なぜTOEICは転職に有利なのか?【満点講師の経験から解説】

転職をしたいけれど、TOEICのスコアは何点を持っていれば有利なのか分からない…ということはありませんか?

 

転職先として目指す企業や業界が求めるTOEICスコアを履歴書に書くことが出来れば、より自信を持って転職活動をすることが出来ます。

 

現在のTOEICスコアが転職にどれだけ効果があるかを知ることで、そのスコアが転職活動で役に立つのかが分かります。

また、転職時に必要とされるTOEICスコアを今現在持っていなくても、取るべき点数を知ることで目標が明確になるので、学習計画を立てることが可能になります。

 

この記事では、TOEICスコアがなぜ転職活動で役立つのか、また、どのくらいのスコアを持っていれば有利なのか?について年齢別・業種別に詳しく解説します。

 

TOEICを運営しているIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が公表している信頼できるデータと、TOEIC満点講師の経験を基にまとめているので、安心して参考にしていただくことができます。

 

この記事の内容

1. TOEICスコアで転職の可能性を広げられる

2. スコア別で見るTOEICの転職における優位性

3. 年齢別・業種別の転職者に求められるTOEICスコア

4. 転職に大切なのはTOEICスコア<英語力

5. まとめ

 

1. TOEICスコアで転職の可能性を広げられる

 

転職活動をする際、高いTOEICスコアを持っていれば、転職できる可能性を広げることが出来ます。

 

これに関しては企業側とビジネスパーソン側との意識が合致しています。

下記は、IIBCが公開している「英語活用実態調査2019」の結果です。

こちらのグラフでは、企業や団体が、現在の英語の使用状況と3年後の見通しについて回答した結果がまとめてあります。

現在、転職を含む、人事採用時に一定の英語力を求めると答えた企業が18.0%ですが、3年後には36.7%になると予想しています。

 

下記は同じ内容ですが、20代から50代までのビジネスパーソン側の回答です。

こちらでは、現在は17.8%で、3年後の見通しは29.8%と、企業の回答と大きく差はありません。

どちら側も、現時点で既に、今後全体的に英語が必要になってくると感じていると言えます。

 

続いて下記をご覧ください。

こちらも同じく「英語活用実態調査2019」に含まれているものですが、どのくらいの企業が採用時にTOEICスコアを参考にしているかが分かります。

転職に関しては、「英語を使用する部署の中途採用」ということで、英語を使う部署に限定されていますが、現時点でTOEICスコアを要件・参考にしている、または今後する可能性があると答えた企業が、61.2%となっています。

 

今後3年で人材採用時に英語がより求められるようになることを考えると、TOEICで出来るだけ高いスコアを取ることが、転職のチャンスを増やすことにつながると言えます。

 

2. スコア別で見るTOEICの転職における優位性

それでは、転職をするためにはTOEICで何点持っていると良いのでしょうか。

ここでは、スコアを4つのレンジ(範囲)に分けて、スコア別の転職における優位性を見ていきます。

 

2-1. TOEIC595点以下の転職時の評価

まずはTOEICのスコアが595点以下のレンジを見てみましょう。

このレンジには、595点の人もいれば、200点や300点という点数の人も含まれます。

転職を目指すのであれば、頑張って点数を上げる必要があると言えます。

 

2019年のTOEIC平均スコアは488点でした。

(IIBC「TOEIC®Program DATA & ANALYSIS 2020 (2019年度受験者数と平均スコア)」新入社員の平均スコア参照)

 

新入社員には、英語力を今後伸ばしていく時間的な猶予が与えられます。

しかし、中途採用の場合、英語も含め即戦力としての採用のため、新入社員の平均点よりも数段上である必要があります。

よって、TOEICが595点以下の場合、残念ながら転職で有利になる可能性は高くないと言えます。

 

TOEIC400点のレベルについては、TOEIC400点のレベル・評価とは?スコアアップ勉強方法も伝授、TOEIC500点のレベルについては、TOEIC500点レベルは役に立つ?【気になる就活・仕事での評価を解説】をご覧ください。

 

2-2. TOEIC600点~695点の転職時の評価

一般的に就職活動で履歴書に書けるTOEICの点数は600点以上と言われています。

2019年度の学生のTOEIC平均スコアは567点でしたが、その平均以上の点数でなければ英語が得意とアピールすることは難しいと言えます。

 

転職をする場合、新入社員の平均よりも能力が上であることを証明することが大切です。

そのような意味で、英語に関して言えば、650点~695点を取得している場合、ある程度英語を使えると判断して貰えるため、有利になる可能性があります。

 

TOEIC600点がどのように就職活動に役立つかは、TOEIC600点は就職・就活に役立つ!?【企業・職種別スコア有】をご覧ください。

 

2-3. TOEIC700点~795点の転職時の評価

IIBCの「英語活用実態調査2019」には、社員や職員に期待するTOEICの平均スコアに関する下記の表が掲載されています。

企業や団体によって当然差はありますが、平均としては中途社員には560点、海外部門の場合は690点を期待しているのが現状です。

これらの数字は、最低限期待しているスコアと考えた方が良いでしょう。

よって、実際にはこれ以上の点数を取ることで、英語力をアピールすることが出来ます。

 

TOEIC700点から795点を持っている場合、海外部門で期待されるスコアを超えているため、良いアピールになります。

また、昇進や昇格スコアとして、部長や役員になるためにTOEIC700点あたりを要件にしている会社も多いため、そういった点でもこのスコアレンジは転職において優位になると考えることが出来ます。

 

2-4. TOEIC800点以上の転職時の評価

最後はTOEIC800点以上のグループです。

このグループは、800点はもちろん、満点の990点まで含まれます。

 

TOEICで800点以上が取れる人は英語の知識が豊富で、留学経験者や帰国子女なども多く含まれます。

TOEIC全体の受験者でも、15%以下の人しか取れない点数のため、このレンジに含まれる人は、「かなり英語が出来る人」と見られます。

 

転職活動で、TOEIC800点以上を持っている場合、海外部門で採用されることも現実的な話になり、多くの企業で、英語面で重宝される人材となります。

このグループに該当する方は、自信を持って英語をアピールしましょう。

 

3. 年齢別・業種別の転職者に求められるTOEICスコア

 

転職する際に求められるTOEICスコアは、必ずしも全ての人に対して同じという訳ではありません。

年齢、または転職を希望する業種によってもそのスコアは異なる場合があります。

 

3-1. 求められるTOEICスコアは年代別に違う!?

歳を重ねるにつれ、ビジネスでの経験が蓄積され、様々な能力も身についてきます。

転職をする際は、年代によってより高い経験値や能力を持っていることを企業側に見せることで、より採用されやすくなります。

これはTOEICのスコアでも同じことが言えます。

 

20代で転職をする場合、海外部門や外資系企業のように、直ぐに英語で仕事をする必要があるところは別ですが、やる気やこれからの可能性が考慮される場合も多くあります。

20代の場合、現時点でTOEICスコアが低くても、伸ばそうという意識が高ければ、若いということもあり点数も上げやすいと考えられています。

よって、履歴書に書けるTOEIC600点以上を持っているに越したことはありませんが、600点前後だったとしても転職で不利になるということはありません。

 

30代は、社会人としての経験を持っている即戦力として採用されます。

当然英語が全てではありませんが、英語を使う、または今後必要とする仕事に応募する場合、TOEICで英語力をアピールできる点数が求められます。

600点台後半のスコアを持っていれば、ある程度の英語力を持っていると判断して貰えます。

30代で転職を希望する場合、600点台後半から700点台は欲しいところです。

 

最後に40代を見てみましょう。

特別な能力や経験、取得難易度が高い資格を持っていれば別ですが、40代の人は一般的に転職をする際、その年齢が20代や30代に比べてハンデとなる可能性があります。

しかし、そのような状況の中で採用されるということは、今後その会社にとって大切な人材として見られているということです。

TOEICスコアを昇進や昇格の要件としている企業では、部長や役員になるにはTOEICで700点以上を必要としているところが多くあります。

よって、40代の場合、TOEIC700点以上は欲しいところです。

もし800点以上を持っている場合、かなりの武器になると言えます。

 

3-2. 業種によって必要なTOEICスコアは異なる

業種によっても求められるTOEICスコアは異なります。

 

IIBCの「TOEIC®Program DATA & ANALYSIS 2020 (2019年度受験者数と平均スコア)」では、業種別受験者の平均スコアに関するデータがあります。

 

このスコアはIPテスト(民間企業、官公庁や非営利団体などで実施された団体試験)の結果ですが、それによると、業種として平均スコアが高いところと、そうでもないところがあります。

下記に業種別でTOEICの平均スコアが高い、低い順のランキング(トップ3)を記載してみました。

 

TOEICの平均スコアが高い業種

1.マスメディア 610点

2.鉱業 601点

3.商社 571円

※公共団体(604点)は除外しています。

 

TOEICの平均スコアが低い業種

1.建設 426点

2.精密機器 461点

3.車両 464点

※都道府県(419点)は除外しています。

 

マスメディアと車両の平均スコアでは、約150点の差がありました。

IPテストを受けている人数が業種によって異なるため、この結果が必ずしも全体的な力を正確に反映しているとは言えませんが、どのような業種で高いTOEICのスコアが必要かということは分かると思います。

 

転職をする場合、このように業種によって必要なTOEICのスコアが異なるため、少なくともその平均スコア以上の結果を持っていると良いでしょう。

 

4. 転職に大切なのはTOEICスコア<英語力

 

転職では、履歴書に自信を持って書けるTOEICのスコアを持っていると有利に働きます。

しかし、転職では即戦力を求めている企業が多いため、TOEICのスコアで英語力を見せつつも、実務で英語が使えるとアピールすることが実はとても大切です。

 

TOEICのスコアが高くても、期待されていたほど英語が使えないとなれば、採用した企業もそうですが、転職した本人もとても辛くなります。

また、十分だと思えるTOEICスコアを持っていなかったとしても、企業によっては面接で英語力を確認するところもあります。

そこでTOEICの点数は不十分でも、上手に対応が出来る英語力を持っていた人が採用され、TOEICの点数が高いけれども英語が上手に話せなかった人が不採用になるということもあります。

 

よって、TOEICのスコアを上げつつも、同時に英語を話せるようになる学習をすることが、転職をする上では大切です。

 

これらの学習を両立する方法は、TOEICと英会話に関する疑問に満点バイリンガル講師が答えます!をご覧ください。

 

5. まとめ

多くの企業では英語が使える人材を探しています。

そのような企業は今後も増えて行くでしょう。

そして、英語力をアピールするために使えるものがTOEICのスコアです。

 

持っているTOEICのスコアによっては、転職を有利に進めることも可能です。

ご自身が目指す企業や業種、そして場合によっては年齢によって期待されるTOEICのスコアを把握して、その期待を超えるスコアを提示できるように頑張りましょう。

 

また、今後英語が使える人が増え、企業が求めるTOEICのスコアも上昇することが考えられます。

その前、もしくはそのような状況になっても望む転職が出来るように、今のうちからTOEICのスコア、そして英語力を上げるようにしましょう。

 

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