語の音声素材(TED Talksなど): TOEIC対策に特化した素材以外にも、TED Talksや海外ニュース・ドラマなど、生の英語に触れるのも有益です。様々なアクセントや話題の英語を聞くことでリスニング力の幅が広がります。ただし難易度が高い場合は字幕を併用したり、内容をざっくり掴む多聴として取り入れるなど、自分のレベルに合わせて活用しましょう。
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英語学習アプリ: スマートフォン向けのTOEIC対策アプリや英語学習アプリを利用すると、スキマ時間に手軽に練習できます。例えば、AIが学習プランを提案してくれる「Santaアルク(サンタアルク)」のようなアプリなら、苦手分野に絞った問題演習が可能です。
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単語力の強化: TOEIC頻出のビジネス用語や日常表現を覚えておくこともリスニング対策の一環です。単語帳やアプリを活用してスキマ時間に語彙を増やせば、聞き取りの精度も向上します。
試験本番で役立つリスニング攻略のコツ
日頃の練習の成果を本番で発揮するために、試験当日のリスニングセクションで使えるテクニックや心構えを押さえておきましょう。
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先読みを徹底する: Part 3・4では音声が流れる前に設問文に目を通し、話の展開を予測しておきます。音声開始前のわずかな時間で、次に流れる会話や説明文のテーマを頭に入れておきましょう。何を問われるか事前に把握できれば、重要な情報に意識を集中できます。
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引っかけの選択肢に注意する: リスニング問題には、音が似ている単語を含む選択肢や、会話中に出た単語をそのまま使った紛らわしい選択肢が紛れ込んでいます。例えば、会話で言及された単語と同じ単語が選択肢にあっても、文脈が異なれば答えにはなりません。安易に聞こえた単語だけで選ばず、質問の意図に合致するかを冷静に判断しましょう。
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聞き逃しても引きずらない: 試験中、ある問題で一部内容が聞き取れなくても、そこで悩み続けないことが大切です。1問に固執すると、次の問題の音声まで聞き逃して連鎖的に失点する恐れがあります。聞き逃したと感じたら潔く気持ちを切り替え、次の問題に集中しましょう。どうしても答えがわからなかった設問は、その場で適当にマークだけして先に進み、リズムを崩さないことがポイントです。
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必ず全問マークする: リスニング中に迷った問題も、とりあえずどれかをマークしておきましょう。後の設問に集中するためにも、回答を保留せずその場で塗りつぶす習慣をつけ、マーク漏れがないようにします。
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平常心と集中力を保つ: 本番では45分間ノンストップで英語を聞き続けるため、集中力の維持が鍵です。日頃から長めの音声で集中力を鍛え、本番中も深呼吸してリラックスしましょう。仮に聞き逃しても気持ちを切り替え、最後まで諦めずに臨めば挽回できます。
まとめ
TOEICのリスニングパートで高得点を狙うためには、継続的な学習と的確な対策の両方が重要です。本記事で紹介したパート別の攻略法、効果的な学習法、そして本番でのコツを組み合わせて実践することで、リスニング力は着実に向上していきます。リスニング力の強化はスコアアップに直結します。毎日のトレーニングをコツコツ積み重ね、戦略を持って試験に挑んでください。