TOEIC Part7の長文読解問題、難しいですよね。
苦手とする受験者が多い分、様々な勉強法がありますが、「スコアを上げたい!でも、何をすればいいのか分からない」という方も多いと思います。
Part7の勉強法のひとつに、「精読」があります。
「精読って何?難しそう…。本当に効果あるの?」と感じられる方もいるかもしれません。
そんな方のために、この記事では精読の方法と効果を分かりやすくご紹介します。
シンプルなステップに沿って精読を行えば、TOEICのスコアアップが可能です。
TOEIC Part7の長文問題を解くのが楽になります!
そして、精読をすることでPart7までを時間内で終わらせる事も夢ではなくなります!
ちなみに、私は精読という手法を知らずに、TOEIC満点を取りました。
これは仕事で英文を読む機会が圧倒的に多く、自然に精読せざるをえない環境だったからです。
精読トレーニングという形ではありませんでしたが、英文をしっかり理解しながら読むという作業を繰り返すことは、英語力アップに不可欠だったと感じています。
それでは、TOEIC対策の「精読」について見ていきましょう。
記事の内容
3. 精読トレーニングの注意点
4. TOEIC Part7だけじゃない?精読トレーニングの効果!
1. TOEIC Part7対策に効果抜群!「精読」とは?
1-1. 精読の意味
「精読」とは、「英文を正確に読み、理解する力を養うためのトレーニング」のことです。
正確に読んで、理解する。
当たり前のことに聞こえますが、英語の長文となるとなかなか難しいですよね。
それを練習して、出来るようになるためのトレーニングです。
1-2. 精読でよくある誤解
精読を行う上で気をつけて欲しいのが、精読=日本語訳ではないということ。つまり、英文のまま理解するということです。
英文を日本語訳しないと理解できないという方もいるかもしれませんが、精読トレーニングを行う事で英文をそのまま理解できるようになります。
1-3. 正確さ vs. 速さ
精読トレーニングは「正確さ」を重視してください。ゆっくりでいいんです。
TOEIC対策では、とにかく時間内になるべく多くの問題を解く!
そのために賢い時間配分を!と、スピード重視のアドバイスが多い傾向にあります。
精読トレーニングも、TOEICスコアアップに効果のある勉強法の一つですが、精読するときは、速さよりも正確さが大切です。
また、「Part7の長文は、精読しなくていい」「分からない問題は捨てる!」というアドバイスもよく耳にします。
たしかに解ける問題から優先的に解いて、分からない問題は飛ばして、効率的に点数を稼ぐ方法もアリです。
しかし、この手法はTOEIC400点前後までしか通用しません。
確実にスコアアップ、そして英語力の向上を目指すのなら、正攻法である精読トレーニングが断然おすすめです。
1-4. 精読が適している対象者
精読が適している対象者は、以下の条件を満たしている方です。
・TOEIC400点以上
・語彙力と基礎文法の知識がある
・TOEICに出てくる1つの英文あたり分からない単語が2〜3個以下
精読は誰がやっても効果が出る!とは言えません。
英語の初心者、TOEIC400点未満の方には精読は難しいと思われます。
このような方々は、まず基礎単語と基礎文法を身につけましょう。
その次のステップとして、精読に挑戦するのが良いです。
よって、精読は上記の条件に当てはまる方には、レベルに関係なくお勧めできる手法と言えます。
2. 4ステップの精読でTOEIC Part7対策!
では、おすすめの精読トレーニング方法を、4つのステップに分けてご紹介します!
2-1. 精読ステップ① 分からない単語をチェックする
まずは、用意した英文を、最初から最後まで読みます。
ここでは辞書を使わずに、パッと見て意味が分からない単語や表現に印をつけていきます。
この時、分からない単語・表現についても分からないではなく、「もしかすると、こういう意味かな?」と推測しながら読み進めることが大切です。
この推測力が、テスト本番でも役立ちます。
次に、印をつけた単語・表現の意味を調べます。
自分で辞書を使って調べることで、その単語を覚える確率は格段に上がります。
なので、ここではまだ問題集などについている解説や日本語訳は見ないでくださいね。
また、単語だけでなく、その単語を使った表現を確認するのも忘れないようにしましょう。
例えば、メール文の最初の文
I am writing with regard to the position of project manager at your company.
の中で、regard の意味が分からないので、印をつけました。
regardを辞書で調べると、以下の意味が出てきます。
「(動詞)(…を)(…と)みなす」
「(名詞)心遣い」
しかし、これだけでは文を理解するのが難しいですよね。
こういう時には、その単語の前後に前置詞 with と to があるのに注目して、with regard to という表現の意味を調べるのが鉄則です。
with regard to …「…に関しては」という意味が分かれば、「あなたの会社のプロジェクトマネージャー職に関して…」と解読することができます。
やっと文の意味が分かりましたね!
ちなみにネットで辞書を使うなら、weblio がお勧めです。(weblioでregardを調べたページ)
単語の意味の下に、イディオム・フレーズも表示されるので、regardについて調べたページで、with regard to という表現がある!ということが一目でわかります。
2-2. 精読ステップ② 文の構造をチェックする
分からない単語・表現を調べ終わったら、一つ一つの文の構造を確認していきましょう。
文の構造を確認する、というと難しく聞こえますが、まずは、主語(S)と動詞(V)を見つけましょう!
基本的には、主語(S)と動詞(V)がどれかを把握できれば自然に文の全体像が見えてきますよ。
例えば、先ほどの、
I am writing with regard to the position of project manager at your company.
という文では、I が主語(S)、am writing が動詞(V)なので、それぞれの下に S、V と書き込んでいきます。
このS、Vが分かっただけでも、「私はメールを書いています」と、メールを書く目的を述べているんだということが分かるので、その後の文も解読しやすくなります。
もう一つ、例として、本文の二つ目の文を見てみましょう。
Please find attached my resume and two references from previous employers.
パッと見て、主語はどれ?と分からないかもしれません。
このような Please から始まる依頼文では、意味上の主語 you が隠れています。
なので、主語がない!と焦らず、「please って言ってるから、相手(you)にお願いしてるんだろうな、だから主語は you だな。」と思ってください。
そして動詞(V)は、findと他動詞なので、その後の文は目的語(O)であることが分かります。
一般的にfindは「見つける」という意味で使われますが、Eメールの場合は、Please find attached…というフレーズで「…(添付資料)をご覧ください」という意味になります。
さらに、このメールの添付資料は何かというと、続く文の中にandが入っているので、
my resume と two references from previous employers
の2種類があることが分かりますね。
このように、主語(S)と動詞(V)をチェックして、「誰が」「何をしている」のかを確認し、その前後にどのような情報が含まれているかを把握します。
これがステップ②です。
2-3. 精読ステップ③ 意味のカタマリごとにスラッシュを入れる
ステップ①②で単語の意味を確認し、文の構造を理解したら、いよいよ本格的なリーディングに入っていきます。
ステップ③では、文の中の意味のカタマリごとにスラッシュを入れていきます。
どこにスラッシュを入れるかについては、下記を参考にしてください。
- 句読点の前
- 前置詞句の前後
- 関係代名詞と関係副詞の前
- that節や疑問詞節の前
- to不定詞の前
- 接続詞の前
- 主語が長い場合にはその後
- 長い目的語や補語の前
スラッシュを入れる場所に正解はなく、自分が読みやすいと感じるところにスラッシュを入れることが大切です。
最初は細かくスラッシュを入れながら、慣れてきたら少しずつスラッシュを減らしていくこともできます。
慣れてくると、感覚的にスラッシュを入れられるようになってきます。
そして、自然と頭の中で文を区切りながら読むことが出来るようになります。
スラッシュを入れる位置については、この例を参考にしてくださいね。
2-4. 精読ステップ④ 英文を頭から理解する
ステップ③でスラッシュを入れたのは、ステップ④をやりやすくするためでした。
スラッシュを入れることで、日本語と文法構造が逆である英文を、わざわざ日本語の順番に直して理解するのではなく、そのまま頭から理解しやすくなります。
例えば、下記の様に、英文にスラッシュを入れて A~D の4つのパートに分けます。
I am writing (A) / with regard to (B) / the position of project manager (C) / at your company (D) .
これを日本訳すると、
「貴社の (D) プロジェクトマネージャー職 (C) に関して (B) ご連絡します (A)。」
となり、英文の順番と真逆になります。
長文になればなるほど、このようにいちいち日本語訳しながら理解して読み進めることは難しくなります。
なので、英文を頭から理解していく練習が、長文読解には欠かせません。
スラッシュを入れたパートごとに文意を確認し、
「ご連絡します。に関して、プロジェクトマネージャー職、貴社の」
のように読み進めることで、確実に素早く文を理解できるようになります。
結果的に、時短にもつながる大切なテクニックです。
ステップ①で単語の意味をしっかり調べ、ステップ②で文の構造をしっかり確認していれば、この時点で英文を頭から読んで、意味を理解することができるようになっているはずです!
以上、精読トレーニングの4つのステップを紹介しました。
今まで英文を読むのに苦戦していたあなた。
ぜひ、精読に挑戦しましょう!
3. 精読トレーニングの注意点
精読トレーニングを行う上で、注意すべき点をいくつか紹介します。
3-1. 精読に使う教材はTOEIC Part7の長文問題がベスト!
TOEIC対策として精読トレーニングを行う場合は、TOEICの問題に使われる英文を教材として使いましょう。
TOEIC以外の英文を使う事も、一般的な英語力向上のためには良いのですが、英文の難易度や使われる単語・表現のレベルがTOEICに出てくるものと違うと、TOEIC対策としては効果が期待できません。
いきなりPart7の長文問題はハードルが高いという方は、Part5、6の短文から始めてもOKです。
Par7対策におすすめの問題集については、こちらの記事で詳しく紹介しています。合わせて読んでみてくださいね。
「TOEIC Part7 長文対策!スコア別おすすめ問題集」
3-2. TOEIC Part7の設問・選択肢もしっかり精読!
精読の際に忘れないでいただきたいのが、設問・選択肢もしっかり精読すること!です。
問題文の中で本文が読めても、設問・選択肢の意味が分からないと正解はできません。
設問や選択肢にも、ある程度決まったパターンがあるので、精読トレーニングでそれらをしっかり理解できるようにすることで、そのパターンも見抜く力もつきます。
3-3. 精読の後は、通読・音読がおすすめ
精読のステップ①から④まで進んで内容を理解したら、そのまましっかり読み込む練習を行うことが理想的です。
精読の後に、通読(繰り返し読むこと)・音読(声に出して読むこと)を行うことで、学んだことを確実に知識として定着させることができます。
ここで気をつけて欲しいのは、精読ができてないのに通読・音読しても意味がない!ということ。
内容を理解できていない文を繰り返し読んでも、力は付きません。
精読でしっかり内容を把握した上で、その文を繰り返し読むことで、単語や表現、文法や文の構造が頭にインプットされ、知識として蓄積されます。
あくまでも、精読→通読・音読の順序は守るようにしましょう。
4. TOEIC Part7だけじゃない?精読トレーニングの効果!
4-1. TOEIC Part7 長文読解が楽しく解ける!
精読トレーニングを行うと、今まで読めない!と思っていた英文が、少しずつ読みやすく感じるようになります。
これまでは問題文を見るだけで嫌気がさしていたTOEIC Part7の長文読解問題。
精読トレーニングで長文に慣れる事で、返し読みで時間をロスすることがなくなり、全体を把握した上で解答を導き出すことができ、なんだかスラスラ、楽しく解けるようになります!
4-2. TOEIC全体で効果を実感!
TOEIC Part7の対策としておすすめしている、精読トレーニング。
Part7だけじゃなく、TOEIC全体で良い効果が期待できます。
精読を行うことで語彙力が向上し、リーディングのスピードが上がることで、Part5,6の解答時間短縮も期待できます!
また、併せて音読も行っていけば、リスニング力アップによるPart1~4のスコアアップにもつながります!
5. 精読トレーニングでTOEIC Part7を攻略
以上、TOEIC Part7 長文対策として、精読トレーニングの4ステップ、注意点、効果をご紹介しました。
精読トレーニングを繰り返し行えば、確実に力が付きます。結果、スコアアップをしている受験者がたくさんいます。
片手間で行うTOEIC対策が多い中で、精読トレーニングは地道なものです。
しかし、遠回りに見えて、実は近道なんです。
TOEICのスコアを上げたい方、リーディングが苦手な方は、今回ご紹介した4つのステップに従って、ぜひ精読に挑戦してみてくださいね!