TOEIC試験では、頻出するストーリーを覚えておくことで、リスニングの流れが予想できるため非常に有効です。
このTOEIC試験で巻き起こるストーリー、すなわち「TOEIC国」で起こるトラブルは何もリスニングだけに限ったことではありません。
とにかくトラブルが頻繁に起こる世界なのです!
トラブルが起きたらあなたはどうしますか。
そうです。トラブルに対してこの世界では「苦情」が頻繁に寄せられているのです。商品を注文したお客さんが抱えるトラブルの例では……
- 注文した品物が届いたけれど欠陥品。
- 注文した品が含まれていなかった、あるいは、違う品物が入っていた。
- いまだに商品が届かない。サービスを頼んだのに予定日に提供されなかった。
などが典型的パターンです。
トラブルに見舞われた客からは「せっかく注文したのに未だ届かない!今まで貴社製品を愛用してきたけれど今回は本当にがっかり。この分のお金を返して。もう二度と貴社の製品は購入しないわ」といったような内容の苦情が届きます。苦情を挙げているのがその会社の製品やサービスを何度も利用しているリピーターであることが多いのも特徴です。だからこそ失望感も大きいのでしょう。
では、クレームを受け取った会社側の対応はどうでしょう。返答例を要約すると……「この度はすみません。最近導入したシステムのトラブルで商品の発送に問題が生じています。すでに発送済みなのでもう間もなく届くはず。お詫びとして次回の買い物で使えるクーポンを送ります」
内容に含まれるものは「お詫び」「説明や言い訳」「解決方法」「お詫びの品の提示」です。お詫びの品や提示は必ずあります。中でも鉄板なのが「次回の購入で利用できる割引券やクーポン」です。「商品に対する保証期間を無償で延長する」といった特典を付けることもあります。会社側も顧客離れにつながらぬよう、誠意をもって対応しているようです。特にリピーターに対しては現実世界では考えられないような手厚いお詫びが行われていることもあります。
ただ残念なことは、この客がお詫びに対して納得し、今でも顧客でいるのかは分からないことです。これらのやり取りはPart 7の後半、2文書型の問題(ダブルパッセージ)でよく見かけます。1文書目がクレームの内容、2文書目がそれに対する返答です。3文書目が登場する問題はTOEICにはありませんから、続きは想像の世界ということになります。将来3文書型の問題がTOEICに登場することがあれば、もしかしたら「TOEIC国」のその先のストーリーを知り得ることができるかもしれません。果たしてそういう日が来ることがあるは分かりませんが。