皆さんは英語を使えるようになる方法として一番効果的なものは何だと思いますか?
答えは沢山ありますよね。なかでも「英会話学校に通う」を挙げた方も多かったのではないでしょうか。
ただ、英会話学校にはさまざまな感想があるようです。通ってもお金の無駄だったという感想も少なくありません。
今回の記事では、そもそも英会話学校は効果があるのか?
行くのであれば何を基準に、どんな種類の学校を選ぶべきなのかについてお伝えします。
筆者は大手英会話学校で約7年間教務主任等をしていました。そのため数多くの生徒さんを見てきた経験があります。また、そこで働く教師とも多く接してきました。業界内での評判等も見て来たので、そういったことを踏まえて今回の記事を書いています。
ただ、記事はあくまで個人の経験や考えです。ここに書かれている内容が絶対ではない事は予めご理解いただければと思います。また、英会話学校に関しては、特定の学校名を出しておすすめや評価するものではありません。
それでは、まず英会話学校は使うべき?という問いに対する答えからお伝えしたいと思います。
英会話学校は使うべき?
この答えは、Yes and No.です。
曖昧な答えになってしまうのですが、英会話学校に行く事で、とても効果が出る人もいれば、全く出ない方もいるからです。
英会話学校で効果が出る人は、大きく下記のような共通点があります。
① 明確な目標がある。
② レッスン以外でも予習復習、そして練習をする。
③ 英会話学校(教師)が自分に合っている。
もちろん他にも直ぐに結果を求めない等のポイントもあります。しかしこれら3つはとても重要です。
①と②ができれば英会話学校に通わなくても一人で話せるようになるのでは?と思うかもしれません。しっかりとした英語学習の経験や知識があること。英語を使う場所を含め自分で準備する事ができること。それらができれば、英会話学校に行かなくても話せるようになる可能性はあります。
しかし、目標ややる気があってもなかなか続きませんよね。お手本がない状態で話せるようになるのは至難の業です。
一方、明確な目標があり、レッスンだけでは不十分という事を理解している。そんな人なら英会話学校をフル活用して英語力をしっかりと伸ばす事が可能です。
同時に、やる気があっても目的や正確に合った学校や講師に出会えない。そんな場合、英会話学校に通っても残念な結果になってしまう可能性は高いと言えます。
よって、少なくとも①と②があるのであれば、③を見つけられるという前提で英会話学校は使うと良いという答えになります。
①と②は自分自身の考えや意識でクリアする事ができますよね。
しかし、③に関してはよく考え無料体験を受ける等して決めると良いでしょう。 ではその英会話学校を選ぶ際にはどんな点を見るべきなのか。4つのポイントに絞って見せていきます。
英会話学校を選ぶ際の基準
今はさまざまな英会話学校があります。学習者の中で少なくとも4つのポイントを確認した上で、学校を絞ると良いでしょう。
4つのポイントとは、レベル、学習目的、費用、受講形式です。
インターネット上にある評価や記事を参考にするのも良いでしょう。しかし、全てを鵜吞みにせず、あくまで参考程度にしましょう。
システム等の情報は客観的なものなので、そのまま信じてもよいでしょう。ですが、それ以外の評価に関してはもう少し後で。スタッフの対応によって評価が変わる事も多くあります。また、ブログ記事やアフィリエイト記事等は、お金を稼ぐために比較しているように見せながら、一つの学校に誘導しようとするものも多くあります。
そういったものは本当に参考程度に考え、実際は自身で話を聞いてみると良いでしょう。
話が少し逸れてしまいましたが、4つのポイントについて簡単に説明していきます。
レベル
レベルですが、これは自分のレベルに合ったコースが充実しているかです。
基本的には入学前に体験レッスン等を受ける事がます。多くの場合、文法テストを受けたり実際に講師と会話をしてレベルを決めます。中には実際のレッスンに入って体験できるという場合もあります。
しかし、短い時間で入学希望者の本当のレベルを確認する事は難しいです。希望日に自分のレベルのレッスンがないと、違うレベルに誘導されたりします。予め自分自身のレベルをある程度客観的に理解しておくと良いでしょう。
自分のレベルに充実したコースがあるかどうかが分かるからです。また、希望日にそのレベルのレッスンがあるかも説明の際に自分で確認できます。
自分のレベルがその英会話学校が力を入れているレベルとあまりにも異なる場合も、別の学校を選んだ方が良いかもしれません。
ちなみに、話を聞く前の段階で多くの場合アンケートに記入します。それにはTOEICの点数や英検の級を書く欄があります。正直に書いても空欄のままにしてもよいです。評価する講師が適切にレベルの評価をできるか確認することができます。それにより、勤務する講師の質を確認する一つの判断基準とする事も可能です。
学習目的
なぜ学ぶかを明確にする事は英会話学校選ぶの際にとても重要です。
学習の目的自体は人によって異なります。しかし、「英語が使えるようになりたい」ではなく、具体的に考えるようにしましょう。
「海外転勤が決まったので基本的なビジネスシーンで英語が使えるようしたい」
「TOEICで700点以上をとる」
「海外旅行で誰の助けも必要とせず楽しめるようになりたい」
等、さまざまなものが考えられます。
学習目的がはっきりしている事で、選ぶべき英会話学校が明らかになってきます。
ビジネス英語を学びたい方が、TOEIC専門の学校へ行っても意味がないです。ビジネスに強い英会話学校へ旅行で英語を使いたい人が行っても場違いと感じるだけです。 少々極端な例ですが、学習目的をはっきりする事が、学校を選ぶ大切な基準になります。
費用
英会話学校は高いというイメージを持っている方も少なくないと思います。
実際に私が勤務していた大手英会話でも、コースによっては個人的には高いと感じるものもありました。
ただ、効果が出るのであれば全然高くないと感じる人も多くいるのは事実です。
実際の費用に対する考え方には個人差があります。どれが正しいとか間違っているとは言えないものがあります。
英会話学校を選ぶ際は、自分が出せる金額を決めて選ぶようにしましょう。目的にもよりますが、英会話学校を使う期間が少し長くなるかもしれません。最初のやる気がある時に無理して高い費用を払わないようにしましょう。継続できなくなってしまうととても勿体ない事になります。
納得してレッスンを受講できるよう、理想の金額も決めて英会話学校を選びましょう。
受講形式
受講形式も英会話学校を選ぶ際にはとても大切な基準です。
大きく分けると通学型とオンライン型があります。コロナ前からオンライン英会話は英会話学校市場のシェアを増やしていました。しかし学校で学ぶなら対面という考え方が根強くあります。オンラインでレッスンを受ける事に抵抗がある方も多くいるようでした。
しかし、コロナの影響でオンラインで話すという事が当たり前になりました。そのためオンライン英会話も普通になってきたと言えます。
ライフスタイルに合った受講形式を選んだり、自分の性格上どちらの方がより身につくか考えながら選ぶというと良いでしょう。
英会話学校の種類
ここからは、4つの基準を踏まえた上で選英会話学校の種類について説明していきます。
今回は合計で5つの種類に分けています。
一般的な英会話学校
1つ目に説明する英会話学校は、「一般的な英会話学校」です。
これは昔から多くあり、良く街中で見かける代表的な「英会話学校」を指します。
筆者もこの中でも大手と言われる英会話学校で7年間、合計5カ所で勤務していました。
この英会話学校は、学校数が多く比較的幅広いレベルの受講者を受け入れられます。イメージ的には英会話学校界のスーパーマーケットのようなもの。目的が
・日常会話ができるようになりたい
・海外旅行で英語を使えるようにしたい
・何となく「英語を話せるようになりたい」
と思う方におすすめです。
多くの学校では、日本人講師と外国人講師の両方がいます。両方から授業を受ける事もできるので、初心者から中級者にも合っています。
グループレッスンを選ぶ事で、月々1万円ちょっとで受講する事もできます。気軽に受講したいという方には心強い種類の学校です。
ただ、最初は月々3万円程のコースを提示されたりします。気軽に受講したい場合には、自身が支払える費用を決めてそれを伝えると良いでしょう。
一般的な英会話学校は、良い意味でも悪い意味でも「一般的」。何かに特化した英語を学びたい場合には避けた方が良い可能性があります。
例えば「ビジネス英会話」や「TOEICコース」などのコースも。しかし、そこまで力を入れて教材開発をしている訳ではありません。講師の経験値もそれらにおいてはあまり高くない、または無いという可能性もあります。
具体的な目的がある場合には、それに合った種類の英会話学校を選ぶと良いでしょう。
マンツーマン型英会話学校
マンツーマン型英会話学校は、「一般的」なのと差別化するために生まれた学校です。学習塾でも個別指導塾がありますよね。英会話学校でも同じようにプライベートレッスンを提供する英会話学校があります。
具体的な目的を持って、且つ自分のペースで学習したい方にはおすすめです。
特に学習期間が限られている方は、グループレッスンと違い、周りの参加者に影響されないという点はこの種類の英会話学校の強みですね。
また、1対1のレッスンなので、話す時間が多い点もメリットとして挙げられます。
内容に関しては、用意されたコースと教材を使う一般的なことももちろんできます。しかし多くの場合具体的に習得したい内容があれば、レッスンに取り入れて。「このレッスン内容は自分に必要ないんだよな」と思う事がありません。
学習効率を一番に考えるという上ではマンツーマン型英会話学校に通うという選択は良いでしょう。
もちろんマイナスな面もあります。マンツーマン型英会話学校は担当制や日時固定でない場合が多いのです。場合によっては講師がレッスン毎に変わることも。受講者の学習状況を把握しきれない場合があるのはマイナスですね。
自分の弱点を把握して貰えず、的確なアドバイスがもらえないという事もあります。
また、当然ながら費用面が高くなるという点もあります。レッスン回数等の契約内容によって1回あたりの授業料は変わったりします。一般的な英会話学校やオンライン英会話の数倍になってしまう場合も。費用的な面で無理をしないようにしましょう。
資格試験特化型英会話学校
3つ目は資格特化型英会話学校です。これついは、「英語学校」や「塾」というカテゴリーに入れた方が良いかもしれません。ですが今回は「英会話学校」として説明をしていきます。
資格特化型英会話学校とは、どんな学校でしょう。それはTOEICやTOEFLなど、英語の資格試験の受験方法を教える学校の事です。他にも翻訳者養成講座を持っている学校等も入れる事ができます。
社会人や海外留学する人達にはとても重要な試験。当然ながらこれらの分野のプロが講師陣として揃っています。
一般的な英会話力やビジネス英語とは違い、試験で結果を出したり資格を取得する事を目的として持っている人達が選択すべき学校です。
こういったコースの学校の多くは、受講期間が3ヶ月や6ヶ月のように決まっています。
よって、学習開始時期や一日の学習時間を逆算して出す事ができます。学習意欲も継続しやすいと言えます。
また、「6月までにTOEIC700点突破」といった具体的な目的設定できます。「英語が話せるようになりたい」といった測定しにくいものより明らかに効果があったか確認し易いです。
この学校のデメリットは、合わなかった場合の他の選択肢があまりないという事です。
コースは教え方や担当講師が決まっています。教え方や講師が合わないとなった場合、すぐに変更できないことがあります。定員オーバーやスケジュールの関係で受講が難しいことがあるためです。そうなると、最初のコースで最後まで続けるしかありません。
自分に合わない場合、最悪その分のお金が無駄になる事も考えられます。 とはいえ、頑張り次第で短期間でも望んだ結果を出せる可能性は十分あります。
外国人講師限定の英会話学校
4つ目は外国人講師限定の英会話学校です。これは名前から分かる通り、講師が必ず外国人という英会話学校です。
どの国籍の講師かは英会話学校によっても違います。中にはイギリス英語(これにはオーストラリアやニュージーランド英語が含まれる事もあります)に特化した英会話学校もありますし、英語圏ではないけれども英語を流暢に話す外国人という大きな括りの英会話学校もあります。一応これらの英会話学校では、基本的には“英語圏のネイティブスピーカー”、または同等レベルの英語を話す外国人という事で採用している事もあります。
外国人講師限定の英会話学校は、絶対に外国人講師に習いたいという方やレベル的に日常会話はほぼ問題なく出来る中上級者にお勧めです。
また、特定の国のアクセント(アメリカやイギリス等)に慣れたい、または文化を知りたいという方は、そういった特定の国から来た講師を見つけやすいという意味でも、利用するのは良いでしょう。
逆に英語が苦手だったり、初心者で基礎から学習するべき方にはあまりお勧めしません。外国人から英語だけでレッスンを受けるという事は良いように聞こえますが、説明が全く、または殆ど理解出来ない学習者が英語だけのレッスンに入っても何も分からず時間だけが過ぎてしまい、時間もお金も無駄にするという可能性が高いです。
英会話学校の限られたレッスン時間内で英語のシャワーを浴びるのと、海外に行って常に英語のシャワーを浴びるのとは全く別物なので注意しましょう。
コーチング系英会話学校
この言葉はここ数年で人気が出てきた方法ですが、コーチング系英会話学校もCMといってもいくつか種類があります。英会話レッスンを行い、定期的に学習カウンセラーのような方は進捗確認やアドバイスを伝えてくれるもの、他にはコーチが学習カリキュラムを設定し、その進捗確認を日々行い、助言をくれたり、必要に応じて軌道修正をするというものです。
今回は特に後者についてですが、コーチング系英会話学校を選ぶべき人は、具体的な学習計画を提示して貰い、誰かに励まして貰いながら学習したいタイプの人です。
例えばダイエット系のコーチングでも、食べた食事や行った運動を日々報告するといったものがありますよね。その英語版で、常に誰かに見て貰っているので、ある意味「やらないといけない」と思うようになり、それをやっているうちに学習が習慣化されてきます。習慣化する事で、いつの間にか結果が出るというシステムです。
独学で行うのは難しいけれど、ある程度プレッシャーをかけて貰えれば出来るという方はコーチング系が良いですね。
もちろんマイナス面もあります。日々行うべき内容がしっかりと決められているので、それなりの負荷がかかるという点です。
必ず目的を達成させる必要があり、そのためには何でも行うという覚悟がある方には効果は絶大ですが、気軽な気持ちでコーチング系を始めてしまうと辛いという気持ちが強くなり、学習自体が嫌いになってしまう可能性があります。 また、費用に関してもコーチング系は少々高くなるため、やはり目的がしっかりした方が行う選ぶべき英会話学校と言えます。
オンライン英会話学校
最後はオンライン英会話学校です。最近ではオンラインで仕事や授業を受けるという事が当たり前になり、意識的な変化に加え、オンライン英会話を受講するために必要な設備を持っている人が多くなっています。よって、オンラインで英語のレッスンを受けるという事は身近な選択になりました。
オンライン英会話は、隙間時間や時間帯を気にせずレッスンを受講したいという方におすすめです。また、比較的安価で受講したい方には良い選択肢と言えます。
講師にはフィリピンや東欧の方が多く、少し料金を上げれば英語圏のネイティブスピーカーでもレッスンを受けられますが、気軽に外国人講師と話したいという学習者に向いている種類の英会話学校です。
特に中上級者で、話す機会を増やしたい方はオンライン英会話を使わない手はないと言えます。
しかし、初級者にとってはオンライン英会話では意思の疎通が上手に出来ず、辛い時間を過ごすだけになる可能性もありますし、講師次第で大きく左右されるのもオンライン英会話です。
多くの講師は英語のネイティブではないため、強い訛りがある場合もあります。それらの訛りに慣れてしまい、ネイティブが話すような発音や抑揚とは異なる話し方をしてしまう事も考えられます。
また、講師のレベルもピンキリで、素晴らしい講師と出会えたのであれば、追加で費用を支払っても良いと思うような事もあります。しかし、逆だった場合、お金と時間を返して欲しいと思ってしまう場合もあります。オンライン英会話は、他の英会話学校と比べてこれが起こりやすい可能性が高いと言えます。
また、以前より断然良くなっていますが、他の通学型の英会話学校等と比べて教材の充実度には期待出来ない学校もあるので、そういった場合には値段相応と諦めるしかないかもしれません。
ただ、オンライン英会話は使い方次第では、他の英会話学校よりもかなり費用対効果が高い事は間違いありません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は英会話学校の種類と選び方についてお伝えしました。
英会話学校と一言で言っても様々な種類があるので、学習者自身のレベルや目的等をしっかりと考えた上で、自分に合った種類の学校は何か決めて、その上で具体的な学校を絞っていくと良いでしょう。
少しでもこの記事が、皆さんに英会話学校選びの参考になると嬉しいです。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
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