あなたは英検2級がTOEICでは何点になるかご存知ですか?
英検2級は持っているけど、TOEICを受けると何点くらい取れるのか、またはTOEICでは何点を目標に勉強していくべきなのか、気になりますよね。
この記事では、英検2級はTOEICでは何点くらいのレベルなのかについて解説します。
英検とTOEICの違いを理解することはもちろん、英検2級保持者にTOEICは必要なのかといった情報も分かり易くお伝えします。
英検1級とTOEIC満点を保持している筆者が、実際に両方を取得して経験したことや感じたこともお伝えします。
※この記事では、TOEIC Listen & Reading TestのことをTOEICとしています。
記事の内容
1. 英検2級はTOEICに換算すると何点になるの?
英検2級をTOEICに換算した場合の点数は、550点~600点程度です。
日本英語検定協会や国際ビジネスコミュニケーション協会から英検とTOEICの換算表等のデータは公表されていませんが、公表されているそれぞれの試験に関するデータを参考にすると、このくらいのTOEICの点数になります。
ただし、こちらは後程詳しく説明しますが、英検とTOEICでは試験の構成はもちろん、評価される技能や評価方法(英検は級の合否、TOEICは点数)も異なるため、英検2級を持っていたら、必ずしも550点から600点の間の点数が取れるという訳ではありません。
TOEIC600点のレベルについては、TOEIC600点のレベルとは?600点を取るべき理由と勉強法を参考にしてください。
2. 英検2級とTOEICの違いは何?
ここでは、英検2級とTOEICの違いが何なのかお伝えします。
この2つの試験には大きな違いがあるので、その違いを見てみましょう。
2-1. 英検2級とTOEICは測定する技能が違う
英検2級とTOEICの一番の違いは測定技能にあります。
英検2級は、一次試験に合格すると二次試験を受けることができます。
一次試験ではリーディング、ライティングとリスニングの3つの技能を測定し、二次試験の面接まで進んだ場合、スピーキングを含んだ4技能全てを測定することになります。
一方TOEICはリスニングとリーディングのみを測定するため、測定する技能において大きな違いがあると言えます。
TOEICでも、4つの技能を全て測定することは可能ですが、そのためには、TOEIC Listening & Reading Testに加え、TOEIC Speaking & Writing Testという別の試験を受ける必要があります。
このように測定する技能が異なるため、勉強法も異なります。
文法の復習や語彙力を増やすことは共通して必要ですが、英検2級を受けるためには、4技能全てを伸ばす必要があるのに対し、TOEICはリスニングとリーディングの2つの技能を伸ばすことが必要となります。
2-2. 英検2級とTOEICは試験の形式が違う
測定する技能が異なるため、当然ながら英検2級とTOEICは、試験の形式も異なります。
下記で、2つの試験の形式の違いを確認してみましょう。
英検2級の形式
(日本英語検定協会 2級の試験内容参照)
英検2級の試験は、一次試験で上記の3つの技能を測定します。
問題数は69問で、筆記は85分、リスニングが約25分の合計約110分となっています。
英検2級の問題形式で特徴的なのが、ライティングで英作文をする必要があることです。
英検2級では、英文を正しく作って書くことができるかも確認されます。
問題数はそこまで多くありませんが、英作文が入っているため、英検2級にギリギリ合格できる英語力をお持ちの方は、時間的な余裕はないと言えます。
また、一次試験合格者は、約7分の面接形式の二次試験を合格して初めて英検2級に合格となります。
私も英検を受けたことがありますが、個人的には一次試験から二次試験まで約1カ月空くのがとても嫌だったことを覚えています。
できれば4つの技能を全て同じ日に行ってくれたらと思いましたが、受験者が多すぎて現実的ではないのでしょう。
英検2級の話題は、職場での話題も含まれますが、多くが日常的、学校関連の話題となっています。
多くの学生が受験するためそのようになっていると言えます。
次にTOEICの形式を見てみましょう。
TOEICの形式
(国際ビジネスコミュニケーション協会 テスト問題の構成参照)
TOEICは上記の通り、リスニングセクションとリーディングセクションに分かれており、合計200問を120分で解くという試験です。
英検2級のように記述式の問題はなく、ひたすら3択または4択問題から正しい選択肢を選び、マークシート上にある丸を埋めていきます。
時間は120分と英検2級より10分ほど長いのですが、問題が200問あるため、上級者でも試験を最後までしっかりと考えて解くことが難しくなっています。
Part3の会話問題とPart4の説明文問題は、英検2級のリスニングパートに似ていますが、TOEICにはPart1の写真を見て正しい描写文を選ぶ問題、そして短い質問、または文章を聞いて正しい応答を選ぶPart2があります。
リーディングセクションに関しては、問題数は異なりますが、形式は2つの試験は似ていると言えます。
ビジネスにおける英語力を測るための試験と位置づけられていることから、TOEICの話題は日常的なものもありますが、ビジネスの話題が多くなっています。
社会人の受験者が多いことは、これが大きく関連していると言えます。
これは余談ですが、英検1級とTOEIC満点を持っていると、社会人からはTOEIC満点の方が「すごい」という反応を多く受けます。
ただし学生にはやはり英検1級の方が良い反応があり、むしろTOEICのことはあまり知らないということが多くありました。
以前英会話学校に勤務していたころは、英検1級で9,000円、TOEIC満点で5,000円毎月の給与にプラスされていましたので、その会社では英検1級の方が少し高く評価されていたようです。
私個人としても、「1級」や「合格」という言葉、そして二次試験の面接もあり、4技能全てが測定される英検1級を合格した時の方が、TOEICで満点を取った時よりも嬉しかったことを覚えています。
3. 英検2級合格者にTOEICは必要?
さて、英検2級をTOEICに換算した場合の点数と英検2級とTOEICの違いについてお伝えしましたが、英検2級を持っている人にTOEICは必要なのでしょうか。
3‐1. 英検2級を持っている高校生はTOEICがおすすめ
もしあなたが高校生で英検2級を持っているのであれば、次はTOEICで高得点を目指すことをお勧めします。
準1級や1級を目指すのも素晴らしいことですが、例えば上智大学の英語学科のように、高い英語力が必要とされる学科に入学したいということでない限り、英検2級を持っていれば十分です。
TOEICも特定の点数を持っていると、推薦入試で有利になったり、入学した後で単位認定されることもあります。
よって、英検2級を持っている高校生には、次はTOEICで高い点数を目指すことがお勧めです。
大学で評価されるTOEICの点数については、TOEIC500点レベルは役に立つ?【気になる就活・仕事での評価を解説】、TOEIC650点レベルとは?大学・就職の評価とスコア別勉強法をご参照ください。
3‐2. 大学生と社会人はTOEICを受けるべき
大学生と社会人の場合、英検よりもTOEICの点数を上げることに集中しましょう。
大学生は、TOEICで高い点数を取ることで就職活動を有利に進めることができ、社会人は多くの会社で設定されている特定の点数を取ることで、昇進や昇給につなげることができます。
国際ビジネスコミュニケーション協会が公表している2019年度の最新データによると、新入社員のTOEIC平均スコアは488点、内定者は547点となっています。
これらの数字から、大学生のうちに最低でも内定者平均の547点を取ることは必須と言えます。
より目立つためには、これより上の点数を取る必要があります。
英検2級に合格できているのであれば、TOEICで550点から600点程を取る英語力を持っていると考えられます。
よって、TOEICの形式に慣れることができれば、内定者平均の547点以上を取ることも難しくはありません。
こちらについては、TOEIC600点は就職・就活に役立つ!?【企業・職種別スコア有】をご参照ください。
4. 将来的に活かせる試験はTOEIC
英検2級とTOEICを比較した場合、今後に活かせる試験はTOEICです。
現状では、英検2級は大学入試に役立つようになっていますが、就職で威力を発揮するTOEICも、徐々に大学入試や単位取得でも活用されるようになってきています。
もしあなたが中高生で英検2級に受かっている場合、準1級を目指すということも良いでしょう。
しかし、今後はTOEICが大学でより評価される時代が来ると考えられるため、特に高校生は、英検の準1級以上を目指すのも良いですが、同時に、TOEICを受験することも強くお勧めします。
早いうちにTOEICに慣れて高い点数を取ることで、大学受験、就職活動、そして昇進等を有利に進めることができるようになります。
しかし、大学生と社会人は、英検で評価されることは少ないため、TOEIC一択と言えます。
下記の記事を参考にTOEIC対策に取り組み、スコアアップを目指しましょう!
リスニング対策については、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】、リーディング対策については、これで迷わない!効果抜群のTOEICリーディング対策と時間配分をご覧ください。