TOEIC受験まで2カ月という限られた時間で、TOEIC初心者が何をすればスコアアップ出来るのか、分からなくて悩んでいませんか?
やる気はあるけれど、お勧めの勉強法が多すぎて、自分で2カ月の学習計画を立てることが難しいと感じる方も多いと思います。
限られた時間の中でも、TOEICスコアアップのために集中すべき点に絞って学習することで、TOEIC400点以下の初心者が、約200点のスコアアップを実現することも可能です。
この記事では、TOEIC初心者が2カ月という短期間で集中して学ぶべき点と、その学習法をお伝えします。
今まで多くのTOEIC初心者に対して、試験直前対策を教えて来たTOEIC講師の経験を基に書かれた内容なので、信じてスコアアップを目指してください。
この記事の内容
1. TOEIC初心者がスコアアップのために2カ月で集中すべき点
3. TOEICまでの2カ月でスコアアップが難しい受験者とは?
1. TOEIC初心者がスコアアップのために2カ月で集中すべき点
TOEIC初心者は、2カ月で多くのことを無理して覚えようとするのではなく、本当に必要なポイントに集中することが大切です。
ここでは、集中すべき4つのポイントをお伝えします。
1-1. より多く単語を覚える
TOEICでスコアアップを目指す際に、単語の知識を増やすことは必要不可欠です。
ご存知の通り、TOEICの試験はPart1からPart7までの200問、英語のみが使われています。
よって、1つでも多くの単語を知っていれば内容が理解出来、問題に正しく答えられる可能性が高くなります。
単語が分かるとどれだけ理解度が高まるのか、下記の文を見ながら確認しましょう。
まずこちらの文では、多くの単語が理解出来ないと仮定して、分からない単語の部分は●●にしています。
例文① We ●● an ●● ●● ●● with Mr. Smith this ●●.
半分程度の単語が分からない状態のため、「私たちがスミスさんと何かするのであろう。」ということしか分かりません。
この文について質問されても、正しい答えを出せる可能性はとても低いと言えます。
では、もう少し多くの単語を理解した状態で、同じ文を見てみましょう。
例文② We have an ●● ●● scheduled with Mr. Smith this evening.
最初の文に比べて、断然内容が分かるようになりました。
この状態で、「私たちはスミスさんとの何かを今晩予定している。」というところまでは分かります。
しかし、まだ分からない単語があるため、重要な「何か」という情報が分かりません。
それでは最後に、全ての単語が分かる状態で文を見てみましょう。
例文③ We have an online meeting scheduled with Mr. Smith this evening.
(私たちは、今晩スミスさんとのオンライン会議を予定している。)
これで意味がしっかりと分かるようになりました。
このように、単語を多く知れば知るほどTOEICの問題を理解出来るようになり、正しい答えを選べる可能性が高くなることで、スコアアップに繋がります。
1-2. 基礎文法を見直す
単語の知識と同様に、TOEIC初心者にとって大切なのが基礎文法の知識です。
Part5やPart6で文法問題が登場するため、文法の知識があればスコアアップに直結しますが、それ以上に、文法が分かることで、TOEIC全体で登場する英文をより正確に理解出来るようになります。
語順を例に挙げてみましょう。
何かを伝える時に文を作りますが、その文を作るために必要な単語の知識を持っていても、並べる順番が分からず、適当に並べてしまうと、何を伝えたいのか相手に伝わらない可能性が高くなります。
例文④ George because two he off to tickets the get days decided book to managed.
こちらはある文の単語の語順を変えたものです。
これはかなり極端な並べ方をしましたが、語順が間違っていると、単語が揃っていても意味が伝わらない可能性があることが分かります。
それでは基礎文法を理解した上で、正しい語順で文を作った場合、どのような文になるか下記で確認してみましょう。
例文⑤ George decided to book the tickets because he managed to get two days off.
(ジョージは、2日間の休みを取ることが出来たので、そのチケットを予約することに決めた。)
TOEIC L&Rでは実際に文を作ることは求められませんが、英文を聞くとき・読むときにも文法知識の有無によって、理解力に大きな差が出ます。
TOEIC初心者の場合、基礎文法をしっかりと見直すことで、試験で登場する文の形が少しでも多く分かるようになり、答えが見つけられるようになることで、スコアアップに繋がります。
1-3. TOEICの基本的なテクニックとひっかけを知る
TOEICには解答テクニックやひっかけ問題が存在します。
TOEICに慣れていない初心者は、まずは基本的な解答テクニックやひっかけについて知るようにしましょう。
TOEIC初心者が知っておくべき基本的なテクニックは、下記の2点です。
❶ Part3とPart4では、問題と選択肢を先に読んでから会話やナレーションを聞く「先読み」を行う。
❷ Part5の品詞問題(名詞、動詞、形容詞、副詞等から正しい選択肢を選ぶ問題)は、空欄の前後を見て瞬時に解く。
この2つは、TOEICでスコアアップを目指す上で必須と言われる解答テクニックです。
「先読み」に関しては、TOEIC初心者が選択肢まで読むことは難しいので、まずは問題だけでも読めるようにしましょう。
Part5の解答テクニックは、解答にかかる時間を短縮することに役立つため、Part7の解答時間を少しでも長くする上で重要なテクニックです。
基礎文法の知識を見直しつつ、このテクニックを実践できるようにすると良いでしょう。
この2つのテクニックが出来るようになるだけでも、100点以上スコアアップすることも夢ではありません。
「先読み」の詳細は、TOEICリスニングの賢い時間の使い方【解答の流れと先読みのタイミング】をご覧ください。
Part5の品詞問題と解答テクニックについては、TOEIC Part5 対策!短文穴埋め問題の攻略法を解説をご覧ください。
次に、TOEIC初心者が注意すべきひっかけについて、リスニングセクションから2つご紹介します。
リーディングセクションにもひっかけ問題はありますが、TOEIC初心者のとっては、特に試験の前半で出題されるリスニングセクションのひっかけ問題を知っておく方が、よりスコアアップに直結します。
下記の2種類のひっかけに注意しましょう。
❶ Part1では、キーワードは正しいが、詳細が間違っている選択肢に注意する。
❷ Part2では、問題と選択肢の両方に同じ単語、または音が似ている語句が流れた時には注意する。
この2つは特にTOEIC初心者が答えに迷っている時に、間違いを誘うひっかけ問題です。
TOEIC受験時のように緊張している状況で答えが分からない時、人は聞き覚えのある単語や表現を聞くと安心して、それを選んでしまう傾向があります。
Part1では、目に飛び込んでくる人やもの(キーワードとなるもの)は正しいけれど、詳細が間違っているというひっかけ問題が頻繁に登場します。
これは、キーワードを聞いて安心させて、それ以降の情報も正しいと信じ込ませる手法です。
Part1のひっかけ問題の詳細に関しては、TOEIC Part1 練習問題【対策と解答のコツを伝授】をご覧ください。
Part2では、質問や文が放送され、それに対する正しい応答を選ぶ問題が出題されます。
この応答問題は、ヒントとなるものが問題用紙に一切書かれていないため、自身のリスニング力のみを頼って解答する必要があります。
それが、TOEIC初心者をとても不安に思わせる要因となっています。
文を聞いても分からなかった、または聞き逃してしまった場合、何とか聞こえた単語から答えを探そうとします。
そのような時に、質問で聞いた単語と同じ単語、または似ている音の単語が流れたら、それを選んでしまう可能性が高いのです。
それがまさにこのPart2のひっかけです。
このようなひっかけがPart2では多くあることを知ることで、答えが分からず、質問で流れた単語と同じ、または音が似ている単語を含む選択肢が出たら、それは間違いだと判断することが出来ます。
稀に正解になることもありますが、間違いである可能性の方が高いです。
Part2のひっかけ問題に関しては、TOEIC Part2のスコアアップを目指すならこの対策!をご覧ください。
1-4. TOEICの問題に慣れる
TOEIC初心者が2カ月の中で集中すべき点4つ目は、TOEICの問題に慣れることです。
しかし、どのような問題が出題されるか、細かく見て覚えることは2カ月では難しいです。
TOEIC初心者にとっては、ただでさえ覚えることが多いので、Part毎に出題される問題の傾向などを細かく知る必要はありません。
TOEICの問題とはどのようなものか?肌感覚で良いので理解し、慣れておくことが大切です。
基礎文法の見直し、語彙力アップ、そして基本的な解答テクニックとひっかけについて学びながら、TOEICの問題を解いて慣れるようにしましょう。
2. TOEICまでの2カ月で失敗しない学習スケジュール
TOEIC初心者は、2カ月で多くを詰め込むのではなく、現段階で知るべき基礎的な知識を学びながら、時間を有効活用する必要があります。
ここでは、2カ月の学習で失敗しない学習スケジュールをお伝えします。
ただしこれは1つの提案なので、自身が弱いと思うポイントがあれば、その勉強を多めに行うなど調整していただくことは可能です。
2-1. 語彙力を強化する(1~2ヶ月目)
語彙力の強化は、2カ月の間、最初から最後まで継続して行うようにしましょう。
語彙力強化には、単語帳を1冊選び、繰り返し単語を確認していく作業を日課にすることが大切です。
2カ月という限定された期間でスコアアップを目指すためには、覚える単語の数もある程度限定するようにしましょう。
詳しい単語の覚え方は、単語を覚えてTOEICスコアアップ!今から始められる単語の覚え方をご覧ください。
単語帳には、目標スコア等でレベル分けがされているものが多くあります。
現在のTOEICスコアから200点程上げることを目標に、その目標の点数に必要とされる単語が収録されたものを選ぶと良いでしょう。
単語帳の中には、「初級」「中級」「上級」や「レベル1」「レベル2」「レベル3」のように、1冊の中で難易度別に分けられているものもあります。
そのような単語帳の場合は、「初級」や「レベル1」のものを、2カ月間集中して覚えるようにすることがお勧めです。
もちろん余裕があるのであれば、その上の級やレベルのものを覚えることも可能です。
おすすめの単語帳は、TOEIC初心者におすすめの参考書と活用方法【単語・文法・TOEIC対策】をご覧ください。
2-2. 基礎文法を見直す(1ヶ月目)
基礎文法の見直しは、最初の1カ月で集中して行います。
まずは英文法の知識をしっかりと再確認し、その後にTOEICの問題を解くようにすることで、問題を解く時はもちろん、解説も分かり易くなります。
例えば、文法の見直しを行っていない状態で、文法問題の解説を読んでも、意味が分からない可能性があり、限られた時間を無駄に使ってしまうことにもなりかねません。
TOEICで登場する基礎文法のみを学習するようにし、1つの文法事項を1日でしっかり理解しながら、一通り確認しましょう。
それを1周だけでなく、2~3周は行うようにしましょう。
一度見直しただけでは知識として定着しないので、繰り返し確認することが大切です。
これは、文法だけではなく、TOEICや英語の勉強全般に言えることです。
基礎文法の勉強法は、TOEIC初心者が英文法で絶対に失敗しない勉強法まとめ【完全保存版】をご覧ください。
TOEICの文法を集中して学習できるおすすめの参考書は、この参考書でTOEIC500点突破!講師おすすめの3冊と活用法をご覧ください。
2-3. TOEICを知る(2ヶ月目)
TOEICでスコアアップを目指すためには、TOEIC自体を知る必要があります。
Part1からPart7の問題形式や問題数等、基本的な情報を知ることが、どのようにTOEICを解き進めていくべきかのヒントになります。
もちろん現段階では、TOEICの問題をすべて最後まで解くことは難しいでしょう。
しかし、TOEICの試験について知ることで、しっかりと心の準備が出来るので、驚かされるようなことは無くなります。
TOEICを知ることは、2カ月目の最初の方で行うようにしましょう。
IIBCのTOEIC公式サイトで情報収集をしたり、各PartについてまとめたTOEIC全Partの総まとめ【対策・勉強法・参考書・練習問題】を参考にしていただいても結構です。
ここに関しては、そこまで多くの時間をかけずに情報を得るようにしましょう。
2-4. TOEICの問題に慣れる(2ヶ月目)
TOEICの問題に慣れるということは、TOEICのスコアアップを狙う上でとても大切です。
これは2カ月目で集中して行いましょう。
1カ月目で語彙力を伸ばしつつ、基礎文法の見直しを行うことで、ある程度英語力が上がっていきます。
それを実感できるのが、TOEICの問題を解いている時です。
まだまだ不正解になる問題も多くありますが、以前より問題を解く際の考え方がしっかりとして、解説を読んでもつじつまが合うようになってきます。
TOEICでスコアアップを狙うには、TOEICの問題を解きながら、その難易度や問題の傾向を肌で感じるのが一番です。
公式問題集、または練習問題と解説が充実している問題集を1冊用意して、繰り返し解くようにしましょう。
公式問題集に関する詳細は、おすすめのTOEIC公式問題集【違いを比較&勉強法を伝授】をご覧ください。
3. TOEICまでの2カ月でスコアアップが難しい受験者とは?
2カ月という限定された期間で頑張っても、正直なところ目標までスコアアップすることが難しいという受験者もいます。
次のような方は、2カ月で目標までスコアアップすることが難しい可能性があります。
ただし、重要なことは、駄目かもと諦めるのではなく、現状を受け止め、新たに学習計画を立てることです。
3-1. 現在のスコアと目標のスコアの差が開きすぎている
2カ月でTOEICで200点以上スコアアップすることは可能です。
しかし、現在のスコアと目標のスコアの差が開きすぎている場合、2カ月ではその目標までスコアアップすることが難しいこともあります。
例えば、今のスコアが200点で、目標が600点の場合、元々500点くらい取る英語力がなければ、2カ月で400点上げることは現実的に難しいでしょう。
このような場合、目標達成にかける時間を長めに設定し、且つ200点から600点と一気に400点を上げるのではなく、400点を短期目標、500点を中期目標、そして600点を最終目標のように設定し、少しずつ目標を達成するようにしましょう。
これによって、やる気を持続しながら、目標に向けて学習を継続することが出来ます。
3-2. 目標達成のためにはこの勉強法を実践する
TOEIC初心者の方は、2カ月で目標の点数までスコアアップすることが難しいとしても、落ち込む必要はありません。
それは今まで英語に触れる機会が無かったり、英語が苦手で避けてきた等、様々な理由があり、ある意味当然のことなのです。
重要なことは、目標を設定し、勉強を頑張っていくということです。
TOEIC初心者が目標を達成するためには、既にお伝えした通り、下記の3点が重要です。
❶ 語彙力強化
❷ 基礎文法の見直し
❸ TOEICを知る
それに加えて、リスニング力やリーディング力を伸ばすために、音読やシャドーイング、そして精読を行いましょう。
最初は声に出して練習する音読やシャドーイングは面倒と感じるかもしれません。
また、精読は時間がかかるため挫折しそうになることもあります。
しかし、これらの学習を習慣化できるまで頑張ることで、目標に徐々に近づいていることを感じられるようになります。
習慣化してしまえばあとは目標達成まで突っ走るだけです。
音読とシャドーイングのやり方は、TOEICリスニング対策と解答のコツ【音読できる=聞けるの法則とは⁉】をご覧ください。
精読のやり方は、TOEIC Part7 対策はこれ!知っておくべき精読とは?でご確認いただけます。
4. TOEIC初心者でも2カ月でスコアアップ!
TOEIC初心者が2カ月で200点を上げることは、簡単ではありません。
しかし、残された時間を有効に「語彙力アップ」、「基礎文法の見直し」、そして「TOEICの問題を知る」ことに使うことで、可能性は高まります。
仮にあまり点数が上がらなかった場合でも、再度ゴールを設定しなおして、そこまで学習してきたことを継続して行うことで、必ず目標は達成できます。
また、学習を継続することで、英語力が上がることに加えて、何かに向かって頑張っていることに対する自信が生まれるようになります。
あとTOEICまで2カ月という初心者の方は、是非今回の記事を参考にスコアアップを目指してみましょう。