TOEIC400点はどのくらいのレベルなのでしょうか?
TOEICを受けたことがない方、またはTOEIC初心者の方は気になりますよね。
現在のレベルを理解しなければ、どんな目標を設定するべきか、そしてどんなTOEIC対策をするべきかが分かりません。
この記事では、TOEIC400点のレベル・英語力について、TOEIC受講者のスコアや他の英語関連試験を参考に解説します。
気になる大学や企業での評価についても紹介します。
また、TOEIC400点を取るためにおすすめの勉強方法についても、TOEIC講師がアドバイスします。
英語ができる!という評価を期待するには、最低でもTOEIC600点を取ることがおすすめです。
現在TOEIC200~300点台の方は、600点を大きな目標とした上で、まずは確実に400点を取るためにしっかり対策していきましょう。
記事の内容
1. TOEIC 400点のレベルと評価
1-1. TOEIC400点の英語力は初級レベル
TOEICの最低スコアは10点、満点は990点です。
リスニング5~495点、リーディング5~495点の2セクションの合計がスコアとなります。
400点はTOEIC初級レベルとされます。
一般的には、10~495点が初級、500~700点が中級と定義されています。
2018年度のTOEIC公開テスト受験者の平均は580点でした。
よって、TOEIC400点は平均よりも180点低いことが分かります。
TOEICを運営するIIBCが公表しているコミュニケーション能力に関するデータによると、A~Eの5段階評価のうち、TOEIC400点はDレベルです。
Dレベル(TOEIC220~465)は、「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」というレベルです。
具体的には、下記のことができるとされています。
(TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表参照)
・ ゆっくり話してもらうか、繰り返しや言い換えをしてもらえば、簡単な会話は理解できる。
・ 身近な話題であれば応答も可能である。
・ 語彙・文法・構文ともに不十分なところは多いが、相手がNon-Nativeに特別な配慮をしてくれる場合には、意思疎通をはかることができる。
このデータはあくまでも統計的なものですが、なんとか簡単なやり取りはできるけど、英語が話せる!というレベルには達していないことが分かります。
これまで見てきた学習者の傾向からすると、中学・高校ではある程度勉強したけど英語は苦手だという方や、社会人になってから英語に触れていないという方がTOEICを受けると400点台を取ることが多いです。
また、TOEIC400点レベルを他の英語試験と比較すると、下記のようになります。
・ 英検 3級~準2級
・ IELTS 3.5
・ CEFR A1~A2
※CEFRは資格試験ではなく、ヨーロッパで作成された外国語学習者の習熟度レベルを示すガイドラインです。
それぞれ試験内容は違うため、単純比較はできませんが、目安として参考にしてください。
1-2. TOEIC400点レベルの評価(大学・就活・昇進)
高校までにTOEIC400点を取っていれば、大学入試時に役に立つことがあります。
例えば、下記の大学では、TOEIC400点を入試の出願要件の一部としています。
・ 中央学院大学 全学部 AO入試
・ 東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科 公募制推薦入試
・ 武蔵野学院大学 全学部 公募制推薦入試
・ 杏林大学 外国語学部 資格取得者制推薦入試
上記については、TOEIC® Tests 入学試験・単位認定における活用状況を参考にしていますが、情報が更新されていない可能性もあるため、詳しくは各大学が公表している情報をご確認ください。
また、大学によっては、TOEICのスコアによって、単位が認定されることがあります。
しかし、TOEIC400点で単位認定をしている大学はとても少ないです。
単位認定を受けたい場合は、少なくともTOEIC500点を持っていると良いでしょう。
大学でのTOEICスコアの評価については、TOEIC600点のレベルとは?600点を取るべき理由と勉強法で詳しく解説しています。
大学入試時にはある程度の評価が期待できるTOEIC400点レベルですが、残念ながら就活時には武器にはなりません。
TOEIC400点を持っていても、「英語ができる!」という評価をされることはなく、履歴書にTOEICスコアを書きたい場合は、少なくともTOEIC600点以上を取ってから書く方が多いようです。
TOEIC600点以上を持っていればある程度評価をしてくれる企業も出てきます。
TOEIC600点が就活にどのように役立つかについては、TOEIC600点は就職・就活に役立つ!?【企業・職種別スコア有】で詳しく紹介しています。
また、就職後も、昇格・昇進や海外赴任の条件としてTOEICスコアが参考にされることが増えています。
その場合でも、最低でもTOEIC500点を持っていないと対象とされないことが多いです。
TOEIC500点のレベルと評価については、TOEIC500点レベルは役に立つ?【気になる就活・仕事での評価を解説】を参考にしてください。
2. TOEIC400点レベルを目指すための2つのポイント
TOEIC400点を目指す!という方に、勉強を始める前に知っておくべきポイントを2つ紹介します。
2-1. TOEIC400点を取るための各Part目標正解数
1つ目のポイントは、400点を取るために必要な目標正解数を知ることです。
どのPartでどのくらい点数を取れば400点を突破できるかを明確にすることで、勉強に取り組みやすくなり、本番のテストで落ち着いて受験することもできます。
TOEICでは、1問あたりの点数は決まっておらず、具体的な点数の計算方法も公表されていません。
よって、何問正解すればTOEIC400点が取れる!と言い切ることは難しいのですが、目安として、TOEIC400点を取るために目標とすべき正解数は、200問中80問です。
1問5点で単純計算すると、80問正解できれば400点になります。
TOEIC400点を取るために必要な各Partの正解数については、下記の表を参考にしてください。
Part | 問題数 | 400点を取るために 必要な正解数 |
正解率 | セクション別 |
1 | 6 | 3 | 50% | リスニング
100問中 40問正解 40% |
2 | 25 | 12 | 48% | |
3 | 39 | 14 | 36% | |
4 | 30 | 11 | 37% | |
5 | 30 | 14 | 47% | リーディング
100問中 40問正解 40% |
6 | 16 | 6 | 38% | |
7 | 54 | 20 | 37% | |
合計 | 200 | 80 | 40% | – |
人によってはリスニング、またはリーディングの方が得意で、各セクションのスコアに大きく差が出ることが多いので、この表はあくまでも参考程度にお使いください。
この表でも黄色のハイライトで協調していますが、TOEIC400点を目指す方は、Part1,2,5で正解率を上げることがおすすめです。
なぜなら、Part1,2,5は短文の問題で、TOEIC初心者でも正解しやすい問題が多く出るからです。
Part1,2,5で約5割正解できれば、他のPartの正解率が4割程度でも、TOEIC400点を達成することができます。
このポイントをしっかり理解した上で対策を行うことが大切です。
2-2. TOEIC400点を取るために必要な勉強時間
2つ目のポイントは、400点を取るために必要な勉強時間を知り、学習計画を立てることです。
現在の英語レベル・スコアにもよりますが、例えばTOEIC250点の学習者が400点を取るためには、約300時間の勉強が必要と言えます。
実際には、人によってレベルや知識は違うので一概には言えないのですが、目安として下記の表を参考にしています。
参考:Oxford University Press『A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』P.6
左の現在のスコアから、上の目標スコアに上げるためには、それぞれが交わるセルの勉強時間が必要、ということを示している表です。
300時間の勉強は、例えば1日1時間だと300日、1日2時間だと150日、かかる計算になります。
勉強時間がすべてではないですが、「TOEIC400点を取るためにはこれくらい時間をかける必要がある」という目安として理解し、しっかりコミットしてTOEIC対策を進められるように、気合を入れていきましょう!
3. TOEIC400点突破におすすめの勉強方法
3-1. TOEIC400点おすすめ勉強方法❶ 基礎文法
TOEICで400点を取るためには、基礎文法の知識が不可欠です。
まずは中学レベルの基礎的な文法からしっかり習得しましょう。
文法というと難しく思われがちですが、まずは品詞や文型といったシンプルなものからしっかり理解しましょう。
品詞を理解するだけでも、Part5の品詞問題が簡単に解けるようになるので、効果は保証されています。
品詞問題を含むPart5の問題形式については、TOEIC Part5 練習問題【5つの頻出パターン+解説付き】で紹介しているので、参考にしてください。
品詞・文型について自分の言葉で説明できるくらい理解した後は、動詞(be動詞、自動詞・他動詞、時制等)について、例文を作りながら理解していきましょう。
動詞についての理解を深めることで、TOEICの様々な問題で正解できる可能性が高くなります。
文法の学習は、TOEIC対策のための文法学習に特化している参考書を使うことをおすすめします。
おすすめの参考書については、TOEIC400点突破はこの参考書!プロおすすめの3冊を紹介をご覧ください。
3-2. TOEIC400点おすすめ勉強方法❷ Part1,2,5対策
TOEIC400点レベルを目指す方、またはTOEIC初心者の方は、まずはTOEICについて知ることも大切です。
TOEICの概要と各Partの問題形式を知ることで、落ち着いて受験することができます。
TOEICリスニングセクションについては、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】で紹介しています。
TOEICリーディングセクションについては、Partごとの記事を参考にしてください。
TOEIC Part6 練習問題!【解答のコツ・詳細解説付き】
TOEIC Part7 対策!時間内でスコアを上げる3つの秘訣
そして、「TOEIC400点を取るために必要な各Partの目標正解数」でも紹介した通り、まずはPart1,2,5でスコアを稼げるように対策をしていきましょう。
各Partの問題パターンを理解することで、今の自分のレベルで解ける問題を見極めることができます。
Part1は写真という大きなヒントがあるため、TOEIC初心者でも点数を狙いやすいパートです。
しかし、ひっかけ問題もあるので、5割以上正解するためには解答のコツを知っておくことが大切です。
Part1対策については、TOEIC Part1 練習問題【対策と解答のコツを伝授】を参考にしてください。
Part2は、問題冊子には何も書かれていないため、音声を聞くことのみに集中して解答します。
短い質問・文章が放送され、それに対する応答を3つの選択肢の中から選びます。
Part2で5割以上正解するためには、集中力とある程度の慣れも大切です。
Part2対策については、TOEIC Part2のスコアアップを目指すならこの対策!で詳しく紹介しています。
Part5は短文穴埋め問題で、文法や単語の知識がとても重要になります。
5割以上の正解を目指すためには、問題パターンを知ることがカギとなります。
すぐに解けそうな問題を見極められるようになれば、解ける問題に集中してしっかり点数を稼ぐことができます。
Part5の問題については、TOEIC Part5 練習問題【5つの頻出パターン+解説付き】をご覧ください。
3-3. TOEIC400点おすすめ勉強方法❸ 語彙力
TOEIC400点を取るために必要な単語数は、3,500語と言われています。
中学・高校では2,700~3,000語の単語を学ぶため、まずは中学・高校レベルの単語をしっかり覚えましょう。
ただし、やみくもに中高の英単語を復習するのではなく、TOEICに出る単語を覚える必要があります。
TOEIC初心者におすすめの単語帳をTOEICスコアアップにおすすめの単語帳【レベル別・使い方も伝授】で紹介しているので、参考にしてください。
単語の覚え方については、単語を覚えてTOEICスコアアップ!今から始められる単語の覚え方で詳しく解説しています。
単語を覚えるための3つのルール等も紹介しているので、参考にしてください。
4. TOEIC400点レベル目指して挑戦!
以上、TOEIC400点のレベルと400点を目指す方におすすめの勉強方法についてご紹介しました。
TOEIC400点は大学では入試の出願要件の一部として役に立つことはありますが、就活等で企業においては評価されることは少ないです。
文法・単語を中心に英語の基礎知識を身につければ、TOEIC400点突破は難しくありません。
まずはTOEIC400点を着実に目指し、紹介した勉強方法で対策に取り組みましょう。
社会的な評価が期待できる600点以上を目指す場合も、まずは基礎をしっかり身につけることが大前提となります。
大きな目標をしっかり見据えながら、確実に知識を習得し、スコアアップしていきましょう!
TOEIC400点を取り、さらなるスコアアップを目指したい方は、TOEIC400点から600点を達成するための勉強法と参考書を参考にしてください。