英語を学習したことがある方であれば、一度は効果的な学習法は何か考えられたことはあるのではないでしょうか。
今回ご紹介する「音読」は、英語学習において王道と言われる学習方法です。
これを習慣化して行うことで、スピーキング力、リスニング力、リーディング力、語彙力等、英語を使う上で必要な様々な能力や知識を身につけることが出来ます。
発音や抑揚、音の変化といったものにも対応しているので、これ以上の学習方法はないと言える学習方法です。
音読は、国語の授業で行った記憶がある方も多いと思います。
今回のご紹介する英語力を上げるための音読は、声に出して英語を読むだけではなく、他にも様々な学習が組み合わさって「音読」学習法となっています。
早速学習のステップをご紹介します。
準備するもの
- 英語のスクリプト(音読用の教材が理想ですが、TOEICの公式問題集等でも問題ありません)
- 英語スクリプトの音源
ステップ1:リスニング理解度の確認
まずは音源を何も見ずに聞きます。この際、5W1Hに注意をしながら内容を理解するように努めましょう。
知らない単語や表現が出てきても、焦らずに推測しながら最後まで聞く事が重要です。理解度が何割程だったかを記録します。
目安として 5 割以下のものを使いましょう。
ステップ2:語彙の確認
サッと記事を見て、分からない単語に○をします。
その後、単語の意味だけを確認してください。
(対訳がある場合にはそちらで確認しましょう)
ステップ3:内容の確認(スラッシュリーディング)
次に内容の確認をします。意味の塊でスラッシュ(斜線)を書いていきます。
意味の塊の長さに少々個人差があっても問題ありません。
斜線の入れ方は下記を基準にする事が出来ます。
・句読点の前
・前置詞句の前後
・関係代名詞と関係副詞の前
・that 節や疑問詞節の前
・to 不定詞の前
・接続詞の前
・主語が長い場合にはその後
・長い目的語や補語の前
(上記はあくまでも基準です)
その後、対訳がある場合には、対訳を使いながら英語→日本語のように、
塊の意味を交互に確認をします。2 回程行ったら、対訳を見ずに行う等
しても良いでしょう。
内容の確認をする際に、必ず声に出して行うようにして貰いましょう。
ステップ4:音読
音源を聞いて、その後しっかりと声に出して音読をします。
合計で3回を目安に練習しましょう。
一回目は音読をする事、二回目は発音やテンポに注意、そして三回目は抑揚にも気を配りながら練習をします。
回数は3回が目安ですが、増やす事も可能です。
また、この際に音の変化も意識しましょう。
まずは音の連結と脱落の二つのパターンを理解するところから始めます。
連結は子音+母音の関係、脱落は子音+子音の関係が分かれば結構です。
例)子音+母音の関係の場合、例えば talk about では、k が子音、a が
母音で、音は、トーカバゥッの様に、k と a が繋がる事で、ka(カ)と
いう音になります。
子音+子音の場合、例えば want to とあった場合、t が子音で、前の子
音(t)の音が落ちる事になります。よって、音は、ウァントゥーの様に、
t の音を一回のみ言うようになります。
ステップ5:音読筆写
読み難い文を3~5文程挙げて頂き、それを声に出しながら書きます。
1)一回ゆっくりと声に出して綴りなどを確認しながら書く
2)五回スピード重視で声に出して書く
3)最後に日本語訳を言った後に、今書いた英文を言って確認をする
4)他の選んだ文で実施
ステップ6:オーバーラッピング
音源を流し、テキストを見ながら、音源に“重ねる”ように同時に読んでいきます。
これをする事で、速度やリズム感に慣れる事ができます。
ステップ7:シャドーイング
音源を流した状態で、テキストを見ずに聞こえたものを、そのまま真似して影の様に追いながら言います。
最初のうちは、“くちパク”でも良いので、スピードに慣れましょう。途中で躓いても諦めずに、何度か繰り返し行います。
繰り返し行う事で、徐々に言える様になります。
ステップ8:速音読
2~3回止まらずに猛スピードでスクリプトを読みます。
この際に句読点、抑揚等は全く無視をして、とにかく速く読む事を意識します。
ステップ9:リスニング理解度の確認
もう一度、音源を何も見ずに聞きます。
最初より理解度が上がり、少しでもゆっくり聞こえていれば効果ありです。
ステップ1から3は一回行えば十分です。
しかし、ステップ4以降は、繰り返し行いましょう。
1つのスクリプトは、一度行って終わりではなく、何度も繰り返し行う事で効果が得られます。
理想としては、一週間毎日行い、内容を暗記してしまうくらい行えると良いでしょう。
音読は一朝一夕で効果が表れるものではありません。
出来るだけ英語に触れる時間を設けてください。
どうしても音読を行う時間がない場合には、この中で音読、シャドーイングや速音読等、いずれかのパートのみを行う事でも違いは表れます。
繰り返しになりますが、一つの会話文等を繰り返し(例えば一週間程)行い、内容を自然と言えるくらいになった後に次のものへ行くとより効果的です。