TOEIC Part3 スコアアップのコツと勉強法【聞き取れる秘策】

TOEIC Part3の会話問題は、会話内容を理解するのも簡単ではないのに、設問を読むというリーディングの要素も含まれるので難易度が高く感じます。

 

2人の会話のみならず、3人の会話があったり、図表の情報を確認する必要がある問題まで登場するので、リスニングセクションの中でも最難関のPartと感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、問題の形式を確認して、先読みの重要性ややり方を理解することで、しっかりとPart3に対応できるようになります。

 

この記事では、これらのTOEIC Part3対策に必要な情報はもちろん、Part3で点数を取るために必要な英語力を上げる勉強法も学ぶことができます。

 

実際に私の生徒様で、この記事に書かれている方法でPart3の点数を伸ばしてきた方も多くいます。

そして何よりリスニングセクションは毎回495点(満点)ではあるものの、実は先読みが苦手な私が自分で考えて実践している方法でもあるので間違いありません。

 

TOEICリスニング全体の時間の使い方については、TOEICリスニングの賢い時間の使い方【解答の流れと先読みのタイミング】を参考にしてください。

 

記事の内容

1. TOEICリスニングセクションPart3の問題形式

2. Part3の結果は先読みできるかで大きく変わる

3. Part3会話パターンと解答のコツ・注意点

4. Part3が聞き取れない場合の3つのおすすめ勉強法

5. まとめ

 

 

 1. TOEICリスニングセクションPart3の問題形式

 

まずはTOEIC Part3で、どの様な形式の問題が出題されるか確認しましょう。

 

TOEIC Part3の問題数は39問です。

13の会話があり、それぞれの会話には3つの設問があります。

また、設問と4つの選択肢は解答用紙に書かれているので、耳だけに頼るということはありません。

 

Part3で出題される会話パターンは下記の3つです。

 

1)2人の会話

2)3人の会話

3)図表に関する会話

 

会話は2人によるものだけでなく、数は多くありませんが3人の会話も出題されます。

3人の会話では、男性+男性+女性、または男性+女性+女性のように、同じ性別の人が2人いるので名前をしっかり聞くことや、同性の声を内容を理解しながら聞き分けるという作業が大切になります。

 

図表に関する会話も登場します。

こちらも13の会話中1~2と会話の数は多くありません。

こちらは印刷されている図や表に関する会話を聞いて、設問に答えるというものです。

 

Part3の会話の多くは、同僚同士(社員と社員)や客と店員の会話なので、そういった状況での会話が流れることを予め頭に入れておくと意味を理解する助けになります。

 

リスニングセクションのその他のPartについては、下記の記事を参考にしてください。

Part1: TOEIC Part1 練習問題【対策と解答のコツを伝授】

Part2: TOEIC Part2のスコアアップを目指すならこの対策!

Part4: 先読みで苦手を克服!TOEIC Part4対策・勉強法を満点講師が伝授

 

2. Part3の結果は先読みできるかで大きく変わる

 

Part3では、“先読み”がとても重要になります。

ここでは、先読みについてお話します。

 

2-1. 先読みとは何か?

Part3では、13の会話文が出題されます。

それぞれの会話に3つの設問があり、その各設問に選択肢が4つずつあるので、情報量がとても多いPartです。

 

先読みとは、これらの設問や選択肢を会話の音声が流れるより先に読むことを指します。

 

この先読みが出来るか否かでPart3の点数が大きく変わってくる、と言っても過言ではないくらい重要なステップなのです。

それではこの先読みがどの様に重要なのか説明します。

 

2-2. なぜ先読みが重要なのか

この“先読み”ですが、どうして重要なのでしょうか?

先読みが出来なくてもPart3の点数がそこまで変わる訳はない、と思われた方は要注意です。

 

先読みが重要なのには、大きく2つの理由があります。

 

1つ目は、多くの人にとって、Part3で流れる会話の内容を詳細まで理解し、覚えることは難しいという点です。

試験を受験するという緊張状態の中で、30~40秒の英語の会話を最初から最後まで、細かい部分を理解して覚えることはとても難易度が高いと言えます。

よって、先読みを行わず、会話の後に設問を読んでも、会話の中で述べられた答えを覚えている可能性はあまり高くないでしょう。

 

2つ目は、会話と会話の間の時間があまりないという点です。

むしろ全然ないと言っても良いでしょう。

Part3の設問は、会話の後に読まれますが、設問が読まれて次の設問が読まれるまでの間が約8秒しかありません。

3問合わせても、設問と設問の間8秒×3(24秒)と3つの設問が読まれる時間(10~15秒程度)の合計約40秒しかありません。

その時間で、設問と選択肢を読み、会話の内容を思い出しながら答えを選ぶには、あまりにも時間がなさすぎます。

 

これらの問題を解決、または少なくとも負担を減らしてくれるのがこの“先読み”です。

 

2‐3. Part3での先読みの流れ

それではこの先読みの方法を見ていきましょう。

 

下記にPart3で出題される3つの設問とそれぞれの選択肢の例があります。

下に記載されているステップに沿って先読みをすることで、会話文で聞き取らなければならない情報を得ることができます。

 

1. What are the speakers discussing?

(A) A soft drink label

(B) An advertisement design

(C) A Web site layout

(D) A product catalog

 

2. What aspect of the logo does the woman want to change?

(A) Its shape

(B) Its position

(C) Its size

(D) Its color

 

3. What will the man do?

(A) Create two different versions

(B) Suggest a new product name

(C) Make the product name bigger

(D) Lower his fee

 

先読みステップ❶

最初の1セットに関しては、Part3の冒頭で流れるDirections(Part3に関する説明)が流れている時間を使って、1~3の設問を読みます。

先読みができるようになるには練習が必要ですので、まずは読めるところまで読めればOKです。

 

また、英文を日本語に全部訳す必要はありません。

重要なキーワードを覚えられたら、不完全な日本語で良いので、「話者何話す?」のように、内容を覚えられる形で覚えましょう。

もちろん英語のままで覚えていられるのであれば一番です。

 

先読みステップ❷

会話の音声が流れたらそちらを聞くことに集中して、設問に関する情報を聞き逃さないようにします。

 

先読みステップ❸

音声が終わったら、3つの設問が読まれるので、できるだけ素早く答えを見つけ、マークシートへ記入しましょう。

マークシートへの記入は、しっかりと塗りつぶすのではなく、印をつけるだけにして、ライティングセクションの冒頭で塗りつぶすようにすると、ここでは答えを見つけることに集中できます。

 

先読みステップ❹

3つの答えを記入したら、設問が読まれている時間を使って次のセットの設問3問を先読みします。

 

先読みステップ❺

Part3の最後までこのステップを繰り返します。

 

以上、先読みの5ステップを紹介しました。

 

先読みは決して簡単なものではありません。

私は今まで受けたTOEICのリスニングセクションは全て495点でしたが、それでも先読みは今でも苦手です。

しかし、その重要性は理解しているので、難しくても練習を重ね、Part3のすべての問題をある程度納得して答えられるようになるまで先読みができるようにすべきである、と自信を持って言えます。

 

このステップを見て分かる通り、時間を意識することがとても重要です。

答えが分からないものは飛ばし(マークシートは適当に記入)、次へ行きましょう。

また、先読みが上手くできなかったセットがあっても、焦らずに次以降で挽回すれば良いのです。

 

出来るようになるまで時間は必要ですが、しっかりと時間配分やタイミングを意識しながら先読みができるようになりましょう。

 

3. Part3会話パターンと解答のコツ・注意点

Part3で登場する3つの会話の種類と解答のコツや注意点を見て行きましょう。

 

3-1. 2人の会話問題

2人の会話は、Part3で登場する13の会話のうち一番多い会話形式です。

こちらは男性同士、女性同士、または男性と女性の会話となります。

 

下記で2人の会話例をご覧ください。

 

 

W: Steve, I’ve looked over your ad design for our new soft drink. Overall, I think it’s very striking, and I really like the bright colors. My only concern is that the company logo is too small.

 

M: That’s easily fixed. But since the logo is next to the product name, if I make it bigger, then I’ll have to shrink the name or move it down a bit.

 

W: I see what you mean. Would it be possible to make two alternate versions—one with a smaller name, and one with the name lower down? Then I’ll let you know the one I prefer.

 

M: Sure, that shouldn’t take long.

 

 

Wは女性でMは男性ですが、2人の会話の場合、必ず交互に発言しますので、誰が何を言ったか聞き分け易くなっています。

 

解答のコツとして知っておくと良いのは、答えは設問の順番通りに会話に登場する可能性が高い、ということです。

稀に順番が前後する場合もありますが、基本的には順番通りなので、しっかりと先読みを行い、質問への答えやヒントが流れてくることを集中して聞いていれば、かなり高い確率で答えを聞きとることができます。

 

設問の答えが順番通り流れるのはPart3全体について言えるのですが、特に2人の会話には、3人の会話や図表に関する会話問題のように、登場人物が増えたり、図表が登場するといったことがありません。

よって、より集中して会話を聞ける環境が整っているので、この順番を意識して答えを見つけるようにしましょう。

 

2人の会話の注意点としては、会話全体に関する設問があるので、その答えを会話が終わるまで待たないことです。

例えば、1問目が、Where is this conversation taking place?(この会話はどこで行われていますか?)という設問の場合、すぐにどこか分かる場合もありますが、ヒントが会話中に散らばっていて、それらを聞いて総合的に判断しなければならない場合もあります。

この様な問題は最初に出題されることが多いのですが、ずっと答えを待つのではなく、ヒントを集めながら、それ以降の設問の答えを聞き取る様にしなければなりません。

これに気が付かないと、いつの間にか会話が終わっていた、ということもあるので注意しましょう。

 

3-2. 3人の会話問題

3人の会話問題は、登場人物が増えるため少々難易度が上がります。

3人の会話は、同性が3人ということはありません。

よって、男性が2人か女性が2人ということになります。

これを覚えておくことはとても重要です。

なぜならこれが解答のコツにもなるからです。

 

Part3の設問には、the manやthe womanといった単語が含まれるものも多く出題されます。

例えば、What information does the man ask for?(男性はどの様な情報を求めていますか?)という設問が3人の会話問題で出題された場合、男性が1人のみ登場するということが分かるので、男性の発言を注意して聞くことで、答えが見つかる可能性が高いということになります。

 

また、3人の会話では名前が多く登場します。

なぜなら2人が必ず同性なので、名前でその2人を聞き分けられるようにしているためです。

よって、名前を把握するということも解答のコツとして挙げられます。

こういった点を覚えておくと3人の会話も分かりやすくなります。

 

3人の会話の注意点ですが、2人の会話では、登場人物が交互に話していたので、多少片方が長く話すということはありますが、誰が話しているか分からなくなることはありませんでした。

しかし、3人の会話の場合、誰がどれだけ話すかは全く分かりません。

場合によっては、3人のうち1人は一回しか発言しないということも十分あり得ます。

ただ、その一回の発言が答えに繋がることもあるので、驚かないように設問の内容を理解した上で、3人全員の発言を聞き逃さないようにしましょう。

 

3-3. 図表に関する会話問題

Part3には図や表に関する会話を聞いて設問に答えるという問題が出題されます。

これも問題数はとても少ないのですが、必ず出題されるので慣れておきましょう。

 

図表に関する問題が含まれる場合には、下記のような図や表が設問と一緒に問題冊子に載っています。

このような図表に関する問題は、下記の通り、設問の前にLook at the graphic.と書かれているので、すぐに分かります。

予め図表の中にある情報に目を通して会話を聞くようにしましょう。

 

Look at the graphic. Which doctor will the man see?

(A) Dr. Ellis

(B) Dr. Mahoney

(C) Dr. Wright

(D) Dr. Tung

 

この様な図表問題に答える際には、選択肢にある情報だけに目が行かないようにすることが大切です。

 

例えば、時間がないからといって、上記の問題で医者の名前だけを見ていたとしましょう。

その場合、引っかけとして医者の名前が会話の中で挙がるかもしれません。

図表問題では、選択肢に書かれている情報以外の部分をしっかりと聞くことが正解を見つける際の大きなヒントになる可能性が高いのです。

 

例えば会話の中で、男性の予約時間が12時30分と述べられたとします。

その場合、この問題の答えは(B) Dr. Mahoneyですが、もし時間に注意を払わず医者の名前だけを聞き取ろうとしていた場合、12時30分という情報を聞き逃し、且つDr. Mahoneyという名前が出て来ないまま会話が終わってしまい、答えが分からない、ということになります。

 

図表に関する問題を解く際の解答のコツ(同時に注意点)は、選択肢はもちろん確認しますが、図表の中にある選択肢ではない情報がヒントになる可能性が高いと覚えておくことです。

 

4. Part3が聞き取れない場合の3つのおすすめ勉強法

Part3は会話なので、英語の会話を聞きなれていない場合、「Part3の英語が聞き取れない」または「Part3の英語が分からない」という人もいるのではないでしょうか。

ここでは、Part3の会話文を聞き取れるようにするための3つのアドバイスについてお話します。

 

Part3を含むリスニング対策におすすめの参考書については、TOEICリスニング参考書【初心者におすすめの全般・Part別対策を厳選】をご覧ください。

 

4-1. 音読とシャドーイング

1つ目のアドバイスは、音読とシャドーイングです。

英語が聞き取れない一番の理由は、英語の音を正しく言えていないからです。

 

英語の知識がある方でも、話す事に慣れていない場合、会話になると聞き取れず頭が真っ白になってしまうことがあります。

ただ、こういう人たちと話していると、英語の映画やドラマを観ても何を言っているかは全く分からないけれども、英語の字幕で確認して見ると理解できる、という話を聞くことがよくあります。

 

このような現象が起きる原因は、頭で認識している英語の音と実際に聞こえる英語の音にギャップがあるからです。

ではこのギャップを埋めるためには何をすれば良いのでしょうか。

 

それが音読とシャドーイングです。

 

音読で英語の音を確認しながら正確に再現し、シャドーイングで抑揚やリズム、速度などを意識して話すことで、正しい英語の音を習得することができます。

これができれば、Part3の会話も聞き取れるようになってきます。

 

音読とシャドーイングの詳しいやり方は、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】で詳しく説明していますので、是非参考にしてみてください。

 

4‐2. 英語の会話に慣れる

2つ目のアドバイスは、英語の会話に慣れるということです。

今は昔と違って、英語の動画をネットで簡単に観たり、動画配信サービスで英語の映画やドラマを好きなだけ観ることもできます。

しかし、多くの方は、字幕を読むことに集中し、英語を聞くということには意識が行っていないのではないでしょうか。

 

もちろんこれは内容を理解するためなので自然なことです。

しかし、映画などで英語に多く触れていると思っている方でも、実際にはそこまで触れていない可能性が高いのです。

 

Part3の英語を聞き取れるようになるためには、こういった機会を活かして、英語の会話をしっかりと聞いて慣れることが効果的です。

1日に15分や20分程度でも良いので、英語の動画や映画などを字幕なしで観る時間を設けることをおすすめします。

 

観る映画・動画は、医学用語などの専門用語が多過ぎて、内容がほとんど分からないようなものは避けるようにしましょう。

日常会話が多く含まれるものがおすすめです。

 

実際に動画を観る際には、会話に集中して、分からない単語や表現があっても、推測するようにしましょう。

何度か聞いて、分からない部分は調べたり、字幕で確認します。

繰り返し何度も聞いて、ほぼ問題なく理解ができるようになったら、目を閉じて映像なしで聞いてみることもおすすめです。

 

4-3. 速音読

3つ目のアドバイスは速音読を行うことです。

 

通常の音読は、スクリプトを通常の速度で声に出して読むというものです。

これはこれで良い練習になります。

しかし、Part3が聞き取れない理由に、「自分が英語を話す時の速度が、TOEICで流れる英語の速度より遅い」ため、会話について行けないということが挙げられます。

 

そこでおすすめする勉強法が速音読です。

やり方はとても単純明快です。

スクリプトをいつも読む速度より速く声に出して読みます。

目安としてはまずは1.5倍から2倍くらいを目指すと良いでしょう。

 

これを行う際には、必ずスクリプトの内容を理解した状態で行いましょう。

それによって、ある程度意味も考えながら読むことが出来るので、ただ文字を声に出すだけではなくなります。

 

目標の時間を設定し、読む時間を計って記録しながら、その目標の時間を安定的に得られるまで同じスクリプトを使って練習しましょう。

これは1日だけよりも数日同じものを使って行った方が、徐々に英語の音やリズムにも慣れてきますので効果的です。

 

速音読ではありませんが、速読と共通する部分がありますので、速読についても知りたいという方はTOEIC Part7を時間内に解く!速読のコツとトレーニング法も是非読んでみてください。

 

5. まとめ

Part3はリスニングだけではなく、リーディングを行う必要もあり、且つ設問の先読みも必要なので、リスニングセクションでは難易度が高いPartです。

しかし、先読みの方法を習得し、音読、シャドーイング、速音読を行い、英語の会話にも慣れることで、Part3の点数を確実に上げることができます。

 

しっかりとPart3の問題形式を理解した上で対策を行えば、点数を上げると同時に使える英語力も身に着けることができます。

是非これらの勉強法を実践して、Part3の正解率を上げて行きましょう。

 

TOEICリスニング対策については、TOEICリスニング練習問題に挑戦!各Partの解答テクニックも伝授もあわせて参考にしてください。

 

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