先読みで苦手を克服!TOEIC Part4対策・勉強法を満点講師が伝授

TOEIC Part4は、音声で流れる情報を聞くことはもちろん、問題冊子に印字されている設問や選択肢も読む必要があり、やることが多く、Part3と並んで難しいPartと言えます。

 

この記事を読んでいるあなたは、音声を聞くだけでも大変なのに、どうやって設問を先読みしてPart4を解いていけば良いのか分からないと思っているのではないでしょうか。

 

Part4を解くためにまず必要なことは、Part4の問題形式と説明文の種類を知り、先読みの正しいやり方を理解することです。

この記事を読むことで、Part4に関する情報の整理方法、そして先読み初心者でも先読みのやり方が分かるようになります。

 

TOEICは満点だけど、先読みは意外と苦手で試行錯誤を重ねてきた筆者が実体験をもとにアドバイスするので、その効果は間違いありません。

 

TOEICリスニング全体の時間の使い方については、TOEICリスニングの賢い時間の使い方【解答の流れと先読みのタイミング】も参考にしてください。

 

 

この記事の内容

1. TOEICリスニングセクションPart4の問題形式

2. TOEIC Part3とPart4の似ている点と異なる点

3. TOEIC Part4初心者でも分かる先読みの方法

4. TOEIC Part4が聞き取れない場合のお勧め勉強法

5. 先読みをマスターしてTOEIC Part4でスコアアップ!

 

 

1. TOEICリスニングセクションPart4の問題形式

まずはTOEIC Part4で、どの様な形式の問題が出題されるか確認してみましょう。

 

1‐1. TOEIC Part4の問題数と形式

TOEIC Part4には設問が30問あります。

音声は必ず10個あり、各音声に関する設問を3問ずつ答える必要があります。

 

音声は全て説明文で、1人の人物が話しているものです。

1人の人物が話しているので、Part3の会話と違って、その人が言っていることを聞けば良いという意味では楽かもしれません。

 

出題される設問は、下記のようなパターンに分かれています。

これらの内容を理解するだけでも、必要な情報を拾うヒントになります。

 

1. 推測問題

2. 内容把握問題

3. 次回の行動問題

4. 話し手の意図問題

5. 図表問題

 

それぞれについて例文をふまえてみていきましょう。

 

1. 推測問題

Most likelyという表現などを用いて、説明文全体から話し手や話題について質問する問題。

Who most likely is the speaker? など

 

2. 内容把握問題

説明文内の具体的な内容に関する問題。

Why does the speaker thank the listeners?

What does the speaker want to confirm? など

 

3. 次回の行動問題

次に行われるであろう行動の問題。

What will the speaker do next? など

 

4. 話し手の意図問題

話し手が言った事のニュアンスや真意を正確に理解する問題。

Why does the speaker say, “You can’t miss it.”? など

 

5. 図表問題

“Look at the graphic.”と書かれている設問が図表問題。

答えやヒントがそのまま出て来るものもある。

図表と音声の情報を基に、求められた情報を探す問題。

 

以上が5つの設問の種類です。

設問を読む際に、その設問がどの種類の問題か理解することで、説明文全体から答えを見つけるべきか、または一部分を聞いて答えられるものかが分かるようになります。

 

1‐2. TOEIC Part4の説明文の種類

Part4では、説明文の種類を予め理解することも大きなヒントになります。

 

そのためには、各説明文の冒頭で流れる”Questions 71 through 73 refer to the following advertisement.”のアナウンスをしっかり聞き、これから流れる説明文は”advertisement(広告)”だ、と理解しておくことが大切です。

 

よく出題される説明文の種類は下記の通りなので、日頃からこの様な説明文を聞いておくと良い準備になります。

 

● Advertisement(広告)

● Announcement(アナウンス・お知らせ)

● Broadcast(放送)

● Excerpt from a meeting(会議の一部)

● News report(ニュース報道)

● Radio broadcast(ラジオ放送)

● Recorded message(自動音声メッセージ)

● Talk(話)

● Telephone message(留守番電話)

 

2. TOEIC Part3とPart4の似ている点と異なる点

ここでは、Part3とPart4の似ている点と異なる点を見て行きます。

 

2-1. Part3とPart4の似ている点

Part4はPart3に似ている点が多くあります。

出題形式は、1つの説明(Part4)または1つの会話(Part3)に対して3つの設問があるという全く同じ形です。

これは学習者にとってはとてもありがたいことで、どちらも設問の先読みをして、音声を聞いてから答えを見つけるという解答の流れが同じなので、この2つのPartの解答手順に関する対策は一緒に行えるということになります。

 

また、問題の種類も同じなので、対策はし易くなっています。

Part4では、下記の5つの種類の問題が出題されると書きました。

 

1. 推測問題

2. 内容把握問題

3. 次回の行動問題

4. 話し手の意図問題

5. 図表問題

 

Part3でもこれらの問題が出題されますので、これらがどの様な文言で出題されるか確認しておくと良いでしょう。

 

2‐2. Part3とPart4の異なる点

Part3とPart4の異なる点ですが、まず一番の違いは当然ですが音声の内容です。

Part3は会話でPart4は説明文ですが、Part3の会話は2名または3名によって行われるものなので、途中で話者が変わるため、声も変わり、英語の発音もアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリアの中で変わることもあります。

それに対してPart4は、1人の話し手が最初から最後まで話すため、声や英語の発音が変わることはありません。

 

Part3はそれぞれの人物の発言が比較的短いので、内容を理解し易いと感じたり、設問によっては誰の発言の中に答えやヒントが含まれるかが分かる場合もあり、声や発音が変わることで、答えを見つけ易くなる可能性もあります。

一方、Part4は、1人の人物が話すため、聞き慣れている英語であれば情報を聞き取りやすくなり、且つ誰の発言に注意をしなければならないといったことを考える必要もないので、集中はし易いと言えます。

 

もう1つPart3とPart4で大きく異なる点は、話される英語です。

どういう意味かというと、Part3の会話は、同僚同士や店員と客などの会話が中心になっています。

よって、口語表現が多く使われています。

それに対してPart4はアナウンスやニュースといった不特定多数の人達に向けたものが多く出題されるため、Part3の会話より硬い英語が使われることが多いです。

よって、会話と説明文の両方に慣れておく必要があります。

 

Part3とPart4には似ている点と異なる点がいくつかありますが、それらを理解した上で、同時に出来る対策と別々に行う必要がある対策をしっかりと行っていくようにしましょう。

 

Part3の詳しい情報に関しては、TOEIC Part3スコアアップのコツと勉強法【聞き取れる秘訣】をご覧ください。

 

3. TOEIC Part4初心者でも分かる先読みの方法

Part4で点数を上げるために、出来るようになる必要があるのが「先読み」です。

この先読みとは、説明文の音声が流れる前に、先に設問(人によっては選択肢も)を読むことです。

これを行うことで、どの様な情報を音声から聞き取る必要があるか、ある程度絞ることが出来るので、音声を聞いて全ての情報を覚える必要が無くなります。

 

ここでは、先読みをこれから習得したいという人、または先読みは知っているがうまく出来ないという人向けにやり方を紹介します。

 

Step 1

Part3が終わり、Part4が始まる際には、Directionsといって、Part4に関する簡単な説明が流れます。

この時間を使って、問71から73の3問を先読みします。

 

下記に設問の例がありますが、設問が短い場合もあれば、少し長めの場合もあります。

まだ早く英文を読めない場合、無理をして選択肢まで読むよりは、設問を読むことに集中して、必要な情報を理解するようにしましょう。

 

設問を読む際は、英文を完璧な日本語に訳さないことで時間をかけずに済みます。

まずは問71の設問を読んでみてください。

 

71. When will the seminar be held?

A) This afternoon

B) Tomorrow

C) Next week

D) In two weeks

 

このWhen will the seminar be held?ですが、これを読んで、「セミナーはいつ開催されるでしょうか?」と完璧な日本語訳にしていると、それだけでも英語で理解するより数秒多く時間がかかってしまいます。

 

設問の中の必要な情報を頭に入れる際のポイントは、キーワードを覚えることです。

When seminar held? または When seminarだけで十分です。

 

理想は英語のキーワードで覚えることですが、最初は日本語の方が覚えられる場合、「いつ セミナー」程度で覚えるようにしましょう。

 

しかし、慣れてきたら、徐々に英語で覚えるよう意識しましょう。

また、キーワードは、主にWhの疑問詞、主語(名詞)や動詞を中心に覚えると良いでしょう。

 

STEP 2

問71を読み終えたらすぐに問72に移ります。

 

72. What is the main purpose of this announcement?

A) To report a change

B) To suggest a hotel

C) To give directions

D) To outline an agenda

 

What is the main purpose of this announcement? という質問ですが、この様に目的を尋ねる問題は頻繁に出題されます。

その際の合図として、main purpose(主な目的)という言葉が使われます。

これが出て来たら「目的」とすぐに分かるようにしましょう。

 

thisの後に続くannouncement(アナウンス)は、説明文の種類によって変わりますが、必ず流れている説明文のことを指すので、覚えておく必要はありません。

 

STEP 3

問72を読み終えたら、またすぐに次の設問を読みます。

 

73. What is the topic of the seminar?

A) Forming professional relationships

B) Recruiting qualified employees

C) Establishing a business online

D) Maintaining computer equipment

 

What is the topic of the seminar?という質問ですが、こちらも読んだ瞬間にキーワードを見つけます。

Wh疑問詞のWhatとtopic, seminarがキーワードです。

Whatは多くの場合覚えなくとも問題はありません。

topic seminar? または、セミナーのトピック/話題/テーマ(覚えやすいものでOK)?と覚えれば問題ないでしょう。

 

STEP 4

Directionsが終わるまでに問71から73までを読み、説明文が流れ始めたら聞くことに徹します。

この際に、3つの設問の内容を思い出しながらヒントや答えを見つけるよう聞きましょう。

また、時折例外もありますが、ほとんどの場合、3問のヒントや答えは設問の順番通りに流れることも覚えておきましょう。

 

1問目のヒントや答えを聞き逃してしまうと1問も答えないうちに説明文が終わってしまうということもあります。

これを避けるために、1問目のキーワードをしっかりと頭に入れて聞くと同時に、2問目と3問目のキーワードも頭の片隅に入れながら聞くようにしましょう。

それによって、仮に1問目を聞き逃した場合でも、2問目のキーワードが聞き取れれば、もう先に行ってしまったことに気付き、2問目と3問目の解答を見つけることに切り替えることができます。

 

STEP 5

説明文が流れたら、その直後に3つの設問が読まれます。

また、設問と設問の間は約8秒あります。

この時間を使って、すぐに選択を見て、出来るだけ素早く正しい選択肢を見つけます。

 

その際に、選択肢を一語一句読んで訳していてはほぼ間違いなく時間切れになります。

ここでは選択肢のキーワードを素早く拾って、音声の中で聞いたヒントや答えと同じ、または関連性のある単語が含まれている選択肢を選びましょう。

 

合致するキーワードは多い方が良いので、出来るだけ多くキーワードを拾えるようにすることも大切です。

正しい答えが見つからない場合には、1つ選択肢を選んで次へ行きましょう。

リスニングに関しては、後で戻っても正しい答えを見つけられる可能性はほぼゼロなので、気持ちを切り替えて、次の問題で正解できるようにすることが大切です。

 

STEP 6

3つの正しい選択肢を選び終わったら、次の音声が始まるまでの残りの時間で、次の3つの設問をSTEP1からSTEP3を繰り返す形で行います。

ここからが本当の時間との勝負になりますが、最初のうちは3つの設問全てを先読みすることはとても難しいと感じるでしょう。

 

この様な場合には、3つ読めたら儲けものだと思い、1つでも2つでも読むことから始めましょう。

3つ読めなかったからといってそれ以降の問題に影響がないようにすることがとても大切です。

「最初から上手には出来ないのは仕方ない」という気持ちで、先読みの練習を日頃から行うようにしましょう。

 

このステップに慣れることで、徐々に3つ全ての設問を読めるようになり、ある程度選択肢も先に読めるようになります。

焦らず、努力を継続しながら先読みができるようにしましょう。

 

 

4.  TOEIC Part4が聞き取れない場合のお勧め勉強法

Part4で点数を取るためには当然ですが、英語力が必要です。

ここではPart4のスコアアップに役立つお勧め勉強法を3つお伝えします。

 

4-1. Part4勉強法❶ 速読

Part4で点数を取るためには先読みは必須です。

そして、その先読みが出来るようになるために大きく役立つのが速読です。

英文を素早く読む練習をすることで、最初は設問のみ読んでいたものが、選択肢も読めるようになってきます。

また、設問が読まれている間に正しい選択肢を見つけ、次のセットの設問3つを読むということは時間との勝負になり、上手くいかないと焦ってしまいます。

しかし、速読が出来るようになると、早く読めることで、この時間にも少し余裕がでてきます。

 

速読の詳しい実施方法に関しては、TOEIC Part7を時間内に解く!速読のコツとトレーニング法に詳しく書かれています。

こちらはPart7対策としてPart7の文書、設問、選択肢を使って速読する方法をお伝えしていますが、これができればPart4にも効果はあるので、是非試してみてください。

 

4-2. Part4勉強法❷ 音読とシャドーイング

Part4が聞き取れないという悩みを抱えている場合、お勧めの勉強法は音読とシャドーイングです。

リスニングにおいては、これに勝る勉強法はほぼないと言っても良いでしょう。

 

英語を聞き取れる耳と脳にするまでには時間がかかりますが、これを継続することはPart4だけで無くTOEICのリスニングセクション全体で効果を発揮します。

 

また、声に出して練習することで、スピーキングの力も上がります。

私の知り合いで、海外に住んだことが無いにも関わらず、ラジオ英会話で聞くようなとても綺麗な英語を話されている方がいます。

その方は毎日ラジオ英会話を使って音読とシャドーイングすることで、全く同じように話すことができるようになったのです。

 

音読とシャドーイングの方法は、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは!?】で詳しく説明しています。

 

4‐3. Part4勉強法❸ 動画サイトの活用

3つ目のお勧め勉強法は、動画サイトを活用することです。

英語力を上げるためには、継続がポイントです。

そして継続するためには、楽しいと思える要素が必要です。

動画サイトを活用することは、まさにこの楽しいという要素を含んだ勉強法です。

 

例えばYouTubeには、日本語の動画が毎日追加されますが、英語の動画はその数の比にならないくらい多く追加されています。

その中には1人の人物が話している動画が沢山あります。

これらを日々聞くことで、Part4で必要な英語力を上げることができます。

しかも通勤や休憩、就寝前などのちょっとした空き時間で観ることができるので、「勉強するぞ!」と気合いを入れなくとも行うことができます。

 

動画の選び方や学習方法のポイントですが、下記を意識することをお勧めします。

 

● 動画の長さは10分くらいまで

● 興味がある内容の動画を観る(ただし、スラングや汚い言葉が多いものは除外する)

● アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア英語の動画を選ぶ

● 最初の数回はとりあえず何も調べずに観て言葉の意味などを推測する

● 数回観た後に字幕があれば字幕で分からない単語などを確認する

● 同じ動画をストレス無く理解出来るまで繰り返し観る

● 慣れて来たらシャドーイングも入れる

 

YouTubeのような無料動画サイトを使えば、パソコンやスマホとネット環境を用意するだけで、費用を抑えながら、常に新しいコンテンツを観られます。

是非試してみてください。

 

また、TOEICリスニング対策におすすめの参考書について、TOEICリスニング参考書【初心者におすすめの全般・Part別対策を厳選】で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

 

5.  先読みをマスターしてTOEIC Part4でスコアアップ!

Part4の出題形式はPart3と同じのため、対策もほぼ同じです。

先読みをして音声を聞き情報を限られた時間で見つけなければならないことは簡単ではありません。

しかし、Part3とPart4の対策が出来るようになれば、リスニングセクションの点数を間違いなく上げることができます。

その意味では、この2つのPartの対策が一緒に出来ることはとても良いことです。

 

少しずつ先読みに慣れ、おすすめの勉強法を参考にしながらリスニング力を向上させて目標の点数を取りましょう。

 

TOEICリスニング対策については、TOEICリスニング練習問題に挑戦!各Partの解答テクニックも伝授もあわせて参考にしてください。

 

》【Part別の対策をマスター】モバイックの無料体験レッスンはこちら

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