渡辺謙さんは5つ目の力で英語力を身につけた?

渡辺 謙さんは5つ目の力で英語力を身につけた?

日本人が海外で活躍するためには「英語力」という高い壁がありました。その壁を乗り越え海外で成功を収めている俳優が渡辺謙さんです。海外で活躍することもすごいですが、渡辺さんのすごさは40歳を過ぎてから本格的に英語の勉強をはじめたこと。そして44歳のときに映画「ラスト サムライ」が公開されたということです。日本ですでに俳優として確固たる地位を築いていた渡辺さんですが、さらに新しいことにチャレンジするなんて、なかなかできることではありません。ではどんな英語勉強法で渡辺さんはハリウッドで活躍する今を勝ち取ったのでしょうか。

◆渡辺 謙さんプロフィール
1959年10月21日生まれ
新潟県出身

俳優。

1987年にNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で主役の伊達政宗を演じる。日本だけでなく海外においても映画を中心にテレビドラマ、舞台、テレビコマーシャルと幅広く活躍している日本を代表する俳優の一人。
2003年に映画『ラストサムライ』で『第76回アカデミー賞』助演男優賞、『第61回ゴールデングローブ賞』助演男優賞にノミネートされている。

〇海外の主な出演作品

映画:
ラストサムライ(2003)
バットマン ビギンズ(2005)
SAYURI(2005)
硫黄島からの手紙(2006)
インセプション(2010)
名探偵ピカチュウ(2019)
ベル・カント とらわれのアリア(2019)

舞台:
The King and I 王様と私(2015)

ドラマ:
TOKYO VICE(2022)

渡辺 謙さんの英語力は?

2003年、44歳の時に公開された映画「ラストサムライ」から次々と海外作品にされている渡辺さんですが、実際の英語力はどうなのでしょう。

2022年4月スタートのHBO Maxドラマ、TOKYO VICEについてのインタビューでアメリカの朝の番組にリモート出演した時の渡辺さんを見てみましょう。

Good Morning Americaにリモート出演する渡辺 謙さん

リモートでの出演はface to faceでインタビューを受けることよりも難しく感じますが、通訳さんも通すことなく受け答えをされています。

渡辺 謙さんは40歳を過ぎてから英語の勉強を始めたってホント?

先ほどのインタビューを見る限り、まさか40歳を過ぎてから英語の勉強を始めたようには見えませんよね。しかし、渡辺さんは本当に40歳を過ぎてから英語の勉強をはじめたそうです。

英語を始めたタイミングは、海外進出のきっかけとなった「ラスト サムライ」です。米大使館主催の「時代を創る二つの作法」と題したトークショーに出席したときに、ラスト サムライのオーディションについてこんなことを言っていました。 オーディションは突然の連絡だったそうで、「ハリウッド? トム・クルーズ? 時代劇? 無理無」と一度は断ったそう。しかしできあがった映画を見ると、渡辺さんと演じた「勝元盛次」の、「明治新政府に敵対する侍のリーダー。馬に乗ったり勇ましく戦ったりする勇壮さや、そのパワーとカリスマ性にあふれた人物」というイメージにぴったりでした。

この映画のために本格的に英語の勉強を始めたそうです。しかも役が決まってから撮影までなんと半年程度しかなかったそうで、びっくりですよね!

渡辺 謙さんの英語勉強法は?

たった半年であんなに英語がしゃべれるようになるの?と思いますよね。これは2003年にラスト サムライのプレミアがハリウッドで行われた時のインタビューです。

言葉の壁はどうでしたか?と質問されています。

まだ現在のようにすらすらと出てきませんが、自身の言葉でしっかりと伝えていますよね。 台本があり、セリフが決まった中でしゃべる英語と、自分で考えて答える英語では難易度が違いますよね。文法がどうとかではなく、通じればいいんです!自信がないからと日本語で答えて通訳の人に英語で伝えてもらうということをしないのが素晴らしいです!

では、ラスト サムライに向けて渡辺さんはどのような英語学習をしたのでしょうか。それは、ドラマメソッド(R)というものでした。

渡辺 謙さんも勉強した「ドラマメソッド(R)」って?

渡辺さんが英語を勉強するのに用いたのが、英会話MLS(モデル ランゲージ スタジオ)独自の指導法である「ドラマメソッド(R)」です。MLSのホームページには、この指導法の説明としてこのように書かれています。

語学の教授にドラマ(劇)の要素を取り入れ、英会話練習に「状況設定」や「意思・感情」「想像力」などを取り入れるのが特長です。

英語学習では「話す・聞く・読む・書く」の4技能をバランスよく学ぶことが必要とされています。英語を聞き取ることはできるけれど、話すのが苦手。また、読めるけれど書けないという人も多いですよね。実際、日本人は「話す・書く」が苦手とされています。受験英語を学ぶ場合にはどうしても出題率の高い「聞く・読む」の勉強をしてしまうので、必然的に「話す・書く」が苦手になってしまうのかもしれませんね。

ドラマメソッド(R)では、自在に「自分の言葉」として使いこなせるようになるためには、4技能とはまた「別の力」が不可欠になると言っています。それは、MLSが「コミュニケーション能力」と呼んでいる5つ目の力です。TPOに合った表現を選んで、無理のない話し方で相手に自分の伝えたいことが伝わる、それが会話に必要な力です。それらを鍛えるためにドラマメソッド(R)では、語学の授業に俳優の訓練方法(特に英語のダイアローグ=対話文をキャッチボールのように訓練すること)を取り入れています。

テキストによくある「ロールプレイ」を単に役に分かれて行うだけではなく、具体的に、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)などの5W+1Hを設定していくのが、MLSドラマメソッド®の大きな特長です。この「状況設定」によって、会話により感情移入でき、自然な会話ができるようになるのです。学習者の意見やアイディアを英語で表現する練習をしていきます。

渡辺さんも、このメソッドで「自分の言葉」として自在に使いこなせる英語を身につけたのですね。

英会話 MLS

渡辺 謙さんの活躍は映画から舞台へ!

ラスト サムライでの素晴らしい演技によって世界中に知られるようになった渡辺さんは、その後多くのハリウッド映画に出演し、その英語力もアップしていきます。2010年の映画「インセプション」と2014年の映画「ゴジラ」でのインタビューを見てみましょう。

2010年 インセプションでのインタビュー

2014年 ゴジラえのインタビュー

順調に海外でのキャリアを積んでいった渡辺さんですが、舞台の出演オファーをもらいます。最初は絶対にやらないと断ったそうですが、リンカーンセンターの舞台に立てるという、すごいことができるかもしれないという期待感でオファーを受けたそうです。受けたオファーですが、映像の仕事とは大きく異なる「舞台」に渡辺さんは、「はじめてみてそれがどんなに大変なことなのかを思い知った。」と言っていました。

撮り直しのきく映画やドラマとは違い、舞台は一度幕が上がれば一発勝負の世界です。しかもそれを英語でやらなければいけない。考えただけでも怖いですよね!しかしその初めての英語での舞台「The King and I 王様と私」で渡辺さんは演劇界のアカデミー賞、トニー賞にノミネートされます。そのくらい素晴らしい演技だったのです。

2015年 主演のKelli O’Haraとインタビューを受ける渡辺さん

インタビューでは英語で歌うことが難しかったと言っていますね。そしてまた別のブロードウェー作品に出たいか聞かれたときのリアクションが面白いですね。「無理無理!」という感じでしたが、今までのチャレンジを見る限り、もしかしたらまた舞台に立つ渡辺 謙さんを見れるかもしれないですね!

サッカー日本代表の吉田麻也選手は舞台を見に行かれたようで、こんなツイートをしています。

渡辺 謙さんの最新作「TOKYO VICE」

最初にご紹介した動画にあった作品が、渡辺さんの最新作「TOKYO VICE」です。渡辺さんの表現する「グレー」な役どころ、気になりますよね!このドラマには菊地凛子さんや伊藤英明さんなど、他にも日本人俳優の皆さんが出演されています。Official Trailerを見てみましょう。

いつにもまして渋い渡辺さんの演技が見られそうですね。

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