初めてTOEICを受けることになったけど、何から手をつけて良いか分からない…と悩んでいませんか?
今ではTOEICに関する多くの情報を簡単に手に入れることができます。
しかし、TOEIC初心者は、その中から自身に大切なポイントや合う勉強法を判断するという最初のステップでつまずいてしまいます。
これは自然なことで、例えばダイエットや趣味等、何か新しいことを始める人は、何が自分に必要かという判断はできなくて当たり前なのです。
TOEIC初心者は、伸ばすべき点と伸ばす方法を知り、まずはしっかりとそれらの点を伸ばすことに集中する必要があります。
この記事を通して、その伸ばすべき点と方法、そしてどれくらい勉強すれば良いかということが分かるようになります。
今まで数多くのTOEIC初心者を支えてきた筆者が、学習者の気持ちを考えながらTOEIC初心者にとって有益な情報をお伝えします。
記事の内容
1. TOEIC初心者におすすめの2つの考え方
まずは、TOEIC初心者におすすめしたい2つの考え方についてお伝えします。
1-1. 目標は段階的に設定
TOEICを受験する理由の多くは、大学の入試や就職、または昇進で必要だからというものです。
そして当然ながら、これらには求められるTOEICのスコアが設定されています。
例えば、就職のために履歴書にかけるTOEICの点数は、最低でも600点と言われています。
就職活動で求められるTOEICの点数に関しては、TOEIC600点は就職・就活に役立つ!?【企業・職種別スコア有】をご覧ください。
就職等で求められるTOEICの点数を目標として設定することはとても大切です。
しかし、目標設定をする際に、とても大切な考え方があります。
それは、段階的な目標を設定することです。
例えば、サッカー日本代表の選手になりたいと思っているサッカー初心者の学生がいるとします。
日本代表選手になるという目標はとても素晴らしいのですが、それを唯一の目標にした場合、その過程で達成感をあまり得ることなく、多くの挫折を味わい、やる気を維持できない可能性は高いでしょう。
日本代表になるという目標の前に、まずは部活に入り、スタメンになること。
そして、大会で活躍し、スカウトの目に留まること。
次に、プロ入りすること。
そして、プロで活躍して代表監督の目に留まること。
このような段階的な目標を設定することで、それぞれの目標を達成するために行うべきことが計算できるようになります。
また、目標を達成するごとに達成感が生まれ、それが次の目標を達成するための力の源になります。
これはTOEICでも同じです。
そのためには、まず現在地を知ることから始めます。
公開試験を受けられるようであれば一度受けてみましょう。
難しければTOEIC公式問題集の試験を1セット2時間で解いてみましょう。
それによって、今の実力(TOEICのスコア)が分かります。
もし今の点数が300点で、目標が600点以上ということであれば、いきなり目標を600点とするのではなく、まずは400点、その次に500点、そして最後は600点と段階的に目標を設定します。
それによって、まずは300点から400点にスコアアップにするために必要なポイント(力や知識)と勉強法を学び、そこに集中することができます。
400点が取れたらその充実感を味わうことができます。
そして次の500点を取るために必要なポイントと勉強法を学び、実践する。
これを繰り返していくことで、しっかりと目標の600点を取ることができます。
TOEIC初心者は、この段階的な目標を設定するという考え方を持つことで、最終的な目標のTOEICスコアまで達成感を味わいながら、学習意欲を持続することができます。
TOEICスコアについては、TOEIC点数の目安が知りたい!レベル別の英語力を満点講師が解説を参考にしてください。
1-2. TOEIC目標達成には時間と努力が必要
TOEICを学習していると、「1週間で100点アップ!」、「聞くだけでTOEICの点数が上がる!」といった甘い言葉を耳にすることも多いでしょう。
しかし、厳しいように聞こえますが、「簡単に」「短期間で」TOEICの点数を100点や200点上げることは、元々その実力を持っていたけれども発揮できていなかったという人を除いて、無理と考えましょう。
昭和っぽいと言われてしまうかもしれませんが、TOEICの点数を上げるためには、「時間」と「努力」が必要です。
時間に関しては独学で学ぶ場合と、誰かに教えてもらいながら学ぶ場合によって異なりますが、独学で学ぶ場合、TOEICの点数を上げるためには、一般的に下記の表の時間が必要と考えられています。
参考:Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6
この表では、250点から350点を取るためには200時間、350点から450点取るためには225時間が必要となっています。
点数が高くなれば高くなるほど100点上げるために必要な時間も長くなっています。
このようにTOEICのスコアを上げるためには多くの学習時間が必要とされています。
しかし、これは誰にも頼らず学ぶ場合で、現在地を把握し、プロの助けを得ながら次の目標のスコアまでに伸ばすべき力や知識を身に着け、そのために有効な勉強法を教えてもらい実践することで、学習時間を短縮することが可能です。
重要なことは、しっかりと「時間」をかけて、正しい形で「努力」をすれば、必ず目標が達成できるという考え方を持つことです。
2. TOEIC初心者がおさえておきたい3ポイント&勉強法
TOEIC初心者に必要な3つのポイントと、それらのポイントを伸ばすために有効な勉強法を紹介します。
いざ学習を始めて、全部やるのは無理!とならないように、各ポイントをどれくらいの比率で学習すべきかについてもお伝えします。
2-1. 基礎文法の勉強法
TOEIC初心者がおさえておきたいポイントの1つ目は、基礎文法です。
TOEICを教える講師の中には、現在の英語力やTOEICのスコアに関わらず、とにかく多くのTOEIC問題を解いて慣れるのが一番効率的な対策だと言う人たちもいます。
確かにTOEICの問題を多く解き、TOEIC自体に慣れることは大切です。
しかし、少々極端な例ですが、海外ドラマを1年間毎日1話ずつ観たとしても、それだけしか行わなかった場合、1年後に字幕なしで話が理解できるようになるかというと、そうなる可能性は限りなく低いです。
むしろ英語の音には慣れてきたと感じても、英語の全体的な理解度はあまり変わらないでしょう。
これは、その英語を理解するためのルールである文法を理解していないことが1つの大きな理由として挙げられます。
日本語と英語には数多くの文法の違いがあります。
語順を例に挙げると、簡単な文でも下記のような語順の違いがあります。
日本語:私は車を持っています。
英語:I have a car. (私は持っています車を。)
他にも数多くの、より複雑な違いがあります。
このような文法が理解できない状態では、英語を使うことはもちろん、TOEICで正しい答えを見つけることは難しいと言えます。
先ほどの海外ドラマを折角1年間観るのであれば、英語の文法を理解することで、登場人物が何をどのような文で言っているかが理解できるようになるので、内容が頭に入ります。
また、TOEICのPart5やPart6では、文法の知識が試される、文法問題が多く出題されます。
基礎文法の知識を身に着けることで、これらのPartでも点数を稼ぎ、目標のスコアに近づくことができます。
Part5の文法問題に関しては、TOEIC Part5 練習問題【5つの頻出パターン+解説付き】をご覧ください。
筆者がおすすめする基礎文法の勉強法は、Part5で出題される基礎文法を見直すことです。
Part5の文法問題は、中学生英語をおさえるだけでも正確に解くことができるようになります。
ステップはとても簡単です。
● ステップ❶ 基礎文法が学べる参考書等で文法の定義や用法を理解する。
● ステップ❷ それらを理解した上で、Part5の問題を解いて、解説を文法的に理解する。
この2ステップを行うことで、基礎文法の知識をしっかりと身に着けることができます。
Part5で出題される基礎文法は、3ヶ月でTOEICのスコアは上げられる!文法対策・パート別勉強法の「2-2. 1ヶ月目基礎:基礎文法とPart5の解答のコツ」で確認できます。
2-2. 語彙力強化の勉強法
TOEIC初心者がおさえておきたいポイント2つ目は、語彙力です。
当然ながら、文は単語を並べることで成立します。
語彙力は永遠の課題と言えるほど、どのレベルの学習者でも足りないと感じるものです。
よって、TOEIC初心者の受験者が、単語が足りないと思っても、それは当然のことだと考えてしまう方が良いでしょう。
重要なことは、1つでも多くの単語を知ろうと時間をかけて努力する作業を習慣化することです。
また、TOEICのリーディングセクションでは、語彙問題といって語彙の知識が試される問題も多く出題されます。
この点からも、語彙力はTOEICにとってとても重要であることが分かります。
TOEICで目標とする点を取るためには、その点数にもよりますが、5000~6000くらいの英単語を知る必要があります。
単に英和辞典を開いて単語とその日本語の訳を暗記しようとするだけだと、頭に残らないだけでなく、覚えてもTOEICで一生出会わない可能性もあります。
TOEICのために語彙力を強化する際は、TOEICの頻出単語を覚えるようにしましょう。
TOEICに出てくる単語や語力強化の勉強法は、単語を覚えてTOEICスコアアップ!今から始められる単語の覚え方をご覧ください。
2-3. TOEICの各Partを知る勉強法
TOEIC初心者がおさえておきたい3つ目のポイントは、TOEICの各Partを知ることです。
マラソンランナーが事前にコースを確認するように、TOEIC受験者もTOEICの各Partの問題形式や解く際の注意点といったことを知る必要があります。
特にTOEIC初心者はTOEICのことを知ることで、解きやすいと感じるPartにより時間をかけて点数を稼ぐという方法も可能になります。
逆にPart7(長文読解問題)は時間がかかるということが分かれば、無理に時間をかけないという選択もすることができます。
TOEIC各Partの詳細については、TOEIC全Partの総まとめ【対策・勉強法・参考書・練習問題】を参考にしてください。
各Partを知るためにおすすめの勉強法は、TOEIC全Partの問題と解き方が収録されている参考書を1冊選び、問題形式と一緒に解答のコツを理解することです。
下記の3点はTOEICを何度も受けた人であれば知っている注意点や解答のコツです。
・ Part1やPart2では音が似ている単語のひっかけに注意する。
・ Part3とPart4では問題を先に読むようにする。
・ Part5では品詞問題を瞬時に解ける方法を知る。
このような点を含め、TOEIC初心者はまず参考書を使って学びましょう。
TOEIC各Partを知り、注意点や解答のコツがある程度わかったら、今度は公式問題集を使い、注意点を確認しながら解答のコツを実際に使って繰り返し問題を解く練習をします。
TOEIC公式問題集については、おすすめのTOEIC公式問題集【違いと選び方&勉強法を伝授】をご覧ください。
一度解いた問題でも繰り返し解いていくことがポイントです。
TOEICの各Partを知るためには、知識を吸収した上で、この実践的な確認作業がとても重要になります。
解答のコツを実践できることで、TOEICの問題を効率よく、自信を持って解けるようになります。
おすすめの参考書は、TOEIC400点から600点を達成するための勉強法と参考書をご覧ください。
2-4. 3つのポイントは同時進行で学習しよう
TOEIC初心者がおさえておきたい3つのポイント「基礎文法の理解」「語彙力強化の習慣化」「TOEICの各Partを知る」について紹介しました。
では、この3つはそれぞれどれくらい時間をかければ良いのか?と疑問に思った方もいるでしょう。
仮に1日の学習時間を分かりやすく1時間とした場合、筆者がおすすめする時間配分は下記です。
・ 基礎文法:20分(約33%)
・ 語彙力強化:10分(約17%)
・ TOEICを知る:30分(約50%)
もちろん文法がとても苦手という人は、基礎文法を勉強する時間を少し増やすという調整をすることは問題ありません。
基礎文法は複数の文法事項を確認するのではなく、例えば「名詞」であれば、名詞のみについて徹底的に知るようにしましょう。
また、説明が多い文法事項の場合には、数日に分けて学習することも良いですし、忘れたころに振り返って見直しをするとより効果的です。
語彙力強化は、短時間で集中して予め決めた数を覚えるようにしましょう。
無理をして1日100語覚えようとするより、1日10語ほど時間をかけて覚えた方が、間違いなく記憶に残ります。
そして、TOEICの各Partを知り、注意点や解答のコツを意識しながら問題を解くことに多くの時間を割くことで、実践的な練習の機会を得ることができます。
3. TOEIC初心者がつまずく3つのポイントと攻略法
TOEIC初心者には、必ずといって良いほどつまずく3つのポイントがあります。
これは筆者が長年TOEICを教えて来てほぼ全てのTOEIC初心者が直面してきたものです。
3-1. TOEICで結果が出ず心が折れそうになる
TOEICは上がる時は一気に100点くらいスコアが上がることもありますが、頑張ったにもかかわらず、下がってしまうこともあります。
もちろん頑張ったのに点数が下がってしまえば、心が折れそうになるのは自然です。
しかし、100点上がる時もあれば、少し下がってしまうこともあります。
試験時の体調がよくなかったり、何かがあって集中力が低下してしまうことだってあります。
その回の試験で、受験者にとって苦手に感じる問題が多く出たということもあります。
大切なことは、TOEICのスコアで一喜一憂しないようにすることです。
仮に期待した結果が出なくても、自信を失うようなことが無いようにしましょう。
しっかりと「時間」と「努力」を重ねれば、少しずつ結果も出るようになります。
もしスコアが下がったら何が足りなかったのか原因を考え、そこから次の試験に向けて仕切り直すようにしましょう。
3-2. TOEIC学習がマンネリ化して楽しいと思えなくなる
TOEIC初心者がつまずくポイント②は、学習がマンネリ化しているように感じてしまうことです。
毎日同じルーティンで学習をしていると、楽しいと思えなくなる時が必ず来ます。
そのような時に重要なことは、いつもと少し異なることを行い、自分自身の知識が増していることを確認することです。
筆者がおすすめする方法は、YouTubeや動画配信サイトを利用することです。
YouTubeを使う方法は、例えば文法を学んだら、その文法事項を説明しているYouTubeの動画を見つけて観ます。
その内容は学んでいるので、動画内の説明もすぐに理解できるでしょう。
中には、次に何を説明するかが予測できてしまうこともあるかもしれません。
いつもとは少し異なることを行い、学習していることがしっかりと身に着いていることが分かると楽しいと思えるようになります。
また、動画配信サイトで英語の動画を観て、字幕の助け無しで話している内容が少しでも分かれば、それも楽しいと思うきっかけになります。
少しマンネリ化してきたと感じた場合、机から離れていつもとは違うことを行うと良いでしょう。
3-3. 自分には語学センスがないと思ってしまう
TOEIC初心者がつまずくポイント③は、自身の語学センスを疑うということです。
物事を理解して吸収する速度に個人差はあります。
しかし、「語学センス」の欠如でTOEICのスコアが上がらないというのは100%都市伝説です。
もし何かが足りていないのであれば、それは「基礎文法」「語彙力」「TOEICに関する知識」です。
正しい勉強法+時間+努力=TOEICの目標スコア
この方程式は誰にも平等です。
結果がでない時やつまずいた時は「語学センスが。。。」と思ってしまう気持ちは分かりますが、そのようなものは関係ないと言い聞かせるようにしましょう。
4. まとめ
TOEIC初心者は何をどうしたら良いのか分からない部分が多く、学習する上で不安に感じることも多いと思います。
しかし、まずは今回お伝えした「基礎文法の理解」、「語彙力強化の習慣化」、そして「TOEICの各Partを知る」という3つのポイントをおさえるよう意識しましょう。
目標を600点に設定した場合、TOEIC初心者の方は、200~300点上げる必要があるかもしれません。
しかし、まずは400点、そして500点、最後に600点のように段階的な目標を設定し、それに必要な学習時間を理解して、効果的な学習法で努力を続けることで、必ず目標を達成できる日を迎えることができます。
つまずきそうになる時は必ず来ますが、自分を信じて学習を継続し、最後は笑顔になれるよう頑張りましょう。
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