“無料で”やってみた場合
このところ語学勉強アプリやサイトが百花繚乱ですね。いろいろある中、緑色のフクロウがキャラクターとなっている英語学習アプリDuolingoはけっこう前からあるような気がします。子どもの勉強用に導入する前に、筆者は自分で使ってみることが多いのですが、Duolingoは自分がハマってしまったもののひとつ。これ、好きです。
はじめは日本語を勉強している友人に勧められたのがDuolingoを知るきっかけでした。「無料だし、毎日レッスンのお知らせがくるから続くんだよね」とのことで、ほぅ、と思い会員登録したのが2017年のこと。以前モロッコでドライバーさんと言葉が通じずとても困った経験から、フランス語を勉強することにしました。しばらく放置していたものの、このコロナ禍で家にいることが増えたため2020年の10月ごろから、毎日必ずやることを目標に再開しました。
Duolingoは基本無料で使えますが、手持ちのハートが5つあり、間違えるたびにひとつずつ消えていき、ハートの数がゼロなるとそれ以上学習できなくなります。数時間に1個ずつ回復するものの、全回復するまで半日以上はかかるので集中してやろうと思ってもできない仕組みになっています。それが嫌なら課金ですが、筆者はあくまでも無料でやると決め(イヤなユーザー笑)、ハートがなくなったら学習をやめています。 ちなみに、Duoの無料会員に課せられているのは広告を見ることですから、そこにイラリとしてはいけません。
レベルチェックを経てのレッスン開始
日本語のユーザーには4つの選択肢があり、英語、韓国語、中国語、フランス語の中から習得したい言語を選ぶことができます。受講する数はいくつでもよくて、並行していくつもの言語にトライすることも可能。
ちなみに、英語話者向けなら40近くの選択肢があります。説明がすべて英語になりますが、ラテン語とかハイ・ヴァリリアン(人気テレビドラマ『Game of Thrones』に出てくる架空の部族が話す言語で、ドラゴンと話すことができるそう)まであって、進めていくとある法則に従って言語が成り立っていることがわかるのでおすすめ。そう、文法の解説書なくして自ら文法を見つけ出していけるのですよ。おもしろくないですか? さておき。言語を選び、さっそくレッスンを開始。その前にレベルチェックが行われますが、筆者のフランス語力はあいさつ程度なので、極めて初級です。
フランス語の単語はラテン語源の英単語と似たような同じものも多いので、わかる単語は意外と多いものの、たとえば英語で「Hello」とか「My name is……」は言えてもそこから会話を広げることができないレベル。
レベルチェックの項目は全正解ではあったものの、レッスンは「こんにちは」とか「お元気ですか」から始まりました。これ、子どもの端末にもDuolingoを導入してみましたが、やはり「Nice to meet you」あたりから出てくるので、それほど細かくレベル分けされているわけではないようです。どの言語にせよ、アルファベットが読めれば初級と中級の差があまりなく、同じスタートラインなのかもしれません。
ゲーム感覚で続けられる
レッスンでは特に言語に関するレクチャーはなく、いきなり並び替えやリスニング、スペリング、スピーキングなど、簡単とはいえどんどん問題が出てきます。わからないものはあてずっぽうに答えていき、同じ間違いを何度かすることでやっと文法の説明が出てきます。
そこではじめてなぜ間違いだったのか、どういう文法なのかがわかるのですが、同じ問題が何度も出題されるので、だんだん慣れてきていつの間にか間違わなくなります。パターンを覚えて間違いをなくす、ゲーム感覚なので若い人は上達が早そうです。また、筆者のように取扱説明書を読むのが嫌いで、新しいものでもいきなり使ってみるタイプの人間にもこの方法はいい感じです。
ひとつのレッスンをコンプリートするにはいくつかのフェーズがあり、それらをこなしたら確認テストが4つあり、それをすべてクリアすると次のレッスンに進みます。全問正解のレッスンが数回続くと、次のフェーズにスキップすることができるので、簡単すぎるレッスンはケアレスミスに注意して、さっさとコンプリートしてしまいましょう。
続けさせる工夫がある
語学の上達に必要なことは継続。と、これまでの記事(https://eigo-master.com/author/shieiwasa/)でも何度となく言い続けてきた筆者ですが、このDuolingoもそう考えているようで、レッスンを促すメールやNoticeが毎日届きます。レッスンを毎日途切れなく続けることで得られる特典があるほか、数回のレッスンをこなすことでランキングに参加できたり、各レッスンの集大成となる“クラウン”を集めることでリーディングと会話のレッスンができる「Stories」が開放されるなど、進めていくにしたがって段階的にできることや楽しみが増えていきます。
コンプリートしたレッスンも定期的に復習すれば高いポイントが得られたりするので、もうちょっとがんばろう、連続記録を途絶えさせないようにしよう、という気持ちになります。Duo(緑のフクロウの名前)のやつ……人間心理を操るのに長けていやがる。
1年超続けた結果は……?
ゲーム感覚でできるのもさることながら、筆者がDuoを好きな理由はなんといっても例題などの文章のおもしろさです。「私の名前は〇〇です」のような、ごくふつうの文章に交じって、ときどき「あのウェイターがあなたのクロワッサンを食べています」とか「道路で踊るのは楽しいですか」といった文章が出てきて、クスっとさせてくれます。また、フランス語だからなのか、ほかの言語でもそうなのかはわかりませんが、「Stories」に同性カップルやガールフレンドをとっかえひっかえ家に招き入れるシングルファーザーなどが出てきて、より“実践的な”会話が学べるのも特徴的。会話を楽しみ、より柔軟な表現力を身に着けるならこの「Stories」はとても有効でしょう。こうしたキャラクターたちもまた、Duolingoの魅力のひとつとして楽しめます。
そんなこんなで、毎日レッスンを続けて早480日。海外に行けないため、現地で通じるか? という検証こそできていないものの、耳はかなり鍛えられているし、フランス語に対するハードルはとても低くなりました。「はうあーゆー」レベルから始めた筆者、今は「一度に二人の女性と付き合うことはできないのよッ」がすらすらと言えるようになり、早くこれをフランス語圏の人に言ってみたい気持ちでいっぱいです。
結論として、Duolingoは習得したい言語に対する知識ゼロから始めてもいいですが、少し知識がある状態から始めると効率がよさそうだなと思いました。知っている単語や文法のテスト感覚で始めて、進めていくうちにいつの間にか新しい単語や文法を覚えている、というのが理想。スピーキングや発音もちゃんとレッスンすることができますが、あくまでも定型の繰り返しに過ぎないので、対人のオンライン英会話などと並行して学習すればかなり効果が高そうです。オンライン英会話を始める前にDuolingoで慣らしてから、というやりかたもいいかもしれません。
筆者は無料で学習! にこだわりましたが、有料版では広告が表示されなくなったりレッスン時間の規制がなくなるだけでなく、間違うことが多い箇所を重点的にレッスンしなおしたり、新しいチャレンジが設定されていたりするので、より高いパフォーマンスが期待できるのではないかな~と思います。Duolingo、おすすめです!