受動態

英語では、「私はご飯を食べる」のように、「誰・何か」が、「何をする」と能動態を使うことが好まれます。

しかし、「日本ではお米が多く食べられています」のように、「誰・何か」が「何かをされる」というように、受け身の状態を伝えることもあります。

これを受動態と言います。

今回は、この受動態の形を見ていきましょう。

 

今回は、受動態の形と役割に焦点を当てて確認していきます。

 

1) 受動態の形

通常の受動態

【SVOの形をした能動態の文】

Tony took the computer to work.

(トニーはそのパソコンを会社へ持って行きました)

→ 能動態の文を受動態の文に変換するには、能動態の文中にO(目的語)が

必要です。そのO(目的語)が受動態の文ではS(主語)になります。

 

能動態を受動態へ変換する際のルールは下記の通りです。

受動態へ変換する際の規則:

#1. 動詞Vを(be動詞+過去分詞)に変えます

#2. 能動態の目的語Oを受動態では主語Sにします

#3. 能動態の主語Sは、必要に応じてbyを付けて文の最後に入れます

 

出来上がった受動態の文が下記です。

【受動態の文】

The computer was taken to work by Tony.

#2           #1                  #3

(そのパソコンはトニーによって会社へ持って行かれました)

 

次は、受動態の否定文の作り方を見てみましょう。

受動態の文が作れれば、特に難しいことはないので安心してください。

② 受動態の否定文

【能動態の否定文】

Tony did not take the computer to work.

(トニーはそのパソコンを会社へ持って行きませんでした)

→ 目的語Oであるthe computerを受動態の主語Sにし、

動詞Vであるdid not takeをwas not takenにします

 

【受動態の否定文】

The computer was not taken to work by Tony.

(そのパソコンはトニーによって会社に持って行かれませんでした)

 

be動詞(この場合was)の後にnotをつけるだけですね。

 

受動態の文を使って質問をすることもあります。

次は、疑問文の作り方を確認してみましょう。

受動態の疑問文

【能動態の疑問文】

Did Tony take the computer to work?

(トニーはそのパソコンを会社に持って行きましたか?)

→ 受動態の否定文と同じ考え方で、

目的語Oであるthe computerを受動態の主語Sにし、

動詞VであるDid Tony takeをWas the computer takenにします

 

【受動態の疑問文】

Was the computer taken to work by Tony?

(そのパソコンはトニーによって会社に持っていかれましたか?)

 

日本語の訳は少し変に感じてしまいますが、受け身であることは理解できると思います。

受動態の疑問文も、Be動詞を文の前に持ってきて疑問文を作ることが出来ます。

 

もう1つ見ておきたい受動態が、助動詞の入った受動態です。

助動詞を入れることで、「~かもしれない」や「~することが可能」といったニュアンスを入れることが可能になります。

助動詞が入った受動態

【助動詞が入った能動態の文】

Tony can take the computer to work.

(トニーはそのパソコンを会社に持っていくことができます)

→ 通常の受動態の作り方と同じです。違いは助動詞が入っているだけです。

能動態でも受動態でも、助動詞は動詞の前に位置することを覚えておきましょう

 

【助動詞が入った受動態の文】

The computer can be taken to work by Tony.

(そのパソコンはトニーによって会社に持って行かれることができます)

 

以上が、受動態の形です。これらを覚えれば、受動態の文は作れるようになります。

最後は、この受動態の役割を見てみましょう。

受動態は「受け身」を表す時に使いますが、そもそも「受け身」はどのような時に使うか確認していきましょう。

 

2) 受動態の役割

  • 動作主が不明の場合

誰がその動作を行ったかが分からない場合には、能動態で言う事は出来ない為、

受動態を使います。

 

My wallet was stolen yesterday.

(私の財布は昨日盗まれました) = 誰が財布を盗んだかは分かりません。

よって、 このような文では、文の終わりにby someoneを入れることも出来ますが、誰か

(人)によって盗まれたことは明白なので、入れる必要はありません。

 

  • 動作主を言う必要がない場合

誰によってその動作が行われているかがすぐに分かる場合には、動作主を入れる

必要はありません。

 

Japanese is spoken in Japan.

(日本語は日本で話されています)

この文では、日本で日本人(または日本にいる人々)によって日本語が話されて

いることは誰にでも分かるので、by Japanese peopleと言う必要はありません。

誰もが共通認識として持っているものをわざわざ言う必要はないということですね。

 

  • 動作の部分を強調したい場合

何かを「された」と言う動作を強調したい場合にも使う事が出来ます。

 

My doughnuts were eaten by Jack.

(私のドーナツはジャックに食べられました)

Jack ate my doughnuts. と言う事ももちろん出来ますが、「ジャックが食べた」ことよりも、「私のドーナツが食べられた」という部分を強調したい場合には、能動態ではなく受動態を使うと効果的です。

このように、能動態でも受動態でも同じ内容のことを伝えることが出来ますが、こういった理由で受動態を選択するということが可能です。

 

最後に1つだけ覚えておいていただきたいと点があります。

それは、受動態の英語と日本語訳が必ずしも合致するとは限らないという点です。

 

I am interested in temples.

(◯ 私はお寺に興味があります)

(× 私はお寺に興味を持たされました)

 

10 people were injured.

(◯ 10人が怪我をしました)

(× 10人が怪我をさせられました)

 

日本語から英語に直訳しようとすると、この点を間違えてしまうことがあるので注意が必要です。

 

いかがでしたか?

受動態の作り方と役割をしっかりと覚えられると、英語で物事を表現する幅が広がるので、是非この機会に覚えましょう!

 

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