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TOEIC満点はどんなレベルなのか、疑問に思っていませんか?
TOEICで満点を取ることは、帰国子女や留学経験者でないと不可能に近いと思われているかもしれません。
しかし、実際に様々な人がTOEICで満点を取っているので、目指すべきレベルや難易度を理解すれば、簡単ではないものの、実現可能な点数だと思えるはずです。
TOEIC満点の人がどのようなことが出来るのかという特徴を知り、現在のレベルとのギャップを埋める努力をすることで、少しずつ満点への道が見えてきます。
この記事では、TOEICで満点を獲得することのメリットと難易度、そして満点を取るために必要なスキルと勉強時間の目安を知ることができます。
実際にTOEIC満点を複数回取っている英語講師の筆者が、自身の経験や感覚なども含めてお伝えします。
この記事の内容
3. TOEICで満点を取るために必要な勉強時間【スコア別】
1. TOEICの点数が満点だとできる3つのメリット
TOEIC満点を取る人はどのような英語力を持っているのか、また、満点を取ることが就職や転職にどう有利に働くかを見てみましょう。
1‐1. TOEIC満点の会話力(リスニング・スピーキング)
TOEICで満点の英語力を持っていると、英語が必要な場面において、一般的には、全く問題なく対応できると考えられています。
実際にTOEICで満点を持っていると、どのくらい会話が出来るのかを見ていきましょう。
TOEICを運営するIIBCのサイトに、「現在のスコアで出来ること」、そして「目標のスコアに到達した時に出来ること」を比較する「目標設定お助けツール」があります。
このツールでTOEIC満点が「できること」を見てみると、会話をする上で必要不可欠なリスニングでは、下記が表示されます。
TOEIC満点レベルがリスニング(聞く能力)で出来ることの例:
● 自分の業務に関連する議論の流れ、結論の理由が理解できる。
● 自分の専門分野での発表やプレゼンテーションの後に行われる質疑応答のやりとりを聞いて理解できる。
● 英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
● CNN等のテレビニュースを聞き、内容(どこで何が起こったのか)を理解できる。
(参照:国際ビジネスコミュニケーション協会 目標設定お助けツール)
日常会話はもちろん、自身が専門とする業務を聞き取ることが出来ます。
また、CNNのような難易度が高いニュース番組も、詳細まで全てを理解することは難しいですが、大まかな内容(どこで何が起ったのか)は理解できるレベルにあります。
よって、かなり高いリスニング力を持っていると言えます。
次に、スピーキング力はどうでしょうか。
ご存じの通り、TOEIC L&Rではスピーキング力を測ることは出来ませんが、リスニング力から大体のスピーキング力を理解することは出来ます。
TOEICで満点を取った場合、スピーキング力もかなり高いレベルにあります。
専門分野に関しては議論することも可能なレベルになり、海外での日常会話や仕事で必要な英語では大きな問題はないレベルと言えます。
よって、TOEICで満点を持っていれば、「英語をマスターした」というには十分な会話力を持っていると証明することが出来ると言えます。
ただしこれには個人差があり、また、満点レベルだからと言って、CNNのニュースと同じレベルで話すことは難しい場合が多いです。
TOEIC満点の筆者の個人的な意見を補足として述べると、TOEICで満点を取った場合でも、自身の英語力に満足できない方もいると考えます。
それは、どれだけ英語力を高めても、更にレベルの高い英語に触れる機会が増えるため、自身の英語力が足りていないことを実感するからです。
しかし、日本で英語を使って仕事をする上では、TOEICで満点を取れれば十分な会話力を持っていると言うことができます。
1‐2. TOEIC満点の読み書きレベル(リーディング・ライティング)
TOEICの点数で満点を取った場合の読み書きのレベルについても見ていきましょう。
これも会話力と似た傾向にあります。
まずは、TOEIC満点取得者がリーディングで出来ることを、「目標設定お助けツール」を参考に見てみましょう。
TOEIC満点レベルがリーディング(読む能力)で出来ることの例:
● 自社製品の販売に関する契約書類を、読んで理解できる。
● 「Time」や「Newsweek」といった雑誌の記事を読んで内容を理解することができる。
● 「lnternational Herald Tribune」、「Financial Times」等一般的な国際英字新聞の記事を読んで、大まかに理解できる。
● 自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
● 対立する2つの政党の政治家を取材したインタビュー記事を読み、両者の考え方の相違がどういった点にあるか識別することができる。
(参照:国際ビジネスコミュニケーション協会 目標設定お助けツール)
これらの事例からも分かる通り、かなり難易度の高いレベルで読めることが分かります。
特に最後の「政治家をインタビューした記事を読んで理解できる」ということは、ほぼどのような内容の文書を読んでも理解できるということが言えます。
それでは、TOEICで満点を持っている場合、ライティング力はどのくらいなのでしょうか。
先ほどの「リスニング」と「スピーキング」のように、アウトプットは、インプットより難しい傾向にあります。
これはリーディングとライティングでも同じ傾向にあります。
上記のような難易度が高い記事や契約書を理解出来るリーディング力を持っているTOEIC満点取得者でも、そのような文書を同じレベルで書くことは、ライティングの訓練をしていない限り、難しいと言えます。
しかし、業務で必要な報告書や、自社の商品に関する説明を書くことが出来るライティング力は持っているため、TOEIC満点を持っていれば、特に日本国内で仕事をする上では十分なリーディング力とライティング力があると言えます。
また、こちらも筆者の感覚ですが、TOEICで満点を持っていても、触れる単語や表現の難易度が増し、英語で文書を書く際にも、英語特有の言い回し等が思い浮かばないことや、難易度の高い構文が瞬時に出てこないこと等があるため、完全に満足出来るレベルではないと感じる方もいると考えます。
1‐3. TOEIC満点は就職・転職に有利!
では、TOEICで満点を取った場合、就職や転職でどれだけ有利になるのか見てみましょう。
就職や転職で最低限必要なTOEICの点数は、600点と言われています。
もちろん業種や職種によって700点や800点という点数を基準としている場合もありますが、就職活動では「600点以上が取れたら履歴書に書ける」と言われています。
詳しくは、TOEIC600点は就職・就活に役立つ!?【企業・職種別スコア有】をご覧ください。
では、就職や転職、または昇進等でTOEIC600点以上を求める企業をいくつか見てみましょう。
TOEIC600点以上
日立製作所(総合職2年目社員)
NEC(全社員)
住友商事(総合職)
TOEIC700点以上
NTT東日本
東京電力
ファーストリテイリング(本部管理職)
TOEIC750点以上
日本IBM(次長)
三井物産
三菱商事
TOEIC800点以上
日立製作所(経営幹部)
住友不動産
三井住友銀行(総合職の努力目標)
TOEIC860点以上
富士通(海外出張)
三菱商事(社内留学)
TOEIC900点以上
松下電器(国際広報担当)
これらのスコアからも分かる通り、企業によっては、かなり高いTOEICスコアを求められることが分かります。
しかし、TOEIC満点の990点を取っていれば、すべての条件を余裕で満たすことができます。
TOEICで満点を取っていれば、就職や転職でかなり有利になると言えます。
特に就職活動の時点でこの点数を持っていれば、まだ若いということもあり、とても重宝される人材として見られる可能性が高くなります。
2. TOEICで満点を取るために必要な5つのスキル
TOEICで満点を取るためには、多くのことが出来るようにならなければなりません。
特に必要なスキルは下記の5点です。
1. リスニング力(聞く力)
2. リーディング力(読む力)
3. 単語の知識
4. 文法の知識
5. TOEIC各Partの解答技術
2-1. TOEIC満点に必要なリスニング力
リスニンング力は、単に英語を多く聞くだけでは上がりません。
音読やシャドーイングでしっかりと声に出して練習し、英語の音や速度に慣れる必要があります。
音読を行えば、TOEICのPart1からPart4までの点数を上げるだけでなく、英語を話す力も同時に上げることが出来ます。
音読の方法については、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】をご覧ください。
2-2. TOEIC満点に必要なリーディング力
リーディング力は、TOEICの後半のリーディングセクションで大変重要です。
リーディングセクションでは、多くの英文を読む必要があります。
特にPart7では、1~3つの文書に関する設問が登場するため、満点を取るためには、これらの文書の内容を正確に理解しつつも、素早く読み進めることが必要です。
リーディング力を鍛えるためには、精読で英語の文書を理解できるようにしつつ、速読で素早く読めるようにすることが有効です。
精読の方法に関しては、TOEIC Part7 対策はこれ!知っておくべき精読とは?を、
速読の方法に関しては、TOEIC Part7を時間内に解く!速読のコツとトレーニング法をご覧ください。
2-3. TOEIC満点に必要な単語の知識
また、TOEICの点数で満点を取るには、多くの単語を知っている必要があります。
すべてのPartを正確に理解するには単語の知識が大切ですし、特に語彙問題が登場するPart5では、単語の知識がなければ問題を落としてしまい、満点が遠のいてしまいます。
単語の知識を増やすために有効な単語帳については、TOEICスコアアップにおすすめの単語帳【レベル別・使い方も伝授】で紹介しているので、ぜひご覧ください。
2-4. TOEIC満点に必要な文法の知識
そして、文法の知識がなければ、TOEIC満点という目標を達成することは出来ません。
文法の知識が十分でなければ、英文を読んでも意味を正しく理解できないことはもちろん、Part5で多く登場する文法問題の正解を見つけることも出来ません。
まずはしっかりと基礎文法の見直しを行い、曖昧に覚えているものはないか確認してから、複雑な文法も理解できるようにしましょう。
文法学習でおすすめの文法書に関しては、【2020年最新】TOEIC文法のスコア別おすすめ参考書5選をご覧ください。
2-5. TOEIC満点に必要な各Partの解答技術
最後は、TOEIC各Partの解答技術です。
英語力が高くても、TOEICを効率的に解く方法を知らない場合、本来の実力より50点〜100点程、点数が低くなってしまう可能性が十分にあります。
TOEICで満点を取るためには、当然ながら5点を落としても到達できないため、効率的にTOEICの設問を解く方法を知り、実行できる必要があります。
TOEIC各Partの解答のコツに関しては、TOEIC全Partの総まとめ【対策・勉強法・参考書・練習問題】をご覧ください。
このように、TOEICの点数で満点を取るためには、多くのスキルが必要です。
今回ご紹介した5つは必要不可欠なポイントですので、しっかりと対策を行って満点を目指しましょう。
3. TOEICで満点を取るために必要な勉強時間【スコア別】
何か目標を立てる際、方法も大切ですが、目標達成までに必要な時間を知ることも大切です。
「TOEICで満点を取る」という目標を立てる際も、これは例外ではありません。
現在の点数を知り、満点を取るために必要な勉強時間を知ることで、どういった学習にどれだけの時間をかけるべきかが分かるので、学習スケジュールが立てられるようになります。
それでは、現在のスコアから満点を取るために必要な勉強時間はどれくらいか確認しましょう。
下記の表は、現在のスコアから、目標のスコアを達成するために、独学の場合に必要であると考えられている時間です。
(参考:Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6)
この表では、目標スコアに990点がありませんが、850点から950点まで上げるために約300時間が必要となっていることから、950点の下にある時間に150時間を足すことで、大体の時間が分かります。
例えば、現在の点数が650点の場合、950点までに必要な時間が825時間となっているので、そこに150時間を足すことで、満点を取るまでに必要な時間が975時間と計算できます。
この必要な時間を計算すると、TOEICで満点を取ることの難易度の高さが理解出来ると思います。
しかし、この時間は、独学ではなく効率的な学習法や有効な参考書等を知ることで、短縮することが可能です。
TOEIC満点講師おすすめ!990点取得のための参考書と心構えでは、満点を取るためのアドバイスが盛り沢山なので、是非他の記事も参考にしながら、この時間を大幅に短縮していきましょう。
4. まとめ
TOEICの点数で満点を取ることは、簡単ではありません。
しかし、毎回の公開テストで990点を取る人がいるので、頑張り次第で誰にでも取れる点数であると言うこともできます。
TOEICで満点を取ることで、英語を様々な場面で使えるようになる上、就職や転職でとても有利になります。
現在の英語力とTOEICのスコア、そして満点までにかかる時間を確認した上で、どのような学習が必要か、そしてどのようにすれば学習時間を短縮できるか考えて計画を立てましょう。
TOEICで満点を取るという目標は、いつの日か必ず実現できます。
是非TOEICで満点を取れるよう頑張りましょう。
まずはTOEIC650点突破を目指すという方は、ぜひモバイックで最速スコアアップを目指しましょう!