TOEICリスニング、時間をどううまく使えば良いのか、悩んでいませんか?
TOEICリスニングセクションでは、放送される音声にそって解答を進めるため、リーディングのように時間配分をする必要はありません。
しかし、音声が1度しか放送されないー発勝負なので、問題に関する音声が流れている時間以外を有効活用することがとても大切です。
この記事では、TOEICリスニング満点の筆者が、リスニングセクションの時間の賢い使い方についてお伝えします。
Part1が始まってからPart4が終わるまでの約45分間を最大限に活用するため、どのタイミングで何を行うべきかを詳しく解説します。
またPart3,4で必須となる先読みについても紹介します。
理想のリスニング時間の使い方を知ることで、リスニング解答時の効率が良くなり、スコアアップが期待できます。
TOEICリーディングの時間配分については、これで迷わない!効果抜群のTOEICリーディング対策と時間配分で詳しく紹介しています。
この記事の内容
1. TOEICリスニングの時間
まずはTOEICリスニングセクションの概要と各Partの時間について確認しましょう。
問題形式 | 問題数 | 時間 (Directions含む) |
|
Part1 | 写真描写問題 | 6問 | 約4.5分 |
Part2 | 応答問題 | 25問 | 約9.5分 |
Part3 | 会話問題 | 39問 | 約17.5分 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 | 約13.5分 |
TOEICリスニングセクション計 | 45問 | 約45分 |
リスニングセクションは各問題の音声の長さが毎回のテストで違うため、時間は約〇分と記載しています。
TOEICリスニングの概要については、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】で紹介しています。
また、問題形式については、TOEICリスニング練習問題に挑戦!各Partの解答テクニックも伝授でも詳しく紹介しています。
TOEICの問題について詳しくない方は、まずはこちらの記事を確認してから読み進めると、より分かりやすいと思います。
各Partの冒頭では、Directionsという問題形式の説明が放送されます。
Directionsの内容は問題冊子にも書いてありますが、すでに問題形式を知っている学習者は説明を聞く必要はありません。
TOEICリスニングではこのDirectionsの時間を有効活用することが大きなポイントです。
ちなみに、各PartのDirectionsの時間は下記です。
Directions | |
Part1 | 約90秒 (リスニングセクションの説明含む) |
Part2 | 約30秒 |
Part3 | 約30秒 |
Part4 | 約30秒 |
Directionsの時間を合計すると実に3分!
ぜひこの時間を上手く使い、リスニングスコアアップにつなげたいですね。
では、Directionsの有効活用も含めて、各Partでの賢い時間の使い方について詳しく見ていきましょう。
2. TOEICリスニングPart1,2の時間の使い方
まずはリスニングセクションの前半、Part1,2での時間の使い方について見ていきましょう。
Part1,2は比較的難易度が低いため、TOEIC初心者・初級の学習者でもしっかりスコアを取っていきたいところです。
2-1. TOEIC Part1,2の問題
時間の使い方を知るためには、まずは問題形式をしっかり理解しておきましょう。
TOEIC Part1は、写真描写問題です。
1枚の写真について、4つの説明文が放送され、その中から写真の内容を最も適切に表している選択肢を選びます。
写真のみが問題冊子に印刷されているため、4つの説明文の音声をしっかり聞きとる必要があります。
TOEIC Part1 練習問題【対策と解答のコツを伝授】にてPart1の問題を紹介しているので参考にしてください。
TOEIC Part2は、応答問題です。
1文の質問・文章とそれに対する3つの答えが放送されます。
例えば、下記のような形です。
Q. Who is the next president of ABC company?
A. He works for a different company.
B. I can’t believe it.
C. It’s Mr. Smith.
3つの選択肢の中から質問の答えとして相応しいものを選びます。
(この例題の正解はCです。)
Part2はすべて音声のみで進むPartなので、問題冊子には”Mark your answer on your answer sheet.”(答えは解答用紙にマークしてください。)とのみ記載されています。
Part2については、TOEIC Part2のスコアアップを目指すならこの対策!で詳しく紹介しています。
2-2. TOEIC Part1,2の時間活用テクニック
では、Part1,2の時間の流れと使い方のポイントを順番に解説します。
❶ リスニング・Part1 Directions
TOEICの開始と同時に、リスニングセクションの説明とPart1の説明が約90秒間放送されます。
この時間を有効活用してできることは2つあります。
できること1:Part1の写真6枚を確認する。
特に初心者は、この90秒を使って、Part1の写真6枚を確認することをおすすめします。
それぞれの写真を見て、どんな人・モノ・風景が写っているのか、どういう状態なのかに注目し、どのような問題が出題されるかを予想しながら準備をします。
この準備時間なしに、いきなり写真を見て音声を聞いて答えを選ぶとなると焦ってしまい、聞き取れるものも聞き取れないことがあります。
TOEIC初心者・初級レベルの方は、Part1の写真確認に時間を使い、TOEICの出だしから落ち着いて解答していけるようにしましょう。
できること2:Part3,4の設問・選択肢を先読みする。
TOEIC中級・上級レベルの方におすすめなのが、この約90秒という貴重な時間を使って、Part3,4の準備をすることです。
Part1,2は問題冊子に印刷されている情報が少なく準備できることが限られます。
一方、Part3,4の設問・選択肢は問題冊子に印刷されているため、それらを事前に読んでおくことで正解率を上げることができます。
先読みと言われるこのテクニックは、リスニング対策では必須といっても過言ではありません。
ただ、ここでPart3,4の先読みをした場合、間にPart1,2への解答時間をはさむため、どこまで先読みした内容を覚えていられるのか?や、Part1,2の解答時に混乱しないか等、気をつけるべき点もあります。
ちなみに筆者はなるべくこの時間を使って、Part3の設問・選択肢をさらっと読むようにしています。
完全には覚えていられませんが、なんとなくキーワードを頭に入れておくだけでも、放送される会話文を聞きながら「多分ここが答えかな」と推測しながら解答を進めることができます。
また、リスニングセクションの時間ではリスニング問題の先読みをすることはOKですが、Part5以降のリーディング問題を読むことはNGとされています。
気をつけましょう。
❷ Part1 解答
90秒のDirectionsの終わりに、”Now Part1 will begin.”と流れるので、そこで気持ちを切り替えます。
これが流れたのに気付かず、そのまま他のことを続けてしまい、Part1の問題を聞き逃した…なんてことにならないように気をつけましょう。
Part1の1問目の問題音声が約20秒流れた後、2問目まで約5秒間、無音の時間があります。
各選択肢を聞きながら、これが正解!と分かればその場でマークしましょう。
4つ目の選択肢を聞いてもどれが正解か分からない場合は、この無音の5秒間で答えを決め、マークを完了するようにしましょう。
ここで悩んでしまうと、すぐに次の問題が放送されてバタバタしてしまうので、分からなくてもとにかく1つマークすることを意識しましょう。
マークが終わったら、次の写真を見て準備をしながら、音声の放送を待ちます。
これを6回繰り返し、Part1は終了です。
❸ Par2 Directions
Part2のDirectionsは約30秒です。
Part2は問題冊子に解答のヒントとなる情報は印刷されていないため、この時間はPart3,4の先読み時間として有効活用しましょう。
Part3の設問・選択肢から順番に読んでいくのもアリですが、30秒と時間が限られているため、この時間はPart3,4の図表の確認に使うというのもおすすめです。
図表問題は少し分かりにくい場合もあり、図表の中の情報が何を表しているのか?としっかり理解しておくことで正解率を上げることができます。
Part3,4で約5個の図表が問題冊子に印刷されているので、1つにつき6秒ずつ確認すれば、この30秒を上手く使うことができます。
❹ Part2 解答
Part2のDirectionsの最後に、“Now let us begin with question number 7.”と聞こえたら、マークシートのPart2欄にペン先を置き、気持ちを切り替えます。
Part2では問題冊子は必要ないので、マークシートにスムーズに解答をマークしていくことを意識しましょう。
Part2の音声は約15秒、その後約5秒の無音時間があり、次の問題が放送されます。
Part2の時間の使い方で気をつけるべき点は、「次の問題が流れる前にはマークを終わっておく」ことです。
なぜなら、Part2では音声だけを頼りに解答を進めていくため、前の問題の回答に手こずり、次の問題を聞き逃してしまうと、どんどん解答が間に合わなくなってしまうからです。
テンポ良く解答するために、各問題の選択肢が放送される際には、解答用紙のその選択肢にペン先を置き、聞きながらこれが正解!と分かれば即マークします。
ここでも3つ目の選択肢を聞いて分からない場合、迷っている暇はありません。
次の問題が始まるまでの約5秒間で、A/B/Cのどれかにマークしましょう。
この方法でPart2を解き進めることで、切れそうになる集中力をなんとか維持することができます。
また、1つ問題No.を間違ってマークしてしまい、その後の解答が全部ずれてしまった…、なんていうTOEICあるあるを回避することにも繋がります。
以上、Part1,2の時間の活用方法をご紹介しました。
細かい点が多いですが、時間の有効活用のためには、このような細かい心がけが大切です。
では続いて、Part3,4について見ていきましょう。
3. TOEICリスニングPart3,4の時間の使い方
リスニング後半のPart3,4は難易度が高いため、その分しっかり対策することが必要になります。
時間の有効活用も大切な対策の一つなので、丁寧に説明していきます。
3-1. TOEIC Part3,4の問題
まずはPart3,4の問題形式をしっかり理解しておきましょう。
Part3は会話問題、Part4は説明文問題です。
Part3,4ともに約30~40秒の会話文または説明文が放送された後、設問とそれに対する4つの選択肢が3セット放送されます。
会話文・説明文は音声のみですが、設問と選択肢は問題冊子に印刷されているので、この情報をいかに先読みし、解答に備えられるかが大きなポイントです。
Part3についてはTOEIC Part3 スコアアップのコツと勉強法【聞き取れる秘策】、Part4については先読みで苦手を克服!TOEIC Part4対策・勉強法を満点講師が伝授で詳しく解説しています。
先読みの方法についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
3-2. 先読みのタイミングとテクニック
では、Part3,4の時間の使い方について詳しく見ていきます。
❶ Part3 Directions
Directionsが流れている30秒間は、Part3の設問・選択肢の先読みをします。
Part1,2の空き時間で既にPart3の先読みをしている場合は、その続きから行っても良いですが、まずはPart3の最初の設問がどんなものだったか?を確認するようにしましょう。
先読みをする際には、設問・選択肢をすべてしっかり読むのではなく、キーワードを見つけ、覚えることを意識します。
また速く読むのが苦手という方は、設問だけ読み、そのキーワードを頭に入れておくようにしましょう。
❷ Part3 解答
Directionsが終わり、”Questions 32 through 34 refer to the following conversation.”と聞こえたら、Part3の最初の問題に集中します。
会話文が30~40秒流れるので、先読みの際に覚えたキーワードを意識しながらしっかり聞きます。
その後、Q32の設問・選択肢が放送されます。
選択肢を聞きながら、これが正解だ!と分かったらその場でマークをします。
4つ目の選択肢が放送されても正解が分からない場合、ここでも迷う時間がもったいないので、とにかく1つ塗りつぶします。
4つ目の選択肢が読まれ、Q33の設問が放送されるまでに約8秒間の無音時間があります。
なるべく早くマークを終わらせ、次の設問・選択肢を確認するための時間を作りましょう。
上記の流れでPart3を解いていきます。
ここでも重要なのは、切り替えです。
すでに放送された設問に対する答えに悩むことはあると思いますが、分からない場合は、すぐにどれか1つマークをして切り替えます。
どれにしよう?と悩むことに時間を使うよりも、次の設問・選択肢の先読みのために時間を使う方が、正解率を上げることにつながります。
最初はなかなか難しいかもしれませんが、意識してみてください。
❸ Part4 Directions
❹ Part4 解答
Part4のDirectionsも約30秒あるので、Part4の最初の設問・選択肢の先読みに使いましょう。
その後はPart3と同じ流れで解答を進めていきます。
Part4はリスニングセクションの最後なので、集中力が切れそうになるかもしれませんが、常に次の問題の先読みができるよう切り替えながら進めることで、最後まで集中して取り組むことができます。
以上、Part3,4の時間の使い方と先読みのタイミングについて解説しました。
この記事で紹介した方法では、マークをするスピードも重要になります。
短い時間でマークを完了することで、テンポ良く次の問題に進むことができます。
しかし、マークシートをしっかりと塗りつぶすのに時間がかかる、という方もいます。
このような方は、リスニングの時間では選んだ答えが分かるように解答用紙に印をつけ、リスニングがすべて終わったら5分程かけてしっかり塗りつぶす、という方法もあります。
その分リーディングの解答時間が減ってしまうというデメリットはありますが、Part3,4で先読みの時間を少しだけ増やすことができるというメリットもあります。
解きながらマークしていくのがベストですが、なかなか難しいという場合は、この方法も試してみてください。
4. 時間を賢く使ってTOEICリスニング攻略!
TOEICリスニングの時間の使い方について解説しました。
リスニングでスコアアップするためには、Directionsが放送されている時間や無音時間を有効に使い、Part1の写真の確認やPart3,4の設問・選択肢の先読みをすることがとても大切です。
次から次へと音声が放送されるリスニングでは、テンポよく良いペースを保って解答を進めることで、集中力が持ち、正解率を上げることにつながります。
練習問題を解きながら、この記事で紹介した時間の使い方を実践し、本番のテストでも実力を発揮できるようにしていきましょう。