TOEFLとIELTSの違いを徹底比較|どっちを選ぶべき?

TOEFLvsIELTS

留学や海外での就職を目指す際に必要となる英語試験には、TOEFLIELTSの2つが代表的です。どちらを受けるべきか迷っていませんか?それぞれ試験の特徴や目的が異なるため、自分に合った方を選ぶことが大切です。本記事ではTOEFLとIELTSの違いを徹底比較し、試験形式や難易度、スコア換算、向いている人のタイプなどを詳しく解説します。それぞれの特徴を理解して、あなたにピッタリの英語試験を選ぶ判断材料にしてください。

各試験の目的と受験者数の違い

TOEFL (Test of English as a Foreign Language) は主に北米のETS(Educational Testing Service)によって運営されている英語試験で、英語圏の大学や大学院への留学希望者の学術的な英語力を測る目的で開発されました。一方、IELTS (International English Language Testing System) はイギリスのブリティッシュ・カウンシルやIDPオーストラリアなどが共同で運営する試験で、イギリスやオーストラリア、カナダなどへの留学・移住目的に広く使われています。IELTSにはAcademic(学術)版General Training(一般)版があり、Academicは大学入学など学術目的、Generalは移住や就労ビザ申請などに利用されます。

どちらの試験も世界中で広く認知され、現在では米国の大学でもIELTSが受け入れられるなど相互に認められる傾向があります。ただし歴史的には、米国やカナダの大学ではTOEFLが定番であり、イギリスやオーストラリア圏ではIELTSが主流という違いがありました。さらにIELTSは移民ビザ申請でも要求されるケースが多く、例えばイギリスのビザ申請にはIELTS for UKVIという形式が指定されることがあります。

受験者数を見ると世界規模でIELTSの方が現在は多く受験されています。IELTSは近年年間400万人以上が受験しており(2023年)、TOEFLは年間約100万人程度に留まると報告されています。IELTSは世界中で約140カ国、1,600以上の会場で実施されており、TOEFLも190カ国以上・4,500会場以上で提供されています。このように世界的な認知度はいずれの試験も非常に高いですが、IELTSの方が試験バリエーション(学術・一般)を持ち用途が広いため受験者層がさらに拡大していると言えるでしょう。

試験形式・内容の比較

TOEFLとIELTSはいずれもリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を測定しますが、その出題形式には大きな違いがあります。

セクション TOEFL iBT IELTS Academic
Reading 約35分、2パッセージ、選択問題中心、学術内容 約60分、3セクション、穴埋め・選択肢・マッチングなど多様
Listening 約36分、大学講義・会話形式、選択式、音声は一度のみ再生 約30分+転記10分、会話や独白、設問形式は多様で書き取り中心
Writing 約29分、統合型と独立型の2問、PCタイピング 60分、Task 1(図表説明)+Task 2(意見エッセイ)、手書きも可
Speaking 約16分、録音型(PCに話す)、独立+統合型タスク 11〜14分、面接形式、3部構成(自己紹介→スピーチ→質疑)

TOEFLはすべてPCで完結し、選択肢中心の客観テストで構成されています。対してIELTSは設問形式が多様で記述力も要求される試験で、イギリス英語ベースの問題文や発音も登場します。

スコア換算表とCEFR対応

CEFRレベル TOEFL iBT IELTS
C2 114〜120 8.5〜9.0
C1 95〜113 7.0〜8.0
B2 72〜94 5.5〜6.5
B1 42〜71 4.0〜5.0
A2以下 41以下 3.0〜3.5

TOEFLとIELTSではスコア形式が異なるため、CEFRを基準に比較するのが一般的です。大学留学ではB2以上(IELTS6.0〜6.5、TOEFL70〜80)が求められ、難関校ではC1(IELTS7.0〜、TOEFL95〜)が必要です。

どんな人にどちらが向いているか?

TOEFL向きの人

  • タイピングが得意な人
  • アメリカ英語に慣れている人
  • 選択式中心の試験が好きな人
  • 複数技能を統合して処理するのが得意な人
  • 録音型のスピーキングに抵抗がない人

IELTS向きの人

  • イギリス英語や多様なアクセントに慣れている人
  • 手書きまたは記述問題に強い人
  • 面接形式のスピーキングに慣れている人
  • 柔軟な出題形式に対応できる人
  • 留学後に移住や永住も考えている人

受験のしやすさ・費用・日程の比較

項目 TOEFL IELTS
試験時間 約2時間(2023年から短縮) 約2時間45分(スピーキング含む)
試験頻度 月5回以上 月3〜4回程度
試験形式 完全PC型(Home Editionあり) 紙/PC選択可、スピーキングは対面
費用 約27,000〜30,000円(為替により変動) 27,500円(2025年現在)
スコア発表 約6日後(MyBestスコア制度あり) 紙:13日後、PC:5〜7日後
有効期限 2年 2年

練習問題(TOEFL & IELTS)

TOEFL Reading 問題例: What is the author’s main purpose in paragraph 2? A. To define a concept B. To contrast two ideas C. To present a hypothesis D. To provide background information

IELTS Reading 問題例: True / False / Not Given: “The majority of people support the new environmental policy.”

TOEFL Writing 問題例: Do you agree or disagree with the following statement? “It is better to study with others than to study alone.” Use reasons and examples to support your answer.

IELTS Writing Task 2 問題例: Some people believe that job satisfaction is more important than job security. To what extent do you agree or disagree?

まとめ

TOEFLとIELTSは、受験形式・出題傾向・評価基準においてそれぞれ特徴があり、どちらが適しているかは受験者の目的や得意分野によって異なります。北米留学やオンライン対応を重視するならTOEFL、ヨーロッパ・オーストラリア圏の留学や移住も視野に入れるならIELTSが適していると言えるでしょう。模擬試験やサンプル問題を活用し、実際に自分に合う方を選んで対策を進めましょう。

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