以前、「時短特急」という本を出した時に、
「この本には敢えて語注を入れていません。その方が学習者のためになるからです。語注を必要とする方はそもそも英語学習には向いていません」
と書きました。
様々な反響がありましたが、今でもボクの考えは全く変わっていません。
一方で、どうしても語注は入れて欲しいという出版社(編集者、営業)が多いのも事実で、その後、ボクの出版するほとんどの本には語注を入れています。
さて、語注が正式な呼び名なのかどうかは定かではありませんが、ここでは、TOEICの模試などの解説に書かれている、単語の「訳語」のことだとします。
「意味」ではなく、「訳語」と書いたのは、語注欄には意味は書けないからです。
【語注】:viable 実行可能な
例えば、こんな語注があったとします。
「実行可能な」というのは、viableという英単語の訳語であり意味ではありません。
訳語とは、viableの意味の一部を敢えて日本語に簡潔に置き換えたものです。
人によっては、訳語から意味を推測して理解出来る人もいるでしょう。でも、ほとんどの学習者は訳語を訳語としてしか認識できず、人によってはそもそも訳語の意味も怪しいかもしれません。
特にこの「実行可能な」という訳語は微妙です。分かったようで、実はよく分からない日本語です。
さっそく、語注を使わずに学習してみましょう!
では、どうするかと言うと辞書を引いて、自分で意味を理解しようと努めることです。英英辞典が良いと言われていますが、英和辞典でも構わないでしょう。
今は、オンラインでも良い辞書があります。「英辞郎」というオンラインの辞書で引いてみると、意味と共に様々な用例が一覧で出てきます。
viable approach, viable idea, viable option, viable plan, viable solution
これを眺めているだけで、viableの意味が自分なりに理解できてきます。
もちろん、いきなり英英辞典で調べてもかまいません。
LONGMANを引いてみます。
a viable idea, plan, or method can work successfully
“can work successfully”で、viableの意味がかなりすっきりと分かってきます。TOEIC学習者にはシソーラス辞典もお勧めです。
「Longman Activator Thesaurus」で引いてみると、似たような意味を持つ単語の繋がりが分かります。
possible - viable
- feasible
- workable
これを見ると、viableの上位には、馴染みのあるpossibleがあるので、viableのおおよその意味が分かると思います。更にfeasibleを既に知っている人にとっては、viableはその仲間であると気づけば理解は早いでしょう。
TOEICでは上位語や、パラフレーズがテスティングポイントになります。
是非一度、シソーラス辞典をお試しください。
ヒロ前田